都立国立高校入試の数学では、独自問題が出題されます。
数学の独自問題では、難易度の高い問題が出題される傾向にあります。そのため「解ける問題を確実に解くこと」「解ける発展問題を増やすこと」が重要であり、都立国立高校に合わせた対策が必要です。
この記事では、都立国立高校向けの数学独自問題の傾向と対策についてご紹介します。
都立国立高校入試(数学)の傾向分析
都立国立高校入試の数学について、問題の構成と出題傾向、難易度等をまとめました。
都立国立高校入試(数学)の大問構成と出題範囲
都立国立高校の数学の大問構成は以下の通りです。
大問1:小問集合(全25~31点)
大問2:関数(全23~25点)
大問3:平面図形(全23~25点)
大問4:空間図形(全23~25点)
それでは、各大問の詳細を見ていきましょう。
大問1:小問集合(全25点)
小問集合では、合計5題の問題が出題されます。
出題範囲としては、式の計算や方程式、確率、図形の角度や作図など、中学で習う範囲の問題が偏りなく出題されます。
式の計算や方程式では「計算量が多い問題」が出題される傾向にあります。そのため計算ミスの無いように、複雑な計算も丁寧に途中の式を書くことが大事です。
確立や図形の問題は、応用力が試される問題も出題される場合があります。思いつきが必要な問題もあるので、少し考えて答えが出ない場合は次の問題に進みましょう。
大問2:関数(全25点)
大問2は、中学3年で習う「2乗に比例する関数」(2次関数)がよく出題されています。
前半は標準的なレベルの問題である場合が多いため、こちらは時間をかけずに確実に正解をしましょう。
最終問題は学校の教科書レベルを超えた難しい問題である場合が多いです。そのため、発展的な問題集をこなすなどの対策が必要です。
また、「途中の式や計算を書け」と書かれた問題もあるため、日ごろの勉強から途中経過を省かずに分かりやすく書くことを心がけましょう。
大問3:平面図形(全25点)
大問3では「円と多角形を合わせた問題」がよく出題されています。
三角形の相似や線分の長さなどの証明問題が例年出題されています。そのため、図形の証明問題は確実に対策をしておきましょう。
大問2と同様、前半の問題は標準的なレベルである場合が多いですが、最終問題は難しい場合が多いです。
大問4:空間図形(全25点)
大問4では「三角すいや立方体」、「3次元空間で交わる平面」などの空間図形の問題が出題されます。
こちらも前半の問題は、標準的な難易度の問題が多いです。問題文の図に丁寧に書き込みながら解いてみましょう。
こちらも、最終問題の難易度は高くなる傾向にあります。
都立国立高校入試(数学)の難易度
標準的な問題も含まれていますが、小問集合の一部や大問2〜4の後半には高難易度の問題が出題されます。
そのため数学で高得点を狙うには、発展問題の対策が不可欠といえるでしょう。
都立国立高校入試(数学)解答の際の時間配分
都立国立高校の入試の数学の制限時間は50分です。解答の際の時間配分ですが、以下の配分と順番で解くことをオススメします。
大問1:小問集合(10~12分)
大問2:関数(10~12分)
大問3:平面図形(10~15分)
大問4:空間図形(10~15分)
難易度の高い問題が多いため、全ての問題を時間内に解くことよりも、「自分の解ける問題を必ず解く」ことに専念しましょう。
そのためには、解けない問題に当たっても考えすぎず、まずは全ての大問の前半の問題を解くことが大切です。
都立国立高校入試(数学)の対策と勉強法
都立国立高校の時期別の入試の対策と勉強法についてまとめました。
中3の夏前までにやるべき対策
中学で習う範囲の基礎を固めましょう。
試験には中学3年で習う範囲の問題も多く出題されます。そのため、学校でまだ習っていない範囲についても、しっかりと予習をして理解をすすめるように心掛けましょう。
また、都立国立高校の数学は発展問題レベルの難しいものが多く出題されます。これらの難しい問題を解くためには基礎を確実に理解している必要があります。
そのため、まずは教科書の章末レベルの問題を解くことを目標に、覚えた公式を確実に使えるように練習しましょう。
また、教科書や問題集で問題を解く際に、間違えた問題を随時チェックすることをおすすめします。
一度間違えた問題はしばらく経つと同じ間違いをすることが多いです。時間をおいて解きなおすことで、しっかりと定着させましょう。
中3の夏休みにやるべき対策
夏前には基礎を身につけられたと思いますので、夏休みは問題演習を中心に取り組みましょう。
この問題演習では偏りなく問題を解いていきましょう。満遍なく問題を解くことで、自分の苦手分野がはっきりしてきます。苦手分野を見つけ、しっかりと対策をしましょう。
また、都立国立高校の数学では、計算量の多い問題が出題される傾向にあります。特に数学があまり得意ではない受験生は、途中計算でケアレスミスの無いように丁寧に計算をすることを心がけましょう。
数学を得点源にする場合は、各大問の後半の問題を解けるように、発展的な問題集に取り組むのも良いでしょう。
中3の秋に取り組むべき対策
夏休み明けからは、問題演習だけでなく過去問に取り組みましょう。
過去2〜3年だけでなく、10年以上前の問題までしっかりと解くことが大切です。
一部の問題では途中経過も採点基準に入ります。部分点を押さえた解答ができているか、定期的に学校や塾の先生に解答を見てもらうと良いでしょう。
都立国立高校の数学は、難度が高い大問が多いです。時間配分をミスすると全部の問題に取り組めなくなるので、解答できる問題について時間内に確実に解けるように練習をしましょう。
また、都立国立高校の数学では、図形の問題が、大問1の小問・大問3,4で出題されます。
他の範囲に比べて得点の比率が高いため、図形の問題は特に力を入れて対策すると効果的です。
中3冬・受験直前期に取り組むべき対策
過去問の総復習してください。取り組んできた問題の中で、苦手な分野の問題を中心に復習しましょう。
また、冬は気温の変化などで体調不良になりやすいので、体調管理に気をつけることが大切です。
遅い時間まで勉強するのは避け、受験に向けて生活のリズムを整えましょう。
まとめ
都立国立高校入試の数学では、「できる問題を確実に解くこと」「計算量の多い問題に慣れること」「図形の問題の対策をしっかりとること」が重要です。
数学の計算力や発展問題を解く力は、すぐには身につきません。日頃から公式をおぼえるだけでなく「使える」ように、手を動かして問題を解くことを心がけてください。