高校受験キホンのキ(東京都版)

集団塾と個別指導の
メリット・デメリット

学習塾には「集団塾」「個別指導塾」があります。そのため、「自分の子供はどちらが適しているのか」と悩まれる保護者の方が多くいるのが現状です。

どちらの塾にもメリットとデメリットがあります。それぞれについて以下でご説明しますので、どちらが適しているのか考えてみてください。

集団塾と個別指導塾はどちらが良い?

学習塾は集団塾と個別指導塾がありますので、「そもそもどちらが良いのか」と気になることでしょう。

結論としてはどちらの塾が良いとは言い切れません。重要なことは、子供に適した学習塾を選ぶということです。以下ではこの点をご説明します。

子供のタイプに合わせた塾を選ぼう!

学習塾は子供のタイプによって選ぶべきです。例えば以下が考えられます。

・学校の授業に追いつけていないため個別指導塾

・難しい問題にどんどんチャレンジしたいため集団塾

・男の先生が苦手なため女性の先生に対応してもらえる個別指導塾

・学習サイクルを固定させるためカリキュラムの決まった集団塾

上記は一例ですが、子供がどのようなタイプかを考え、それに適した学習塾を選びます。

集団塾のメリット・デメリットについて

最初に集団塾のメリット・デメリットをご説明します。

メリット

集団塾のメリットは以下のとおりです。

勉強のモチベーションが上がる

集団塾は学習意欲の高い生徒が集まっています。近い距離に切磋琢磨できるクラスメートがいるため程よい刺激を受けることができ、結果的に周りに影響されてモチベーションが上がるというメリットがあるのです。

個別指導塾の場合、集団塾と比べて周囲に人が少ない可能性があります。そのため「同じ目標を持つ人がいた方がやる気が出る」という人の場合は、モチベーションが上がりにくでしょう。

講師がプロ

学習塾での成長度合いは講師と授業の質に左右されます。その点集団塾では講師がプロであることがほとんであり、特殊な状況を除きアルバイトは基本的にいません。

そのため、集団塾は講師と授業の質がどちらも高いことが期待できます。そのため十分な成績アップを見込めるという点がメリットです。

また、講師がプロであるということには、安定して質の高い授業を受けられるということ。集団塾では、スキルや知識を十分に身につけている講師から授業を受けられるのです。

費用が安い可能性がある

学習塾にもよりますが、個別指導塾と比較すると料金が安い場合があります。ただし、学習塾が大手であるかどうかなどによっても大きく左右されます。

なぜ費用が安くなるかというと、集団塾は講師に対して生徒数が多くなるため、人件費を抑えられて授業料を安くできる場合があるためです。

ただし、先述の通り集団塾で講師となる人物はその道のプロであることが多いです。そのため講師によっては人件費が高くなることもあるため、「必ずしも授業料が安くなる」というわけではないことは覚えておきましょう。

スケジュールが決まっている

最初からスケジュールが決まっていることで、勉強習慣を作りやすくなるというメリットがあります。

集団塾では同時に多くの生徒が授業を受けるので、授業のスケジュールに生徒が合わせます。そのため、必然的に学習塾中心の生活が生み出されるのです。これにより、決まった時間に決まった場所へ行き勉強する習慣を作れます。

どんなに受験のことを意識していても、時にはサボってしまうこともあるでしょう。それを避けるためにも勉強習慣をなんとか作り出すことが大切です。しかし集団塾に通うことで、半ば強制的にその習慣を作り出せるのです。

デメリット

集団塾のデメリットは以下のとおりです。

生徒のレベルに合わせた指導は難しい

集団塾は最初からカリキュラムが定められています。そのため、生徒のレベルに合わせた指導をするのは難しいです。

また、集団塾では講師の数に対して生徒の数の方が圧倒的に多いです。そのため、物理的にも生徒一人一人に寄り添った指導はできない可能性が高いでしょう。

そのため生徒は、自分で自分のレベルを把握し、それに沿った授業を選択しなければなりません。授業についていけない場合は、自己責任となってしまいます。集団塾に通っただけで勉強をした気持ちにならないようにだけ気をつけましょう。

なお、不明点があれば質問には対応してもらえます。ついていけないのであれば、自分で追いつくしかありません。

授業に集中できない可能性がある

状況によっては授業に集中できない可能性があります。

先述の通り、周囲に人がいることで集中できる可能性はあります。しかし、それが逆効果になることもあるでしょう。

例えば、集団塾の中には「周りがうるさい」「授業外は遊んでいても注意しない」などの環境に当てはまるところがあります。つまり、塾であるにも関わらず勉強に集中できる環境が整っていないということです。

そのような集団塾に通うと、逆に勉強に集中できず思ったより成績が伸びない可能性もあります。

授業の調整がしにくい

メリットの裏返しですが、集団塾は授業の調整がしにくいデメリットがあります。

あらかじめ決められたスケジュールに合わせる仕組みですので、自分の都合でスケジュールは変更してもらえません。都合が合わなくなると、欠席するしかなくなってしまいます。

大手の集団塾では、同じレベルの授業が複数回実施されている場合があります。この場合は、別の授業に振替をしてもらえることはあります。ただ、このような例外を除き時間の調整がしにくいデメリットがあります。

個別指導塾のメリット・デメリットについて

続いて個別指導塾のメリット・デメリットをご説明します。

メリット

個別指導塾のメリットは以下のとおりです。

生徒それぞれに合わせた指導を受けられる

最初からカリキュラムが決まっているものではありませんので、生徒に合わせた指導を受けられます。講師と生徒の面談を通じて、苦手分野を克服するための勉強や志望校に特化した指導など、生徒のレベルや傾向に合わせて重点的に指導してもらえるのです。

集団塾ではカリキュラムがある程度決まっているため、このような指導はなかなか受けられません。苦手や得意を踏まえて、自分に合ったカリキュラムを検討してもらえる点がメリットです。

疑問点をすぐに解決できる

集団塾でも講師に質問することは可能です。しかし、他の生徒がいる中で授業の流れを切ってまで質問するのは少し気がひけるでしょう。それに対して個別指導であれば、疑問点があればその場ですぐに解決可能です。先生が目の前にいますので、気になった時にすぐ質問ができます。

個別指導のように質問できるタイミングが多ければ、それだけ苦手も克服可能です。このメリットを活かし、分からない内容を後回しにせずどんどん解決していきましょう。

学習管理をしてくれる場合もある

個別指導塾によっては、学習管理をしてくれる場合があります。学習管理とは、生徒の志望校をヒアリングし、「その目標に合わせた学習計画の立案」「勉強方法の指導」「学習時間の確認による程よい監視」などを行なっている塾のことです。

すでに自学自習ができている人であれば特に問題ありません。しかしそうでないのであれば、志望校に向けた適切な勉強がわからず、宿題や学校の授業だけで満足してしまう可能性もあります。

もちろん授業や学校の授業も大切です。しかし、志望校によってはそれを超える範囲の問題が出題されることもあるため、自分で勉強する習慣をつけておくことが必須です。

しかし、学習管理をしてくれる個別指導塾できめ細かな指導が受けられれば、宿題以外の勉強についても管理と指導を受けられる可能性があります。

デメリット

個別指導塾のデメリットは以下のとおりです。

講師の質に差がある

集団塾とは違い、個別指導塾では講師の質に差が出る可能性が高いです。場合によってはアルバイトの大学生が講師になるので、スキルが不足している可能性もあります。

学習塾において講師のスキルが不足しているのは問題です。そのため、ホームページなどで講師の在籍大学や進学実績などをしっかり確認しておくと良いでしょう。

ただ、大学生など年齢の近い講師が担当することで、塾に通うハードルが下がる可能性もあります。

アルバイトがいることもあり、プロの講師のような授業が受けられない可能性もあります。授業の質という面ではデメリットですが、「親しみやすく塾へ行きたい」という気持ちを生み出しやすいという面では必ずしもデメリットとは言えません。

(講師が複数掛け持ちの場合)モチベが上がりにくい

講師が生徒を複数人掛け持ちしている場合、生徒のモチベーションが上がりにくいことがあります。

掛け持ちで授業をしていると、他の生徒を指導してる間は先生がいません。そのためすぐに質問などができず、モチベーションが下がってしまう可能性があるのです。

また、少人数での授業ですので、他に質問できるような友達もいないケースが大半です。こちらも影響して、授業のモチベーションが下がる可能性があります。

費用が高くなる可能性がある

先生一人で教えられる生徒数に限りがありますので、授業料が高くなる傾向にあります。

個人の個別学習塾では、料金が安く設定されている場合もあります。しかし、大手の個別学習塾では、集団塾と比較すると授業料は高い傾向にあります。一概には言えませんが、授業料が上がりやすい点は考慮しておくべきです。

集団塾・個別指導塾のどちらがおすすめ?タイプ別おすすめ塾をチェック

集団塾・個別指導塾のどちらを選択すれば良いか迷ってしまったかもしれません。そこで以下のように生徒のタイプを踏まえて表にまとめました。

生徒のタイプ/塾の種類自学できる自学が苦手成績優秀補習レベル
集団塾特におすすめおすすめしないハイレベル塾がおすすめ成績に沿っていない限りおすすめしない
個別指導塾成績に沿っていればおすすめおすすめレベルが合っていればおすすめ特におすすめ

本人が「自学できるタイプであるかどうか」「成績は優秀タイプであるかどうか」によって適した学習塾が異なります。

自学できるタイプや成績優秀であれば、集団塾がおすすめです。不明点は復習したり質問したりすることで解決できると考えられるからです。料金もある程度抑えられます。

逆に自学できないタイプや成績不振であれば、個別指導塾がおすすめです。料金は高くなる可能性がありますが、生徒に沿ったきめ細やかな授業が期待できます。

まとめ

学習塾には集団塾と個別指導塾があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。それらを踏まえて、どちらが適しているか考えなければなりません。

学習塾を選択する際には、本人のタイプを踏まえることも重要です。「自分自身で勉強できるかどうか」「成績はどの程度の位置か」などを踏まえて、検討するようにしてみましょう。