都立新宿高校では、英語の入試で独自問題が出題されています。
この独自問題は都立高校の共通問題よりも基本的にレベルが高いものになっており、英語の読解、リスニング、作文の3つの分野でバランスの取れた高い能力が必要とされます。
また、全体的に英語の文章量が多いことも特徴の一つです。そのため、都立新宿高校の過去問を分析し、重点的に対策を行うことが合格へのカギとなってきます。
この記事ではそんな都立新宿高校の英語独自入試の傾向と対策について紹介します。
都立新宿高校入試英語の傾向分析
都立新宿高校入試の英語はどのような傾向なのでしょうか。
問題の傾向・難易度・時間配分について以下にまとめました。
都立新宿高校入試英語の大問構成
都立新宿高校入試の昨年度の英語の大問構成は以下のようになっています。
- 大問1 リスニング(20点)
- 大問2 読解(24点)
- 大問3 読解(24点)
- 大問4 読解/英作文(32点)
都立新宿高校では数年前にグループ共通問題から学校独自の問題へと入試問題の形式が変更され、それに伴い問題の内容も大学入試改革を踏まえた、英語の3技能(リーディング・ライティング・リスニング)をバランスよく測ることができるものへと一部変更が行われました。
今後も大学入試改革の動向や、学習指導要綱の変更等に合わせて柔軟に問題も変化していくことが予想されます。
問題の形式や内容にとらわれず、しっかりと出された問題に対応できるだけの確かな英語力が求められていると言えるでしょう。
都立新宿高校入試英語の難易度・傾向
ここからは大問別に都立新宿高校入試の英語の難易度・傾向について見ていきたいと思います。
大問1 リスニング(20点)
大問1のリスニングに関しては、都立高校の共通問題が課され、問題Aと問題Bの2つに分かれています。
問題Aは短めの対話文がいくつか読まれ、それぞれの対話文に対して1つずつ問題が出されます。
問題Bでは150~180字程度の長めの英文が1つ読まれ、その長文に関する2つの問題に答えるという形式です。
どちらの問題も文章は2回ずつ読まれるため、1回目で英文の内容を大まかに把握し、2回目で問題で問われている部分に集中して問題を解いていくという方針が効果的です。
また、何を問われているかを意識できるかできないかで、英文の理解度が大幅に変わってきます。
そのため、余裕があれば先に問題文に目を通し、大まかな話の流れを予想できると良いでしょう。
大問2 読解
2020年度の大問2の長文は対話形式のもので、基本的に記号を選択して答える問題でした。
問題内容に関しては、文章の入れ替えや、正誤、内容一致、文法などまんべんなく出されており、最後の小問が長文と関係のある50語程度の英作文でした。
長文問題を解く際には、まず英文を読み始める前に問題に一通り目を通しておきましょう。
なぜなら、こうしておくことで本文の読みの強弱の参考になりますし、仮に問題傾向や順番が変わっていたとしても落ち着いて対策を立てることができるからです。
また、会話文の問題であるため、問題の選択肢には口語的表現も多く見られます。見落としがちな教科書の会話表現の暗記などの対策を忘れないようにしましょう。
大問3 読解(40点)
昨年度の大問3は大問2同様長文問題でしたが、こちらは会話文ではなく理科系の話題でした。ワード数は1,000程度で出題されています。
問題内容に関しては大問1同様、内容把握、文章入れ替えなど幅広く出されていますが、大問1と比較して内容の理解を問う問題が多い印象です。
理科系の話題ということもあり、見慣れない単語が出現することも予想されます。しかし必ず周りの文脈や脚注で理解できるようになっているため、落ち着いて問題に取り組みましょう。
大問4 読解/英作文
大問4は日記形式の長文と英作文の大問です。ワード数は他の長文とほとんど変わりませんが、日常的な内容のため単語もそこまで難しくなく、比較的すらすら読むこともできると思います。
ただし、内容を読み取るのは難しくない代わりに、問題は「空欄に入るふさわしい文章を選べ」等、単純に本文の内容を問うものより複雑な物が多いです。
英作文に関しては、長文に関係のある英語の質問に答えるというもので、ワード数は35語以上45字以下でした。
そこまで複雑な質問文ではないので、何を聞かれているかをしっかり確認したうえで、文法ミスがないように答えたい問題です。
都立新宿高校入試英語解答の際の時間配分
ここでは都立新宿高校の英語入試の時間配分について述べていきます。
リスニングに関しては時間が決まっており、例年10分程度で終わるため、試験時間50分からリスニングの10分を除いた40分で時間配分を行うことになります。
長文が3つあるため同じ割合で時間を配分するのが基本とはなりますが、人には向き不向きがあるためそれを考慮した上で時間配分を行いましょう。
例えば、長文は早く解けるけど英作文は苦手という人の場合、大問4のほうに時間を多めに割く必要があります。
また、英作文が苦手な場合は、後に英作文を残して焦りながら解くのは得策ではないため、先に英作文を済ませ、残りの時間を長文に割り振るという方法もあります。
いずれにせよ最後に見直しの時間を最低1分程度は取れるように、余裕をもって解答できるようにしましょう。
都立新宿高校入試英語の対策と勉強法
ここからは都立新宿高校の英語入試で高得点を取り、合格を勝ち取るために必要な対策を時期別に解説しています。ぜひ参考にしてください。
中1・中2のうちにやっておきたい対策
志望校もまだ決まっていない人がほとんどですので、特に志望校を意識した対策は必要ありません。
英語の文法や英単語に関して、一度学校の授業でやったところに抜けがないように定期テスト等に真剣に取り組むことが今後の土台となります。
中3の夏休みにやるべき対策
このあたりで本格的に志望校を決定していく人が多いと思います。この時点では、中だるみしないためにも高めの志望校を設定して置くことが重要です。
都立新宿高校の対策としては、長文問題に時間のある夏休みでしっかり触れておくことがメインになってきます。
単語や文法といった基礎事項に関しても、一気におさらいできる良い機会なので、コツコツ毎日触れるようにしましょう。
中3冬・受験直前期に取り組むべき対策
直前期には今まで勉強してきたことを活用する感覚をつかむため、過去問に取り組んでいくことが重要です。
ただ、ここで気を付けるべきは、過去問に取り組むのはある程度基礎が身についてからでよいということです。
もし、今まであまり勉強できず一発逆転を狙うのならば、焦って過去問を解かず、まずは文法や単語等の基礎から見直していきましょう。
長文に一切触れずに本番に挑むのは危険ですが、しっかりと基礎が身についていれば1か月前から本格的に長文を始めても十分間に合います。
逆に基礎がおぼつかない状態で長文ばかり解いていると、ある程度までは点が取れても合格点の手前で頭打ちが来ます。
自分の今の英語の実力を冷静に見極め、基礎が8割未満だなと感じるのであれば、冬からでも基礎をさらいなおすべきです。
まとめ
今回は都立新宿高校の英語の入試について解説しました。新宿高校の独自問題は難易度がとびぬけて高いわけではないものの、英語の幅広い能力を問う良問です。
特に注意するべきは長文問題で、字数も比較的多いためしっかりと慣れておく必要があります。
また、英作文に関しては基本的な問題ですが、慣れていないと何を書いていいのか焦ってしまいがちです。
主張を始めに述べ、その後主張の理由や補強を述べるなどの英作文の型を自分で持っておき、「どんな問題が来ても短時間でその型に当てはめて回答する」というプロセスの反復練習を行いましょう。
英作文に関してはミスも出やすいため、初めは先生に添削してもらい、最後には自分で自分の問題が添削できるようになっていると見直しでも安心です。