勉強のやる気が出ないときはどうすれば良いのか?
「さあ、勉強しなくちゃ!…とは思ってるんだけど…」と、「勉強しなければ」という気持ちに矛盾して「やる気」が出ないこともありますよね。
予習復習・宿題・定期テスト対策・受験勉強など、日々やるべきことはたくさん。
限りある時間の中でこれらをこなしていくために、自分で勉強のやる気を出す方法を知っておきましょう。
この記事では「勉強のやる気が出ない!」と困ったときの、原因や対処法をご紹介していきます。
どうして勉強のやる気が出ないのか?
一言で「勉強のやる気が出ない」と言っても、原因はそれぞれ。
まずは自分自身の勉強環境などを振り返ってみましょう。
その上でここで紹介する「やる気が出ない原因」に当てはまるものがないか考えてみてください。
①勉強環境が悪い
「家だと勉強のやる気が出ない」「カフェで勉強するとはかどる」など勉強する環境はやる気を大きく左右します。
勉強のやる気が出なくて困っている人は、次のような環境で勉強をしていないでしょうか?
- スマホがすぐに手の届く場所にある
- 視界の中に漫画やゲームがある
- 室温が高い/低い
- 周囲がうるさく集中出来ない
このような環境ではなかなか頭が勉強モードに入っていけませんので、やる気も出にくいです。
②どうせ成績が上がらないと思っている
「いくら勉強を頑張っても成績が上がらない」ことが積み重なると、勉強のやる気も出ません。
やはり努力した分は目に見える成績となって返ってきてほしいもの。
頑張った結果が得られないことが続けば、「どうせ勉強したって結果は同じ」と思ってしまうのは当然です。
③疲労が溜まっている
勉強をすると、頭を動かすので結構疲れますよね。
体や頭が疲れているときに、さらに勉強をしても疲れるだけなので気持ちが向きません。
また、疲れているのに無理に勉強をしても、しっかりと集中出来ないので効率的な勉強はできませんよね。
④何を勉強すれば良いのかがわからない
「何となく勉強しなくちゃ」「とりあえず勉強しておこう」と机に向かっていないでしょうか?
学校や受験で勉強することは膨大にあります。
その中でやみくもに勉強をしても具体的なゴールが見えず、勉強をしていても達成感が得られません。
方向性の定まらない状態で勉強してもやる気は出てきません。
まずは自分が勉強で目指す先を再確認することが必要です。
⑤楽しくない
よほど勉強すること自体が好きだったり、勉強における強い目標がない限り「楽しい!」と思って勉強することは少ないと思います。
楽しくないことに対して自然とやる気が出ないのは当然。
楽しいと思える工夫や、楽しいと思えなくても取り組める工夫が必要になってきます。
勉強のやる気を出す方法について!
あなたの場合の「勉強にやる気の出ない原因」は見つかったでしょうか?
「原因」が分かれば、次はその「解決方法」を考えられます。
自分が抱える「勉強にやる気が出ない原因」を意識しつつ、次はそれを解消してやる気を出す方法を考えてみましょう。
①の解決策→勉強を邪魔する要因を取り除こう!
最初に挙げたのは「勉強環境」でした。勉強環境はすぐにでも変えられます。
- スマホは手の届かないところに置く
- 漫画やゲームなどが目に入らないように部屋を片付ける
- 自分が快適と思える室温を設定する
- 家の中で勉強モードになれる場所を決める
- 落ち着いて勉強できる場所(図書館や自習室)に行く
リビングや自分の部屋で勉強をするならば、まずその環境を整えましょう。
「家ではどうしてもやる気が出ない」こともあります。
その場合はいっそ図書館や自習室に出かけてしまった方がやる気が出ます。
人によっては「駅のホームでの勉強がはかどる」「家のリビングだと集中出来る」などありますから、自分が勉強しやすい場所を探してみてください。
②の解決策→正しい勉強法を知ろう!
次は「勉強してもどうせ成績が上がらない……」と思ってしまうことについて。
勉強の結果と言っても色々とあります。
学校の小テストで満点をとるのも結果ですし、模試で良い判定をもらうのも結果です。
あるいは今から1時間で問題集を4ページ解くのも結果です。
このような小さな結果を積み重ねていった先に「成績アップ」があります。
そして最終的な「成績アップ」の前に、小さな目標をいくつもクリアしていくのが正しい勉強の仕方です。
正しい勉強法を知り、やるべきことを一つ一つ把握すれば成績は着実に上がります。
この一つ一つをクリアしていくことが成功体験にもなり、勉強のやる気にもつながっていきますよ。
ただし目標を立てるときはできるだけ具体的に。
「今から2時間勉強する」と設定するよりは「テストで90点をとる」「問題集を6ページ終わらせる」などにしましょう。
③の解決策→休養する
頭や体が疲れているのなら、必要なのは「休養」です。
- 仮眠をとる
- 瞑想してみる
- 息抜きに体を動かす
- 時間を決めて好きなことをする
ただし、いつまでもダラダラ休憩するのは逆効果です。
短時間で切り上げられるように「10分だけ」など時間設定をしておきましょう。
ダラダラと休憩するとどんどん勉強モードから離れていってしまいます。
「勉強をしなければ」と焦る気持ちがあるかもしれませんが、しっかりと勉強するために必要な休養です。
休んだ後にやる気が出せるように、メリハリをつけてしっかりと休みましょう。
④の解決策→自分のやるべきことを把握する方法を知ろう!
「何を勉強すればいいのか分からない」なら、まずは自分のことをよく知りましょう。
- 自分は何が苦手か
- 「いつまでに」「何が」できるようになっていればよいのか?
- とりあえずの目標は何か(小テストで満点など)
- 最終的な目標は何か(志望校合格など)
それを考えると自然とやるべきことが見えてくるはずです。
長期的な目標がなくても、「今日勉強すること」を勉強前に書き出しておいて、終わったものから消していくのもおすすめ。
やることを明確にすれば勉強のやる気も出やすくなります。
⑤の解決策→気持ちに頼らない状態になろう
そもそも「勉強が楽しくない」という気持ちの問題は一番厄介かもしれません。
そんな「勉強が好きじゃない」「楽しくない」場合、どうすれば良いのでしょうか?
この場合大事なのは、「楽しい・楽しくない」といった気持ちと「勉強へのやる気」を切り離して考えてみることです。
具体的にどうすれば良いのか見てみましょう。
そもそも勉強にやる気は必要か?
これまでに紹介した方法で「勉強へのやる気」を出せるのなら、それはそれでOKです。
しかし、「それでもやる気が出ない」「勉強が楽しくない」状態で、勉強にやる気を出すのはとても難しいでしょう。
そもそも勉強をするときに「やる気」は必要なのかを考えてみましょう。
「やる気」だけに頼るのは危ない!
もちろん「やる気」があるに越したことはありません。
自分の気持ちが勉強に向いていてやる気がある状態ならば、自分の実力以上に勉強を頑張れることもあります。
けれども「やる気」ばかりに頼っていては、それはそれで危険です。
それはなぜなのでしょうか?
やる気に頼るとモチベーションが安定しない
「やる気」はいわば気持ちの問題です。けれど人の気持ちは常に一定ではありませんよね。
友達と喧嘩をすれば落ち込みますし、美味しいものを食べれば嬉しくなったりも。
このように、ちょっとした外的要因で気持ちはすぐに浮き沈みします。
そんな不安定な気持ちに頼っているとモチベーションは安定せず、どうしても「やる気のあるときとないとき」が出てきてしまいます。
スティーブン・ガイズという方が書いた「小さな習慣」という著書の中では、
”行動するのにモチベーションが必要だと信じることほど、危険な習慣はありません。”
と言っています。やる気に頼っていると、次の「習慣化」の妨げになってしまうのです。
やる気に頼らず「習慣化」する!
それでは「やる気」に頼らずに勉強をするにはどうすれば良いのでしょうか?
その方法が「習慣化」です。
勉強が日々の生活の一部になるように習慣化できれば、気持ちの浮き沈みに左右されることなく、体が勝手に勉強に向かっていきます。
では勉強することを自分の習慣にするには、具体的にどうすれば良いのでしょうか?
習慣はどのくらいでできる?
「三日坊主」という言葉があるように、数日間勉強に取り組んだだけでは、まだまだ習慣化は出来ません。
それではどれくらい継続すれば、勉強が習慣になるのでしょう?
「21日で行動は習慣になる」と言われることがありますが、これは今科学的根拠がないとして否定されることが多いです。
これに対して「66日」という数字もあります。
これはユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)の研究によるもので、学生の行動が習慣化された平均の日数が66日間だったというものです。
ただこの数字はあくまでも平均。
簡単な行動(朝水を飲む)を習慣にした人は18日という短い期間で習慣化ができ、運動習慣となるともっと長い期間が必要になるケースもありました。
いずれにしてもばらつきがあり、実際にやってみないと分からないとも言えます。
習慣化のコツは?
習慣化までの日数を見て分かるのは、「簡単なことなら短期間で習慣化できる」ということです。
例えば「とりあえず毎日机に向かう」だけならすぐにでも習慣化できそうですよね。
本当に小さなことだけを続けていると、「なんだかもっとやりたい」という気持ちが出てきます。
このもっとやりたいの気持ちを習慣化する行動に持つのが、意識を変化させるコツです。
この習慣化のコツを勉強に反映させます。
最初は「毎日机に向かう」でも良いですし、「英単語を1日1つ覚える」「5分だけ教科書を読む」などでも良いです。
最初は欲張らずに決めた行動だけで必ずストップ。
これで勉強することへの「もう少しやりたい」の気持ちが出てくるのを待ちます。
そこから徐々に行動を増やしていきましょう。
習慣化さえできれば「今日は勉強してないからなんだか気持ち悪いな」という状態になることだってできます。
その状態に慣れるまで、少しずつ自分を変えていきましょう。
やるべきことを明確にして「勉強だけ」する状態にしておく!
勉強を習慣化するためには、やるべきことが明確になっていることも大切です。
そのために必要なのは勉強計画をしっかりと立てること。
勉強時間を設ける前にまずは「やるべきこと」をリストアップして把握しておきましょう。
「いつまでに」「どの教科を」「問題集の何ページまで進める」など具体的に「見える化」しておけば、いざ机に向かったときに余計なことを考えずに、すんなりと勉強に取りかかれます。
監視の目を置く
勉強は自分1人でするもの。だからこそ、自分を甘やかしたり、だらけたりしてしまいます。
それならば、他人の目を使うのも一つの方法です。
- 個別指導塾に通う
- 親に目標を宣言する
- 友人と競いながら勉強する
- SNSで勉強の成果を発表する
など、自分の勉強を誰かとシェアしてみましょう。
他人の目があればそれがプレッシャーになって勉強にも身が入ります。
まとめ
勉強のやる気が出ないことは誰にでもあると思います。
そんなときにはやる気が出ない原因を具体的に考え、原因に合った対策をしましょう。
同時に考えておきたいのがやる気に頼らないモチベーション維持の仕方。
勉強を習慣化して、気持ちよりも行動(勉強)が先にくる習慣を目指してみてください。