不定詞との使い分け、進行形との混同が難しい動名詞。
この記事では動名詞を理解するための要点を一つひとつ押さえながら解説していきます!
動名詞とは
動名詞とは、名詞のような働きを持たせた動詞のことです。
「動詞の原形」に「-ing」を付けた形で表されます。
動詞のing形は進行形を表すときにも使用されますが、用法が違うので動名詞とは区別して考えられます。
動名詞は「~~すること」と訳します。
動名詞を理解するためのポイント!
それでは、動名詞について詳しく見ていきましょう。
訳し方
動詞が名詞と同じ働きを持ったものが動名詞なので、日本語では「~~すること」という意味になります。
まずは例文を見てみましょう。
I finished studying.
私は勉強することを終えた。
例えば、日本語の「勉強する」は英語ではstudyという動詞で表します。
この「勉強する」という動作を名詞として使いたい場合、日本語では「勉強すること」と言ったり「勉強」と表現したりしますよね。
このように、動詞の意味を残して名詞として扱ったものが動名詞です。
英語の場合は「動詞の原形に -ing を付ける」ことで動名詞にできます。
動名詞の名詞的な役割
動名詞は、名詞と同じように主語、目的語、補語の役割が担えます。
動詞の目的語になる場合の注意点
ただし、どんな動詞の目的語にもなれるわけではありません。
動詞によって、動名詞を目的語にとれるかどうかは決まっています。
とれる目的語によって動詞を分類した表は以下の通りです。
とくに日本語に訳す問題では、4つ目の「動名詞も不定詞も目的語にとれるが意味が異なる動詞」に注意しましょう。
動名詞は過去のこと、不定詞は未来のことを表すとイメージしておきましょう。
動名詞の動詞的な役割
ここまで動名詞が名詞と同様に使えると学んできましたが、動名詞というだけあって動詞としての役割も持っています。
動詞は後ろに目的語や補語をとるものがありますね。
また、多くの場合動詞の前には主語を置きます。
これと同様に、動名詞も目的語や補語をとったり、主語は誰かを表す単語をくっつけたりできます。
動名詞と進行形の見極め方
「動詞の原形に -ingを付けた形」は動名詞としても進行形としても使われます。
そのため、動詞のing形が動名詞か進行形どちらとして使われているかを見極めるのは重要です。
では、いったいどうやって見分ければ良いのでしょうか?
次の2つの文章は、片方が動名詞、もう片方が進行形です。
- He is playing the guitar.
- His hobby is playing the guitar.
HeかHis hobbyかという違いしかないように見えますが、どこを見れば見分けが付くのでしょうか。
どこまでが動詞か
これを見分ける最大のポイントは、「動詞のing形が動詞か名詞どちらのはたらきをしているか」です。
そもそも動名詞とは、動詞に名詞の役割を持たせた使い方のことでしたよね。
そのため、動詞のing形が動詞として使われている場合は「進行形」と判断できます。
上の例では1が進行形、2が動名詞ですが、きちんと見極められたでしょうか?
具体的に、確かめる方法をいくつか紹介しておきます。
動詞のing形の前にbe動詞がない・・・動名詞
進行形は「be動詞+動詞のing形」で表すので、動詞のing形の前にbe動詞がなければ動名詞です。
でも、動詞のing形の前にbe動詞がある場合、それだけでは動名詞か進行形かの判別はできません。
そのときは次のチェック方法を試してみましょう。
「~~すること」と訳してみる
動詞のing形を「~~すること」と訳して文章が成り立つ場合は、動名詞です。
進行形として使われる動詞のing形はあくまでも「動詞」としての役割しかもたないので、「~~すること」という名詞には訳せません。
不定詞と置き換えられる・・・動名詞
こちらは少し上級テクニックですが、不定詞と置き換えられる場合は動名詞と判断できます。
動名詞の場合、動詞のing形を不定詞にしても文章が成り立つことがほとんどです。
文章中の「動詞のing形」を不定詞にしても成り立つときは、進行形ではありません。
もちろん動詞によっては動詞のing形か不定詞のどちらかにしか使えないものもあります。
しかし、そういった動詞が頭の中に入っている頃にはきっと動名詞と進行形の見極めはマスターできています。
動名詞の問題を解いてみよう
それでは練習として、例題を解いてみましょう。
“次の英文を和訳しなさい。
また、英文中の動詞のing形が進行形か動名詞かを答えなさい。
(1)I like reading books.
(2)I’m reading books now.”
では、早速解いていきましょう。
(1)I like reading books.
こちらはlikeが動詞の役割をしており、readingの前にbe動詞がないので動名詞です。
動名詞は「~~すること」と訳せるので、この場合の和訳は「私は本を読むことが好きです」になります。
(2)I’m reading books now.
今度はreadingの前にbe動詞がありますね。
動名詞か不定詞かを見極めるために「~~すること」と訳してみましょう。
「私は今本を読むことです。」
なんだか妙な文章ですね。
このように「~~すること」と訳せない場合は進行形なので「~~している」と訳しましょう。
正しい訳は「私は今本を読んでいます」になります。
動名詞の勉強方法
問題の感覚がつかめたところで、勉強方法をまとめましょう。
進行形か動名詞かを区別しよう
進行形も動名詞も、動詞の原形+ -ingという形をとります。
形は同じですが意味も働きも全然違うので、ing形の動詞が文中に出てきたら、まずどちらであるかを判断しましょう。
文章中での役割を見極めよう!
文章の中に出てきた動詞のing形が動名詞であると判断出来たら、今後はその動名詞が文章中でどんな役割を担っているか考えてみましょう。
動名詞の直前対策法!
それでは具体的に、動名詞の直前対策としてどのようなことに取り組めば良いのでしょうか?
動名詞を目的語にとれる動詞を覚えておく!
動名詞は、不定詞と役割や意味が似ていることから混同してしまいがちです。
文章全体の中で動詞の目的語になる場合に、動名詞を目的語にとれる動詞ととれない動詞が決まっています。
一覧表をおさらいして、しっかり頭に入れておきましょう。
まとめ
動名詞は中学2年生までに習う単元なので、受験までに対策する時間は十分あります。
動詞と名詞の両方の働きを持っているのでややこしく感じるかもしれませんが、動詞的な役割と名詞的な役割に分けて考えればそう難しくありません。
ポイントを押さえて、苦手意識は今のうちに克服してしまいましょう!