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都立高校入試数学の傾向と対策!確実に解ける問題を見極めよう!

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都立高校入試の数学では、教科書レベルから応用レベルまで求められます。今回はその都立高校入試数学の傾向と対策について紹介します。

*日比谷高校や西高校などの独自校に対応した内容ではありませんのでお気を付けください。

都立高校入試数学の傾向分析

大問は5つ構成で、順に「小問集合」「式の利用」「関数」「平面図形」「空間図形」が出題されるのが例年の傾向です。

配点は1問5点となっていますが、大問1の問9は6点、大問2の問2と大問4の問2の①が7点です。配点が大きくなっている問題は作図や記述式で答える問題で、部分点があります。

基本的な問題も出題されますが、問題によって難易度の差が大きいです。試験時間は50分しかないため、「解ける問題」と「飛ばす問題」を見分ける必要もありますね。

都立高校入試数学の大問構成と出題範囲

大問構成はこのようになっています。以下の大問構成は平成15年度以降ほぼ同じです。

今後大きく変わる可能性は低いと予想されますが、学習指導要領の大幅な改訂があった場合には出題の構成も変わる可能性があるということは押さえておいてください。

大問1:小問集合
大問2:式の利用
大問3:関数
大問4:平面図形
大問5:空間図形

大問1 小問集合

小問集合には、計算問題や資料の読み取り、図形など、中学3年生までに習った基本事項が出題されます。レベルはどの問題も教科書レベルです。

問9は作図の問題で、定規とコンパスを用いて作図するものになります。

配点については、問1~8は各5点、問9のみ6点です。大問1を完答するだけで半分近い46点が取れるため、ミスなく確実に取りたい大問ですね。

大問2 式の利用

長めの文章を読んで答える問題が2問あります。問題文が長いため、問題を見ただけで解くやる気が削がれてしまうかもしれませんが、丁寧に読むことを心掛けてください。文章問題に事前に慣れることも必要です。

問1は選択式です。数字の規則性や、図形の面積・体積などを求める式を考える問題が出題される傾向にあります。

問2は記述式です。文字式を用いた証明問題などが出題される傾向にあります。

例年、この大問2の問2の正答率は20%以下のことが多いです。難しかったら飛ばして最後に考えるということも、時間配分を考えるうえでは必要ですね。

大問3 関数

1次関数や2次関数のグラフについて、設問に答える問題が出題されます。

最後の問い以外は教科書レベルの問題です。最後の設問は少し難しい問題ですが、例年似たような問題が出題されているので、過去問演習で傾向を掴み解答方法を知ることで本番も対応できるようなレベルのものです。

大問4 平面図形

三角形や四角形を題材に小問が3つあります。問1は角度を問うもので、ここ数年は文字式を用いて角度を表すものがよく出題されています。

問2は証明問題です。三角形の合同や相似の証明ですが、いずれも教科書で扱うレベルです。部分点があるので「最後までは分からない」と思っても、「分かるところまで」書くようにしましょう。

問3は複雑な手順が必要なため、例年正答率も低い問題です。時には「一旦飛ばす問題」になるかもしれませんね。

大問5 空間図形

立方体や直方体、三角柱や四角錐等の立体を題材にした問題で2問出題されます。

問1は、きちんと立体と問題文を把握すれば解ける問題です。

一方問2は、例年正答率が低い問題の1つです。複雑な手順が必要なため、最後のこの問題に十分な時間をかけられるかどうかも正答するカギになります。

都立高校入試数学の難易度

まず、過去5年の平均点をみていきます。

令和1年度 61.1点
平成31年度 62.3点
平成30年度 66.5点
平成29年度 56.3点
平成28年度 60.9点

平均点を見る限り平成30年度の平均点は突出して高いですが、だいたい60点前半の平均点であることが分かりますので、この傾向は今後も続くでしょう。

他の教科でも共通して見られることですが、前年度の平均点が他の年と比べ極端に低かった場合、次の年の入試問題は易化する傾向にあります。

都立高校入試数学の難易度については、そこまで高いわけではありません。年によって難易度は様々ですが、大問1は毎年基本的な問題で構成されており、教科書レベルのものばかりという特徴があります。

しかし、毎年正答率が低いような難易度の高い問題もちりばめられているため、最後まで解ききれない受験生もいるはずです。

また、証明問題などは配点も高いため、多くの問題を解きパターンを把握することも大切になります。

都立高校入試数学解答の際の時間配分

大問1:小問集合(10分)
大問2:式の利用(10分)
大問3:関数(10分)
大問4:平面図形(10分)
大問5:空間図形(10分)

数学の試験時間は50分間になります。大問ごとに問題数や難易度は違いますが、大体の目安として大問ごとに10分が理想です。

しかし「数学で何点を目指すか」によってこの時間配分は変わってきます。

例えば「数学は苦手だけど平均点ぐらいは目指したい」という人には、大問1にもっと時間をかけ確実に全問正解する必要があります。

逆に満点を狙う場合は、なるべく大問1に時間をかけずかつ正確に解けるようにしておき、難易度の高い後半で考える時間を長めに取れるようにします。

このように人それぞれによって時間配分は変わってきますので、1度過去問を解いてみて自分に合った時間配分を見つけてくださいね。

都立高校入試数学の対策と勉強法

それでは具体的な時期別の勉強法についてご紹介しましょう。

中1・中2のうちにやっておきたい対策

中1・中2の間はなにより基礎を固めるようにしましょう。大問1では、中1・中2の時の学習内容からも出題されます。

また、数学は中1からの基礎の積み重ねによって成績が伸びる教科です。さらに授業の進度が速くなる中学2年生のときには、まず何より学校の授業内容を100%理解することが大切になります。

都立高校の入試では、内申点も大きく関わりますので、学校の定期テスト対策はきちんとするようにし、早いうちに定期テスト対策のやり方を身に付けるといいでしょう。

中3の夏前までにやるべき対策

中3になったら、中1・中2の間に学校で習った知識をもう一度確認しましょう。そうすることで、夏の時期に時間の余裕をもって復習に取り掛かることが出来ます。

中3の夏休みにやるべき対策

中3の夏休みの勉強で、入試結果に差が付きます。本格的に中1・2の総復習をしましょう。

今までの範囲は忘れてしまっていることが多いです。きちんと総復習をして、自分の苦手な分野がないか確かめましょう。

また、夏休みはまとまった勉強時間を確保することが出来るので、弱点分野をなくするのにもってこいの時期になります。

難しい問題を解く必要はないので、苦手な範囲などがあったら市販の問題集や学校のワークで集中的に問題演習に取り組みましょう。

中3の秋に取り組むべき対策

中3の9月ごろには少しずつ過去問演習を始めたいです。

9月というと、まだ中3の範囲を全て授業で終えられていないと思いますが、習ったところからどんどん解いていくようにしましょう。

解いていく中で、習った範囲で苦手な分野が見つかれば復習を逐一してください。

中3冬・受験直前期に取り組むべき対策

冬も過去問演習を続行してください。受験直前期には焦っていろいろなことに手を出すのではなく、今までと同じことを繰り返しやることをおすすめします。

また、自分の苦手を見つけたら1つ1つなくしていくことが大切です。「間違いノート」を作り、間違えた問題とその解答を貼っておくことで、直前にもう一度復習することができるのでおすすめです。

直前期の勉強については、こちらの記事も参考にしてください。
高校志望校別記事20

入試に臨む上での注意点

さきほど各年の平均点を提示した通り、易化する年、難化する年などさまざまあります。

問題の傾向を見る限り、急に内容が刷新されることは滅多にないとは思いますが、大学入試でも改革がなされていることから可能性がゼロとは言えないです。

数学は問題によって難易度の差が大きいので、入試本番も「解ける問題」と「一旦飛ばす問題」を見分け、時間内に「解ける問題」を解いてしまうことが大切です。難しくても焦らず、解ける問題から確実に解きましょう。

平均点を目指す場合

平均点を目指す人は「解ける問題」と「捨てる問題」を見分け、「解ける問題」を確実に解きましょう。

その際には「解ける問題」である大問1により多くの時間をかけることが必要になります。

また「捨てる問題」は、過去問を解いてみての正答率や例年の正答率などを基に、大体の目星はつけておくようにしましょう。

8割を目指す

8割を目指す人は「解ける問題」を確実に解答することに加え、難易度が高い「捨てる問題」もいくつか解答する必要があります。

「捨てる問題」にも時間をかけられるよう時間配分に気を付けながら、解き進めましょう。

満点を目指す

満点を目指す人は、「いかに計算ミスをしないか」が重要になります。試験中は緊張のために、いつもなら間違えないミスをしがちです。

一度計算ミスをするとその後の解答も間違えてしまうことにつながってしまい、とてももったいないです。

そのため、時間配分を決める際には「見直しの時間」も確保し、もったいないミスをなくすようにしましょう。

まとめ

この記事では、都立高校入試数学の傾向と対策について説明してきました。都立高校入試の数学は難易度が極端に高いというわけではありませんが、基本の知識を得て応用問題も解くことの出来る力が必要になります。

また、時間内に計算ミスをせずに解答するためには、多くの問題演習をすることも大切です。

数学は中学1年生から対策を始めることが出来るとともに、早いうちからの勉強がのちのち役に立ちます。傾向を理解して、早めに勉強を始めましょう。

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監修者|橋本拓磨

橋本拓磨

東京大学法学部を卒業。在学時から学習塾STRUXの立ち上げに関わり、教務主任として塾のカリキュラム開発を担当してきた。現在は塾長として学習塾STRUX・学習塾SUNゼミの運営を行っている。勉強を頑張っている学生に受験を通して成功体験を得て欲しいという思いから勉強効率や勉強法などを届けるWEBメディアの監修を務めている。

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