高校受験キホンのキ(東京都版)

公立・私立高校の
入試制度の違い

公立高校・私立高校の入試制度の違いがすぐに言える人はどのくらいいるでしょうか?恐らくほとんどの受験生が、公立・私立どちらの高校も出願する可能性が高いため、この違いを知っておかないと入試本番で想定と違うことが発生して混乱します。

そこで今回は「公立・私立の入試制度の違い」を解説していきます。公立・私立の入試制度にどういう違いが存在するのかを確認してください。

今回は東京都の都立高校入試と私立高校入試の違いについて取り上げていくので、東京都以外の学校を受験する場合は別途確認しましょう。

都立の入試制度について

都立高校の入試制度では、一般的に「調査書+学力検査」で受験生の合否を決めます。しかし、都道府県によっては推薦や実技などが合否に関わってくる場合があります。

一般入試

「5教科試験+調査書」で合否判定します。都道府県ごとに比重が異なるのですが、都立高校の場合は「5教科試験:調査書=7:3」という配分です。

学力試験については、5教科試験は都内全ての高校で共通のものを使います。例外として「進学指導重点校」「進学重視型単位制高校」などのグループ作成問題実施校では、国・数・英の3教科を独自問題に差し替えています。そのため、そういった一部のハイレベルな都立高校を受ける場合は個別で入試問題を確認しておきましょう。

調査書については、都立では「3年生の内申が入試での評価対象」です。加えて、「実技科目の4科目は内申点が2倍」になります。

つまり、都立高校を受験する人は実技科目で油断すると調査書の点数があまり伸びない可能性もあります。そのため、中学の定期テストでは実技科目も対策を徹底しましょう。

都立高校の場合、推薦入試には「一般推薦」「文化・スポーツ等特別推薦」の2つがあります。推薦入試では「調査書」「個人面接及び集団討論」「作文・小論文・実技」等の結果によって合否が判定されます。このとき、総合点に占める調査書の得点の割合の上限は50%です。

推薦入試

また、どの高校でも「個人面接及び集団討論」「作文・小論文・実技」の試験が実施されるので、調査書の点数と合格ラインを確認しながら「逆転を狙って挑戦校を受けるのか」「調査書の得点を生かして安全校を受けるのか」を考えてください。

前期後期制度は一本化される傾向にある

都立一般入試は「第一次募集・分割前期募集」を行い、人数割れしたら「分割後期募集・第二次募集」も行う形です。

しかし、他県では1回方式に移行しているところも徐々に増えています。例えば、東京都の近隣にある埼玉県・神奈川県は、現在どちらも公立高校入試は1回方式です。1回方式に変更されている要因の1つとして業務の簡素化が挙げられます。

私立の入試制度について

私立高校の入試制度は、公立高校の入試制度とは違い複数存在します。今回は、東京都内の私立高校で利用されている入試制度を取り上げました。

一般入試

一般入試(オープン入試)は、純粋な学力テストの結果を合否判定で重視する制度です。そのため、調査書の点数がそこまで高くなくても受験することができます。

この制度を活用するのにおすすめの人は、「模試で得点は取れているが内申点はそこまで高くない人」「調査書の得点が足りないけどどうしても行きたい高校がある人」です。自分がその条件に当てはまっている人は、ぜひ一般入試の活用を検討してください。

単願推薦

単願(専願)推薦は、「受かった場合は確実にその高校に入学する」ということが出願条件になっている入試制度です。

この制度を使う最大のメリットは、内申点が低く多少学力に自信が無くても、推薦を受けることさえできればほぼ確実にその高校に入学できる点です。そのため、どうしても行きたい私立高校がある人はこの制度を使うのがおすすめです。

ただし、人気校では高倍率の場合があります(不合格者の一般入試時の優遇措置あり)。そのため、自分の受けたい高校の倍率は必ず確認してください。

また、合格した場合は基本的に取り消すことができません。そのため、「自分は本当にその高校に行きたいのか?」ということを熟慮してから出願する必要はあります。

併願優遇

併願優遇とは、入試を希望する私立高校の内申点基準をクリアしていればほぼ合格が決まる制度のことです。一般入試を受ける必要はありますが、基本的に点数は関係ありません。

この制度を利用した場合、第一志望の都立高校に合格したら併願優遇で受けた私立は辞退できます。しかし、第一希望の高校が不合格の場合は必ず入学しなければいけません。

この制度を利用するには、内申が確定した時期以降に併願優遇の高校を決めて、それを学校に報告する必要があります。併願優遇制度を使うメリットとして「第一志望校の合否が出るまでは手続きを待ってくれる」ということが挙げられます。この制度によって第一志望校の対策のみに専念することができますのでぜひ活用してください。

まとめ

このように入試制度には様々な種類があります。それぞれの場合で、合否判定に使われる要素なども少しずつ異なるので自分の志望校に合わせてしっかり対策をしましょう。