高校受験キホンのキ(東京都版)

推薦入試狙いでも
入試に向けた勉強はすべき?

高校受験では、推薦入試での合格を目指している場合「推薦を受けるし、受験に向けた勉強はしなくても大丈夫」と考える生徒もいます。

推薦のイメージとして「頑張って勉強しなくても内申点が高ければ合格できる」というのが根付いているのでしょう。

それでは推薦入試を受験するのであれば、本当に勉強をやめてしまっても良いのでしょうか?今回はその点についてご説明します。

推薦狙いでも入試に向けた勉強すべき?

基本的には「推薦入試狙いでも入試に向けた勉強はするべき」です。受験では学力を高めておいて損をすることはありません。そのため基本的には勉強をしておくべきであるといえます。

なお、推薦入試を受験するとなると、調査票の内容が重要となります。そのため、主要な5教科の勉強よりも実技の勉強に力を入れ、内申点をアップさせる勉強に注力する人がいます。

この勉強方法も悪いやり方ではありませんが、可能な限り主要5教科を軸とした勉強をするようにしましょう。

その理由は、入学後は一般入試で合格した人と同じレベルの授業を受けなければならないからです。「推薦入試を受けるため勉強しなくても良い」と考え勉強をサボると、入学してからレベル差で授業についていけなくなる可能性があります。

また、中学生での学習範囲は高校生の授業に直結していることから、勉強しておかなければそもそも授業が飲み込めなくなります。

受験校の種類による!

推薦入試を受験する場合でも勉強はすべきである、とご説明しました。

ただ、どのように勉強するのかは「都立高校などの公立高校」「私立高校」のどちらを受験するかによってやや異なります。以下では推薦を受ける高校の種類に分けてご説明します。

都立の推薦では確実な合格はできない

そもそも都立高校の場合、推薦は必ず合格できるものではありません。地域によってはほぼ必ず合格できるような状態で出願するケースもあるようですが、都立高校ではそのようなことはありません。

実際に都立高校の推薦入試合格率を確認してみると「約4割」に留まっています。つまり、半分以上は不合格となるということ。これはあまり余裕がある状態とはいえません。

そのため、もし「推薦入試はほぼ合格できる」というイメージを持っていたのであれば、この数字を踏まえて認識を改めてください。

合格率を踏まえて考えると、半分以上が落ちる事実を考慮し「推薦入試を受験する人も、合格できなかった時を考えて一般入試に対応できるだけの勉強をしておく」というのが正解です。そのため、推薦を受験する人も志望校に合わせた受験勉強をしておくべきでしょう。

また、「推薦入試に合格できるからあまり勉強しなくても良い」などと勉強に手を抜いていると、高校に入学してから痛い目を見る可能性があります。そのためどんなときも勉強はサボらないようにしておきましょう。

都立推薦は「勉強したけど少し自信が無い」ような時に活用したい

都立高校の推薦入試は「勉強したけど少し自信がない」ときに活用するのがオススメです。そのため「勉強に自信があるから推薦入試を利用する」というのは少しもったいない使い方です。それだけ自信がある場合は、限界まで勉強をしてより高い高校を志望した方が良いでしょう。

それではなぜ「自信がない時に推薦入試がオススメである」と言えるのでしょうか?それは「推薦入試であれば単純な学力以外も評価されやすいから」です。

上記でも触れたとおり、推薦入試を利用するかどうかにかかわらず、一般入試に対応できる勉強をするのが基本です。時間が許す限り勉強をして学力を上げるようにしましょう。

ただ、どんなに勉強しても「思うように成績が伸びず志望校に合格できる自信がない」という人がいるのも事実です。この状態では、一般入試で勝負をしても学力差で落ちてしまうかもしれません。

しかし推薦入試であれば、多少学力に不安があったとしても他の要素、例えば〜〜〜〜などでカバーできます。そのため学力には自信がなくても合格できる可能性があるのです。

私立は受かる可能性は高い

私立高校の場合、単願制度などを利用すれば合格できる可能性は高いです。必ず合格できるわけではありませんが、公立高校の「約4割」という数字と比較すると、かなり高いと考えられます。

そのため、私立一本で考えるのであれば内申点を意識した勉強のみでも良いでしょう。一般入試向けの勉強をするのではなく、内申点を確実に取る勉強も合格を考えると必要な勉強です。

ただ、難易度の高い高校は推薦の倍率が高く、求められる学力も高くなります。そのため、単純に内申点が高く調査票の内容が良いだけでは合格できません。

もし「偏差値が高い」など難易度が高い高校を受験するのであれば、「当日の試験のため」及び「推薦入試に落ちた時のため」に勉強を続けましょう。

どのような場合でも勉強しておいて損はない!

生徒の中には「私立高校を受験するため勉強はしなくても良い」「私立高校の推薦を受けるため勉強は適当でも良い」と考える人がいます。確かに推薦入試だけを考えればそうかもしれません。

しかし上記のように「推薦なら必ず合格できる」という保証が無い場合もあります。そうしたことを考えると、万が一不合格だった時のことを考慮し勉強しておくというのも一つの手です。

また、高校に入ってから基礎学力で差をつけられる可能性もあるため、長い目で見ると勉強しないことは損です。

推薦を受験する場合はモチベーションが上がりにくいかもしれませんが、「勉強をやめる」ということは絶対に避けましょう。

万が一不合格だった場合に備えよう

どんな学校でも「絶対に受かる」との状況は基本的にありません。仮に先生が「〇〇高校の推薦なら合格できる」と言ったとしても、不合格になった場合を考えなければならないのです。

例えば「推薦入試当日に高熱を出して欠席する」などの事態が発生すると、調査書に問題がなくても不合格となる可能性があります。これは誰にでも起こりうることであり、「絶対に合格できる状況」はありません。

このような時に勉強していなければ、一般入試へのシフトができません。つまり、リカバリーができなくなります。そのようなことにならないためにも、万が一を意識した勉強をしておきましょう。

まとめ

推薦入試を受験するからと受験勉強をやめていいわけではありません。万が一のことも考え、一般入試に通用する勉強をしておきましょう。

そもそも、勉強はどんなにしておいても損にはなりません。高校に入学してからなど、様々な場面で役に立つ可能性があります。そのため、推薦入試を受験するかどうかにかかわらず、しっかりと勉強するに越したことはありません。