都立高校を受験する際に必ず出題されるリスニング。しかし、中学校や塾などでしっかりと対策をする機会は少ないのではないでしょうか。
そこで今回は、都立高校入試のリスニングの傾向と対策について説明します。
直前に押さえるべき勉強法もまとめているので、直前期でリスニングに関して焦っている!と言う人にも役に立つ記事になっています。
都立高校入試リスニングの内容・形式
都立高校入試では、リスニング問題が5問出題されます。短い対話文を聞いて答えるA問題が3問、長い文を聞いて答えるB問題が2問出題されます。
A問題の選択肢は解答用紙に書かれており、適した答えを4択から選びマークをするものです。しかし問いは書いてありませんので、「何を問われているか」はきちんと聞かなければなりません。
B問題のQuestion1は、A問題同様選択肢が解答用紙に書かれています。しかしQuestion2は記述式で答えることを求められます。記述時間に関しては、質問を聞き15秒間解答する時間が設けられています。
A問題・B問題ともに対話文と質問は2回読まれます。
リスニングの放送2回目の時は、問題が何か分かったうえで聞くことが出来ます。1回目で答えが分かったという人は確認のつもりで、1回目で分からなかったという人は答えとなる情報に気を付けながら聞きましょう。
問われるもの
主に問題として問われているのは、5W1Hに「which」「whose」を加えた以下の8つです。
- What(なにを)
- Who(だれが)
- When(いつ)
- Where(どこで)
- Why(なぜ)
- How(どのように)
- Which(どの)
- Whose(だれの)
そのため、放送で「Question」と言われたあとの最初の言葉は聞き逃さないようにしましょう。
配点
リスニングの配点は、5問全て各4点です。
問5は記述式ですが、他と変わらず4点ということが特徴的です。
リスニング開始時の説明が放送されている時に
すべきこと
リスニングが開始されると、まず日本語でテスト形式の説明があります。
この内容は模試などを受けている場合、よく聞きなれたものになるはずです。そのためその時間を有効活用しましょう。
主に、この時間にしてほしいことは以下の2つになります。
- リスニングの出題形式の確認
- 選択肢に目を通す
では、それぞれについて詳しく説明していきます。
リスニング出題形式の確認をする
まずはじめに、リスニングの出題形式を確認しましょう。
例年大きな変更などはありませんが、大学入試でも改革がなされていることから変更の可能性がゼロとは言えないです。
そのためまずはリスニング全ての問題を見て、形式を把握しましょう。
ここで、もし今までと全く異なる問題が出題されていたとしても、焦らないことが大切です。落ち着いて問われていることを理解しましょう。
選択肢に目を通す
最低でも問1の選択肢に目を通すようにしましょう。余裕がある人はその先までやっておくと余裕をもってリスニングに取り掛かれます。
ではなぜ選択肢に目を通すのでしょうか?選択肢から何を理解できるのでしょうか?
それは、選択肢から問題を予想することが可能になるからです。
例えば、解答用紙の選択肢が「Because~」と書いてあった場合、質問としては「Why~」と理由を尋ねられることが予想できます。
このように「一対一対応」のものがいくつかありますので紹介します。
選択肢 予想されるQuestion
人の名前 Who~
日時 When~
場所 Where~
Because~/To~ などの理由 why~
〇〇(人の名前)’s Whose~
もちろん、これらは絶対ではなく異なる表現がされることもあります。そのため「あくまでも予想」ということは忘れないでください。
とはいえ、これらの情報をあらかじめ把握できれば聞くべき箇所がある程度はっきりするため、聞きそびれないように注意することが必要です。
リスニングの勉強の仕方
リスニングで高得点を取るには、英語を聞くことに慣れているか、つまり「英語耳」になっているかどうかがカギになります。
では「英語耳」になるためにはどのような勉強をすればいいのかについて説明します。
毎日英語を聞く
毎日英語を10分間だけでもいいので聞くようにしましょう。
日本人にとって、英語は日常生活においてなかなか触れる機会がなく、突然英語を聞くと「何語を話しているのかも分からない」と感じてしまう人もいます。
そのような英語に対する抵抗感をなくすためにも、毎日英語の音声に触れることは大切です。
また、スクリプトを見ながら音声に合わせて発音する「オーバーラッピング」や、テキストを見ないで音声に続けて発声する「シャドーイング」などを加えて学習するとより効果的です。
オーバーラッピングの方法
オーバーラッピングとは、スクリプトを見ながら音声に合わせて発音をすることです。
過去問などの解説書には、音声が文字になっている「スクリプト」がついています。
そのスクリプトを見ながら、リスニングの音声を聞き同時に発音してください。ポイントは「同時に」です。音声よりも早く発音したり、遅れることがないようにしましょう。
しかし、オーバーラッピングをする際の注意点が2つあります。
①内容を理解しないまま始めない
内容を理解せずにただ読むだけでは意味がありません。
きちんと「文の構造」や「単語の意味」までを理解してから始めるようにしましょう。
②1回で終わりにせず、何度も繰り返し練習する
オーバーラッピングは、繰り返しすることが大切です。最低でも「1スクリプトにつき5回」は反復しましょう。
そうすることで、英語特有の発音方法やイントネーションに慣れることが出来ます。
シャドーイングの方法
シャドーイングとは、スクリプトを見ずに聞こえてくる音声の後に続いて発音することです。
途中で躓いてしまったとしても、最後の文まで続けて行いましょう。
シャドーイングをする際の注意点も2つあります。
①シャドーイングから始めない
シャドーイングはオーバーラッピングが完璧になってから始めましょう。
そして、もしシャドーイングが難しかった場合には、オーバーラッピングに戻ってください。
②自分の声を録音する
シャドーイングをしている自分の声を録音しましょう。
シャドーイングをしている際には、聞こえてくる音声に集中して自分の声を聴きとれていないことが多いです。そのため、きちんと発音できていたのかどうかを判断することが難しくなってしまいます。
ここで録音した音声を聞くことで、ごまかしをしてしまっている箇所はないかなどを確認でき、弱点把握に役立ちます。
単語力をつける
単語力がなければ、何を発音しているかは分かったとしても文章の意味が理解できません。
このように「単語力」というのはリスニング力の前提にあるものです。そのため、もし「単語の勉強を全くやっていない…」と言う人は、まずは単語の勉強を始めることをおすすめします。
英単語の勉強法について分からない人は、以下の記事も参考にしてみてください。
高校受験単元別分野別勉強法 英単語 記事
試験直前に押さえておきたいリスニング対策
試験直前になって、「リスニングの点数が取れない…!!」と焦っている人もいるはずです。
リスニングはテストの中で20点と高い配分です。リスニングを伸ばせば全体的な英語の点数もあがるでしょう。
そこで試験直前に押さえておきたいリスニング対策について説明します。
メモの取り方を学ぶ
リスニングを聞く際には、何をメモするかが重要になります。問題用紙の選択肢の横にはスペースがありますので、そこを上手に活用しましょう。
メモを取る際のポイントは以下の2つです。
①簡潔に書く
決して全ての文章をメモする必要はありません。単語やフレーズのみで十分です。
都立高校入試のリスニングはそこまで複雑な内容が話されているわけではありませんが、全ての文章を書くことは大抵の場合不可能です。
そのため流れは頭の中で理解し、「重要だ」と思う単語のみをメモしましょう。重要な単語というのは、「5W1H」の解答に当てはまりそうなものです。
②メモは日本語でもOK
必ずしもメモは英語で取る必要はありません。英単語の綴りが分からなくて少し悩んでいる時間にも、リスニングは進んでいきます。
そのように綴りなどに迷ってしまうくらいなら、慣れている日本語で書いた方がいいです。
また、日本語も漢字は書く時間がかかってしまうこともあるので、「ひらがな」「漢字」の使い分けは意識してください。
毎日英語を聴く
直前期だけでも、毎日英語を聴くことで英語の発音に慣れることが可能です。
「今からやっても意味ない」などと思わずに、1日15分程度CDを聴きましょう。
その際、先ほど説明した「オーバーラッピング」「シャドーイング」を一緒にすることで、効果はあがります。
まとめ
今回は、都立高校入試リスニングの傾向と対策について解説しました。
リスニングは「英語の音声に慣れること」が事前の対策として有効です。そのための方法として「オーバーラッピング」や「シャドーイング」を紹介したので、ぜひ試してみてください。
また、問題の音声が流れ始める前に「選択肢に目を通す」ことや、試験中の「メモの取り方」も重要になります。
リスニングは英語の試験の中でも大きな点数を占めているので、最後まで諦めずに対策をしましょう。