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高校入試社会の工業地帯の傾向と対策!主要な工業地帯・地域と入試に出やすい特徴とは?

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工業地帯はそれぞれの特徴から出荷額の割合までを覚える必要があるため、他の工業地帯の特徴を間違って覚えてしまうなど暗記が大変な分野です。

この記事では、工業地帯に関する問題の出題傾向から押さえておくべきポイントまで把握することができます。

苦手な人が多い分野ではありますが、それぞれの特徴を押さえて入試対策をしましょう。

高校入試の工業地帯に関する問題の出題傾向

高校入試の出題傾向としては、工業地帯・地域の場所と特徴(主要な生産物・出荷額の割合など)を解答させる問題が多いです。

例えば以下のような内容が実際に入試で出題されました。

  • 中京工業地帯の主な生産物とは?
  • 京葉工業地域では○○工業の割合が40%以上を占めている。○○に入る言葉とは?

上記の問題は問題分だけでなく日本地図や帯グラフの情報をもとに答えを導き出す必要があるので注意してください。

また、日本の工業の発達や主要な出来事も押さえておきましょう。

例えば「工業地帯・地域が発達した影響で1950~60年代にかけて四大公害病が流行した」などです。

工業地帯に関する問題を対策する時に注意するべきこと

まず大前提として、日本地図上の工業地帯・地域の場所をすべて覚えましょう。
.
主要な工業地帯の覚え方としては

  • 中京工業地帯:愛知・岐阜・三重などの中部地方の「中」と覚えましょう。また、トヨタを中心とする自動車産業も発達しております。
  • 京浜工業地帯:東京の「京」と横浜の「浜」
  • 阪神工業地帯:大阪の「阪」と神戸の「神」

が挙げられます。地名から取られているため覚えやすいでしょう。

また、各工業地帯・地域の主要な生産物や生産額の割合は必ず出題されます。

帯グラフを見ただけでどの工業地帯・地域かわかるようになりましょう。

覚える時に注意して欲しいのが、丸暗記してしまうと忘れやすいし間違えやすくなります。

なので、覚え方としては「なぜこの生産量が多いのか?」というような理由がと紐付けて覚えるようにしましょう。

《例》
中京→トヨタ→車→機械産業がさかん
京浜工業地帯:東京→情報の中心→印刷が多い
阪神工業地帯:町工場が多いイメージ→抽象工業、金属工業

原則「沿岸部」に工業地帯はできる!

原則として、原料を輸入しやすい「沿岸部」に工業地帯ができます。

何故ならほとんど日本は輸入に頼っており、特に船でしか運べないような石油や石炭、鉄鋼など、材料・燃料を輸入しやすいようにするからです。

ただし、例外としてはICや精密機械の場合は飛行機などで運べるため、洗浄水などきれいな水や空気があれば内陸の工業地帯でも問題ありません。

また、食品工業は生産地の近い場所の方が良いため、必ずしも沿岸部にできるわけではありません。

主要な工業地帯・地域の特徴は下記にまとめています。

主要な工業地帯

都立高校入試で出る主要な工業地帯・地域は以下のとおりです。

中京工業地帯

中京工業地帯は名古屋市・豊田市を中心に自動車などの機械産業が発達した工業地帯です。

機械工業の生産額の割合が60%を超えており、工業生産額は日本で最も多いです。また、四日市に石油化学コンビナートがあります。

京浜工業地帯

京浜工業地帯は重化学・機械工業に発達しています。機械工業の生産額の割合が50%を超えており、印刷業が盛んなのが特徴です。

阪神工業地帯

阪神工業地帯は生産額の40%を機械工業が占めており、金属工業が発達しています。従業員300人未満の中小工業の割合が多いです。

北九州工業地帯(地域)

九州工業地帯は化学工業の生産額の割合が40%、食品工業も20%を超えており、八幡製鉄所を中心に発達した工業地帯です。

食品工業については他の工業地帯・地域と比べて最も生産額が多いので、ここは押さえておきましょう。

また、他の工業地帯・地域と比べて一番生産額が少ないです。

これらの4つの工業地帯はすべて太平洋ベルトに入っております。

上記以外の主要な工業地域

上記の工業地帯以外で第二次世界大戦以降に工業が発達した地域を工業地域と呼びます。

工業地帯だけでなく主要な工業地域も入試でよく出題されるのでセットで覚えましょう。

覚えてほしいのは以下の4つ。

  • 瀬戸内工業地域
  • 関東内陸工業地域
  • 東海工業地域
  • 京葉工業地域

詳しく見ていきましょう。

瀬戸内工業地域

瀬戸内工業地域の生産額は化学工業の割合が多いです。また、繊維工業の割合は他の工業地帯・地域と比べて一番多いです。

岡山県倉敷市の水島地区には石油化学コンビナートがあります。

水島コンビナートを覚えておけば化学工業がパッと出て着やすい。あとは今治のタオルなどをイメージして繊維。

関東内陸工業地域

関東内陸工業地域は機械工業の生産額が40%を超えおり、群馬県の太田市を中心に発達しています。

内陸の工業地帯なのに発達できた理由は、精密機械など内陸でも輸送しやすいものの発展や、京浜工業地帯の工場が移転した影響が挙げられます。

東海工業地域

東海工業地域は浜松市と富士市を中心に発達した工業地域。機械工業が50%を超えており、化学工業よりも食品工業の割合が多いです。

また、浜松市では楽器・オートバイ、富士市では製紙・パルプの生産が多いです。

浜松・富士市の生産物は試験に出やすいので必ず覚えましょう。

京葉工業地域

京葉工業地域は化学工業の割合が40%と非常に高い生産比率を誇ります。

東京湾岸沿いの埋立地では多数の鉄鋼業、石油化学工業が発達しております。

上記以外の工業地域

都立高校であればここまで紹介した工業地域を押さえていれば問題ないですが、私立高校やその他難関校を受験する場合は以下の工業地域も押さえておきましょう。

  • 北陸工業地域:中央高地の水力発電が発達しており、電力を利用したアルミ工業が盛んな工業地域。原子力発電所が多い。
  • 鹿島臨海工業地域:Y字の形をした港に作られた製鉄所と石油コンビナートを中心に発達。
  • 九州の工業:空港や高速道路の近くでIC工場が発達しており、別名シリコンアイランドと呼ばれている。

どこまで発展的な知識が出るかは過去問から傾向を掴みましょう。

直前期の工業地帯の対策方法

直前期の対策方法は、上記で紹介した各工業地帯の生産物の特徴や割合を押さえておきましょう。

例えば機械工業が発達しているのは中京工業地域、金属工業が発達しているのは京葉工業地域・阪神工業地域などです。

ここまで紹介してきた特徴は、丸覚えはせずに特定の工業が発達している理由と一緒に覚えるか、イメージを付けて覚えましょう。

問題文には帯グラフが記載されていることが多いので、帯グラフの特徴から各工業地帯を導き出せるようにしてください。

まとめ

日本の工業地帯・地域を覚えるのは大変ですが、「なぜこの生産量が多いのか?」と紐付けて覚え、出題傾向に合わせて優先順位をつければ対策するべき内容はそこまで多くはありません。

過去問や問題演習を通じて出題傾向を理解し、志望校合格を目指しましょう。

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監修者|橋本拓磨

橋本拓磨

東京大学法学部を卒業。在学時から学習塾STRUXの立ち上げに関わり、教務主任として塾のカリキュラム開発を担当してきた。現在は塾長として学習塾STRUX・学習塾SUNゼミの運営を行っている。勉強を頑張っている学生に受験を通して成功体験を得て欲しいという思いから勉強効率や勉強法などを届けるWEBメディアの監修を務めている。

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