高校受験キホンのキ(東京都版)

英検は受けたほうがいいのか?

受験シーズンになると「英検・漢検・数検を一応取った方が良いのではないか」と考える受験生も多くなると思います。

果たして、これらの資格を取る必要はあるのでしょうか?今回はその中でも「英検」について詳しくご説明します。

英検は受験しておくべきか?

「英検を受験した方が良い」というセリフは、受験生であれば一度は耳にしたことがあるかと思います。実際はどうなのでしょうか?

結論からお伝えすると「受験した方が良い」です。なぜなら「英検」の資格を持っていると、高校受験において様々なメリットがあるからです。

高校受験における英検のメリット

それでは、英検にはどのようなメリットがあるのでしょうか?

一番は「高校入試に有利になるというメリットがあります。英検は、漢検や数検などの他の資格と比較すると加点対象になりやすい傾向にあります。

ただし「大幅に有利になる」という事はありません。学校ごとに加点方法や指定される級も異なりますが、おおむね「1〜2点」の加点になります。また「私立」と「都立」でも加点方法が異なります。

私立高校の加点方法

学力試験や内申点に加点されます。学校ごとに導入方針は異なりますが、大きなメリットと言えるでしょう。

都立高校の加点方法

内申点に加点されます。こちらも都道府県や学校ごとによって導入方針は異なります。都立高校の場合は、英検などの資格の他に、日々の活動記録(部活動・委員会・ボランティア活動)も加点の対象になります。

都立高校入試では、内申書などの「当日の試験以外」の評価割合が全体の3割を占めているため、このような学力以外の学校での態度や資格に自信がある受験生にとっては非常に大きいです。

3級or準2級は持っておこう

ここまでお読みいただいた方は「何級まで取るべきなのか」と感じる方も多いと思います。英検は「とりあえず取れる級を取れば良い」というわけではありません。優遇されやすい級の目安があります。おおむね「3級か準2級」となっています。

しかし、学校によっては級の指定がされていない高校もあります。例えば「私立立教池袋高校」は、「合否の参考にする」としか評価基準を公開していません。

「英検3級」は「中学卒業レベル」とされています。つまり、中学英語の基礎力の集大成です。

「英検準2級」は「高校中級レベル」とされています。そのため、中学生にとってはやや応用レベルとなりますが、中学英語の「基礎」がしっかりとできていれば合格が難しいという事はありません。

これ以上の「英検2級や準1級」を取得しているとさらなるメリットがあります。学校によって異なりますが、入試得点を「80〜100%保証してくれる」制度もあるのです。

その例が「私立富士見ヶ丘高校」です。「英検準1級ほか各種英語検定を90%の得点率とみなし、入試の点数と比較して高いほうの点で合否判定する。」という制度があります。

このように、学校によっては英検の資格があることで高校入試をかなり有利に進められる事が分かりますね。

英検は主に私立で優遇される

英検は、東京都の受験生だと「私立高校」の学力試験の際に優遇されることがあります。

都立高校の一般入試では内申点への加点がある場合もありますが、基本的に学力試験そのものへ加点される事はありません。

しかし、行きたい都立高校のために私立高校も併願する必要があるので、「都立高校が第一志望」という受験生にも関わってくる重要なことです。詳しくご説明します。

私立高校は主に下記の3つの入試方法があります。

1・推薦入試

2・併願優遇の一般入試

 ※「併願優遇」制度は、私立高校が指定する内申点の基準を満たせばほぼ合格が確約されるというものです。一般入試は受験する必要がありますが、すで合格が確約しているためほぼ点数は関係ありません。

3・一般入試

この3つの中で特に有利に働くのが、2つ目の併願優遇の一般入試です。なぜなら英検の資格が内申点に加点されるからです。

例えば、内申点が「15」しか無いA君の行きたい私立の内申点の合格基準が「16」の場合、「英検」の加点により内申点の合計が「16」となり合格出来るというわけです。

学力試験の際に加点される

さきほど、おおむね「1〜2点」の加点とお伝えしました。この点数を見て「そんなに少しの加点にしかならないなら受験しない」と考える方もいるかもしれません。

しかし、この「1〜2点」が合否の分かれ目となります。先ほどの内申点のように、ほぼ同じ学力の受験生がいた場合にはこのわずかな加点が合否を分ける可能性もあるのです。

このように、学校ごとで内申点や学力試験に加点されるとお伝えしましたが、英検受験のメリットはそれだけではありません。

一部高校では点数80%保証あり!

学校によっては入試得点を80〜100%保証」する制度があります。その例が、先述した「私立富士見ヶ丘高校」です。

「英検準1級ほか各種英語検定を90%の得点率とみなし、入試の点数と比較して高いほうの点で合否判定する。」という制度があります。

英検の資格を持ってないと受験資格なし!

指定された英検の級を持っていないと受験資格が無い高校があります。「私立東京女子学院高等学校」がその例です。

推薦入試と併願優遇入試の受験資格が「英検3級取得者」となっています。英検資格を取得していないだけで、自分の行きたい高校に行けないなんてもったいないですよね。

高校での単位に認定される場合もある

「英検」を取得していると「高校の単位に換算できる場合もあります。東京都には、大学のように授業を単位制にしている「進学重視型単位制高校」もあるため、そのような高校で単位として認定されればかなりアドバンテージになるでしょう。

具体的にどのような優遇制度があるのか?

ここまで高校受験における英検取得の必要性について見てきましたが、実際の高校はどのような優遇制度を設けているのでしょうか?

私立郁文館高等学校

「推薦入試・併願優遇入試」で優遇されます。

進学コース(偏差値55)では「英検・漢検・数学検定」のいずれかが「3級で内申に1点の加点」「準2級で2点の加点」「英検2級以上で3点の加点」となっています。

また、e特進コース(偏差値59)では「英語の内申点が4以上または英検3級以上」が出願資格です。

私立江戸川女子高等学校

「推薦入試・一般入試」で、「英検準2級以上の取得者は9教科の内申点に1点加算」されます。

私立順天高等学校

「推薦入試・一般入試」で、「英検準 2 級で5教科の内申点に1点の加点」「2 級以上で5 教科の内申点に2点の加点」となっています。

そして5科内申点が基準値以上になると「3教科入試得点」に 「30点プラス」されます。

まとめ

受験シーズンになると、英検を始めとする各種資格取得の必要性を考える受験生が増えると思います。

先述の通り、高校入試の際は「1〜2点」が合否の分かれ目になります。とは言っても、もともとの内申点をしっかりと取ってないと意味はありません。

学校の勉強や活動をしっかりと行い、その上でライバルと差をつけるために英検を受験してみるのはどうでしょうか?