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都立西高校入試英語独自問題の傾向と対策!長文読解スピードが重要!

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都立西高校では、英語の独自問題が課されます。リスニング問題は都立高校入試共通ですが、それに続く問題は長文読解問題がメインです。

そのため、「限られた時間内で英語の長文を読み解く速読力」「書かれている情報を的確に理解して出題者の意図を読み取る読解力」が必要になります。

この記事では、都立西高校のこれまでの入試出題傾向の分析から「対策法」「受験準備の各時期における学習法と到達目標」などについて紹介していきます。

都立西高校入試、英語独自問題の傾向分析

都立西高校入試の英語独自問題は、どのような傾向で出題されるのでしょうか。

ここでは、問題の大問構成と出題の範囲、難易度の傾向分析をしていきます。

都立西高校入試、英語独自問題の大問構成と出題範囲

都立西高校入試の英語独自問題の大問構成は以下のようになっています。

  • 大問1:リスニング
  • 大問2:会話文
  • 大問3:長文読解1
  • 大問4:長文読解2

平成30年度入試以降は大問1~4の問題構成で出題されています。

大問1のリスニングの出題内容は都立高校入試共通の出題です。大問2は会話文の読解、大問2と4は長文読解問題です。

平成29年度以前は大問1~3の構成で、リスニング・会話文・長文読解の出題でした。

大問数の違いはあれど出題内容に大きく変化はないため、今後もこの3ジャンルからの出題になると予想されます。

各大問についてそれぞれ見ていきましょう。

大問1:リスニング

リスニング問題は都立高校共通のリスニング問題になります。独自の出題はありませんので、ここでは割愛します。

大問2:会話文

問題文は「複数人の登場人物の会話文形式」となっており、それを読んだ上で内容に関する4つの問題に解答します。

会話文に登場する人物や問題の背景を説明する文章も英語で記述されており、英語で文章を読み解く力が試されます。

出題の傾向としては、「文中の空欄に入る適切な語句や数字を答える問題」「内容に合致する説明文を選択肢から選ぶ問題」「要約文の空欄に入る語句を答える問題」が出題されています。

会話文は例年3ページに渡る長文です。この後の設問にも長文読解問題が2つ控えているため、できるだけスピーディに会話の流れを読み取って内容を的確に把握することが重要です。

大問3:長文読解1

長文に関する内容理解の力と基本的な語彙力を問われる問題が出題されます。

「単語並べ替え問題」「内容に合致する文章・イラストを選ぶ問題」「長文内の空欄を補充する問題」などが出題されています。

空欄補充問題にはいくつかのパターンがあり、「適切な単語を補充する」「複数の文章が入るような大きな空欄で出題される」「問題文全体の意味が通るように文章の適切な順序を問われる」ということが多いです。

そのため、正答するには問題文全体の内容を的確に読み取る力が必要になります。長文に登場する語彙に関しては難しいものはあまりなく、難しい用語には注釈がつきます。

しかし注釈の量が多いので、一度登場した注釈の用語をしっかりと頭に入れて文章を読み進めないと、何度も注釈を見ることになり読むスピードが遅くなってしまいます。

このように、文章をスピーディに読み解く訓練が積まれているかどうかが正否の分かれ目になるのです。

大問4:長文読解2

基本的な問題の出題傾向は長文読解1と同様ですが、長文読解2では英作文問題が出題されます。

内容としては「問題文に関するトピックについて自分の意見を40~50語で記述する」というものです。

例年、英作文は最後の問題として出題されています。長文の内容を踏まえた上で意見を述べないといけませんから、長文の内容を的確に読解する力と、意見を英語で説明する記述力の両方が求められます。

しかし、英作文を除けば長文読解1と2でそれほど出題の傾向は変わりません。そのため、長文読解1と同様に文章の内容をスピーディに読み解く訓練をしておくことで対策になります。

また、文章読解の訓練と並行して、文章の内容に関連した意見文を作成する練習を積むことも重要です。

都立西高校入試、英語独自問題の難易度

都立西高校の英語独自問題は非常に文章量が多く速読力と読解力が求められる傾向にあります。

また、都立高校入試で独自問題を課している他の高校と比べると、長文読解問題が大問1つ分多いというのも特徴です。

そのため入試問題全体で読まなければならない単語数が顕著に多くなっており、50分という制限時間の中でより早く的確に長文を読解する力が求められます。

大問構成が現在のような4問構成になる以前は、大問は3問構成で長文読解も大問1つでした。

しかし平成30年度より長文読解が2問になったことで、平均点が10点も下落するなど難易度が向上しているのが分かります。

都立西高校入試、英語独自問題の解答の際の時間配分

都立高校の英語の解答時間は50分です。解答の時間配分は以下のようなスケジュールを参考にしてみてください。

  • 大問1:リスニング(10分)
  • 大問2:会話文(10分)
  • 大問3:長文読解1(13分)
  • 大問4:長文読解2(17分)

リスニング問題で会話文が流れる時間はおおよそ10分間です。

しかし残りの40分間で3つの大問をゆっくり解答している時間はありません。とにかくスピード勝負になります。

会話文は3ページにも及ぶ長文ですが、難しい単語や語彙は登場しないため、会話のリズムに乗ってどんどん読み進めていきましょう。

会話文の内容が理解できれば正答できる問題が多いので、基本的な単語と文法などの語彙力を十分に高めておくことが大切です。語彙力不足は誤読の原因になります。

長文読解も非常に文章が長いです。制限時間の中でできるだけ早く読み進める必要があるため、速読の訓練を積んでおくことが重要です。

注釈の語も非常に多いため、一度登場した語はしっかりと記憶して読み進める訓練を積んでおきましょう。

単語でつまづく時間が少なくなれば、それだけでも文章読解のスピードを向上させることができます。

このように文章量や注釈付きの単語は多いですが、それ以外の語は基本的なレベルです。

とはいえ、分からない語が1つあるだけでも読解スピードが落ちてしまうため、基礎事項の抜け漏れがないように入念にチェックしておきましょう。

難しい文章を読む訓練よりも、簡単な英文を速読する訓練が有効です。

大問4には英作文問題も控えていますが、50語以内の英作文なので十分に訓練を積んでいれば3分程度で書けると思います。

英作文もあることを考慮し、大問3と比べて3~5分程度多く時間をとれるよう配分の意識しておくといいでしょう。

都立西高校入試、英語独自問題の対策と勉強法

それでは、都立西高校の英語入試を乗り越えるためにやるべき対策と勉強法を時期別にご紹介します。

中1・中2のうちにやっておきたい対策

教科書や教材、テキストなどの英文を早く読む訓練をしておくとよいでしょう。速読力は一朝一夕で身につくものではないので、速読の訓練をするのは早いに越したことはありません。

難しい文章を読むことよりも、リズムよく読めるようなレベルの文章を素早く読んで文章のだいたいの意図を汲む練習をしましょう。

内容が分かっている文章を繰り返し音読するということも、長文読解スピードの向上につながります。

また定期試験や実力試験、模試で登場した単語や文法を1つ1つ丁寧に見直しして身に付けていきましょう。

中3の夏前までにやるべき対策

都立西高校の入試問題はとにかく文章量が多いですが、解答に必要な語彙力は基本的なものがほとんどです。

そのためこの時期までに、中学3年間の基本的な事項の抜け漏れが無いかを十分に確認しておきましょう。

難しい長文を時間をかけて読み解く(精読する)のではなく、比較的読みやすい英文をスラスラと読み解く速読の練習を継続してください。

中3の夏休みにやるべき対策

まとまった学習時間をとれる期間なので、問題演習の絶好の機会になります。

都立西高校の入試問題は時間との勝負です。問題演習の際にも解答時間を意識して取り組みましょう。

演習の時から本番と同じような環境で解答しておかないと、いざ本番を迎えた時に緊張で実力を発揮できないということもありえます。

そのため、普段の勉強の時から本番を意識した環境で演習を重ねることが大切です。

あらかじめ決めておいた解答時間でアラームをセットし、その時間内で解答を終えられるよう練習をしましょう。

早くから解答時間を意識した練習をすることで、過去問など実践的な問題演習になってからも焦らず取り組めるようになります。

長文自体がそれほど難しいものでなかったとしても、時間に追われると焦ってミスリードをするリスクが高まります。特に試験本番の緊張が重なるとその可能性は高まるでしょう。

さらに、理解があやふやな単語があれば、そこから速読のリズムも狂います。そうしたことを避けるために、演習の度に理解があやふやな単語は逐一理解していきましょう。

このように時間を意識して速読の訓練を積むことで、過去問演習や実践問題の演習時にプラスになります。

中3の秋に取り組むべき対策

夏休み明けからは過去問に挑戦してみましょう。過去問を解くときは、時間を測って本番のように解きましょう。

これまでの基礎的な事項の定着が十分であれば、試験時間内に解くことは難しくても、十分問題に対応することはできると思います。

また、実際に過去問に取り組むことで本番に向けての具体的な問題点も見つかります。

例えば、解答時間が足りなかった場合は「読解スピードに課題がある」ということですし、内容を理解するのに苦労をした場合は「語彙力に課題がある」というような判断ができます。

ここで判明した「足りない部分」を冬にかけてトレーニングしていきましょう。

一度解いたことがあるような長文の問題も、内容をより正確に理解した上で速読ができるようトレーニングを積むことで読解スピードの向上が見込めます。そのため、過去に解いた問題も大切にしていきましょう。

また、この時期から英作文の訓練を始めていきます。先生にトピック(題材)を決めてもらってそれに関する意見文を英語で書き、それを添削してもらう経験を積んでいきましょう。

中3冬・受験直前期に取り組むべき対策

過去問とこれまでにやった問題演習を繰り返し行います。とにかく読むスピードが大切ですから、これまで取り組んできた問題をサクサク読めるまで音読を繰り返しましょう。

受験日が近くなると焦りや緊張から新しい問題集に手を出していく人もいますが、ここまでに積み上げてきた問題演習やテストの内容を身につけることの方が重要です。

復習は一度・二度やった程度では完全には身につきません。特に12か月前にやった問題などは記憶からも薄れてきますから、過去にさかのぼって演習してきた問題を徹底的に復習しましょう。

まとめ

都立西高校は問題を読むスピード、解くスピードが特に重要です。語彙を増やしたり傾向に慣れることよりも、読解スピードを上げることの方が力の醸成に時間がかかります。

そのため文章を精読していく学習と並行して、速読しながら大まかな意味や文脈を読み取る訓練をできるだけ早くからはじめましょう。

英作文に関しては、英作文をとことん添削してもらうことが大切です。日本語の文を英訳するのではなく、そのまま英語で書けるようになっていることが理想です。

英語で意見文を書くフォーマットはある程度決まっていますから、添削してもらってシンプルで読みやすい意見文の作り方を学びましょう。

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監修者|橋本拓磨

橋本拓磨

東京大学法学部を卒業。在学時から学習塾STRUXの立ち上げに関わり、教務主任として塾のカリキュラム開発を担当してきた。現在は塾長として学習塾STRUX・学習塾SUNゼミの運営を行っている。勉強を頑張っている学生に受験を通して成功体験を得て欲しいという思いから勉強効率や勉強法などを届けるWEBメディアの監修を務めている。

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