青山学院高等部入試の数学入試は、基本問題から応用問題と幅広く出題されます。
また大問数も多いのです。そのため速くて正確な「計算力」と全大問の半数を占める「図形問題」を解ける力が必須です。
この2つを磨き上げないと青山学院高等部の数学入試は極めて厳しいでしょう。
ここではそんな青山学院高等部の数学入試について傾向と対策をご紹介します。
青山学院高等部入試(数学)の傾向分析
大問は7~8部構成です。「平面図形」「立体図形」「関数」「方程式の文章題」「確率」「計算問題」が出題されます。
2020年度の大問数は8題で、そのうち「図形」の問題は4題出題されています。そのため「図形」問題の対策は欠かせません。
試験時間は50分です。青山学院高等部入試の数学は問題数が多く、単純計算で大問1問を7~9分程度で解かなければなりません。
そのため、問題の意図を正確に読み解き、速く正確に解く「計算力」が求められます。
また、各大問の配点は公表されていません。
青山学院高等部入試(数学)の大問構成と出題範囲
2020年度の大問構成は以下のようになっています。
大問1 | 計算問題 |
大問2 | 確率 |
大問3 | 関数 |
大問4 | 方程式 |
大問5 | 平面図形 |
大問6 | 立体図形 |
大問7 | 平面図形 |
大問8 | 平面図形 |
大問数は8問。設問数は20問前後です。特に平面図形や立体図形は、毎年複数題出題されています。そのため、図形分野の対策は必須です。
また、関数や方程式の問題も毎年出題されています。大問数は1~2問と少ないものの、こちらも取り逃さないように対策しましょう。
大問1 計算問題
大問1は計算問題が多いです。基礎的な計算は得点源です。計算ミスに気を付け確実に正解しましょう。
大問2 確率
大問2は確率です。確率も得点源です。きちんと問題文を読み込み、問題の意図を読み取りましょう。
多くの問題は、全てのパターンを書きだせば答えを導出できます。時間配分を意識しながら解きましょう。
大問3 関数
大問3は関数です。二次関数に一次関数を絡めた問題が多いです。
難易度に関しては、交点の座標の導出する基礎問題から座標上の3点から成る三角形の面積を求める応用問題まで幅広く出題されます。。
そのため、基礎から応用問題までしっかりと解き方を理解していきましょう。
大問4 方程式
大問3は方程式です。6~7行程度の文章題が多いです。文章から方程式を導出する訓練を行いましょう。
方程式は読解力も必要になります。計算問題に限らず文章題にも取り組んでください。
大問5 平面図形
大問5は平面図形です。平面図形といっても単純な図形の性質を利用する問題だけではなく、図形の軌跡を考慮する問題も出題されます。
大問6 平面図形
大問6は平面図形で立体の展開図からある寸法を算出する設問です。
2020年度の出題では面積を文字列xを用いて表す問題が出題されており、高校の内容寄りの設問になっています。
そのため数字の計算だけではなく、文字列を用いた表現も知識として持っておきましょう
大問7 平面図形
大問7は図形の相似を利用した平面図形の問題です。
特に三角形の相似関係を利用しています。どの三角形同士が相似なのかを的確に見極めましょう。
大問8 平面図形
大問8は円の性質を利用した平面図形の問題です。円周角の定理や円弧の性質を利用しています。
それだけではなく、三角形の角の二等分線の性質も利用しています。
このように、一つの図形の性質に加えて他の図形の性質も考慮した難問です。そのため、複数の図形の性質を利用した問題と対策しておきましょう。
青山学院高等部入試(数学)の難易度
青山学院高等部の数学の難易度は高いです。
特に平面図形や立体図形に関しては一筋縄ではいかない問題も多く出題されます。
ただし関数や方程式は普通レベルです。落ち着いて取り組めば解けない問題ではありません。
また、試験時間50分で大問を8題解かなければなりません。そのため、速く正確に解く「計算力」と高難度の問題を解く「応用力」は絶対に必要です。
青山学院高等部入試(数学)解答の際の時間配分
2020年度の数学入試を例に時間配分を紹介します。
大問 | 内容 | 目安時間 |
大問1 | 計算問題 | 2分 |
大問2 | 確率 | 4分 |
大問3 | 関数 | 8分 |
大問4 | 方程式 | 8分 |
大問5 | 平面図形 | 4分 |
大問6 | 立体図形 | 6分 |
大問7 | 平面図形 | 8分 |
大問8 | 平面図形 | 10分 |
数学の試験時間は50分です。大問1と大問2が比較的解きやすいことを考慮し、可能な限り速く解答しましょう。
図形問題は後半になるほど難しくなります。そのため計算問題や確率、関数にかける時間は最小限に留め図形問題に取り組みましょう。
また、問題を解き始める前に、全問題を流し読みしてください。問題の内容を鑑みて大問毎の大まかな時間を最初に設定します。
ひと通り確認し、どうしても解けないと判断したらその問題は飛ばす。または、時間に余裕ができたら取り組むとするのも良いでしょう。
そうすることで、最終問題を前に時間が足りなくなることを避けましょう。
青山学院高等部入試(数学)の対策と勉強法
青山学院高等部を入試を決意したなら、その段階から学習の計画を立てましょう。
私立の高校入試は高校ごとに特色があります。その特色に少しでも早く慣れ、志望校に対応した研鑽を積み重ねていきましょう。
中1・中2のうちにやっておきたい対策
中1・中2のうちにやっておきたい対策は2つ。
- 基礎計算力を高めること
- 定理・公式を覚えること
数学は何といっても計算力が必要です。解き方は分かっているのにケアレスミスをしてしまう、ということは絶対に避けなければなりません。
小さなミスが点数全体に影響し、取り返しのつかないミスになってしまいます。
また、定理と公式をしっかりと覚えましょう。中学生の数学入試の多くは定理や公式を基にした応用問題です。そのため、基礎である定理と公式を覚えてないと問題解答に苦労します。
このように、高い計算力と定理・公式の定着を中1・中2の時期に身につけ基礎を固めることに費やしましょう。
中3の夏前までにやるべき対策
中3の夏前までにやるべき対策は、「速く」「正確」に解く訓練です。
青山学院高等部の数学入試は大問8問、設問数で20問弱あります。解答時間が50分のため単純計算で2分半で1問解き終える計算です。
そのため、否応なしに「解答速度」が求められます。この解答速度に対応するためにも、速く正確な「計算力」を習得しましょう。
中3の夏休みにやるべき対策
中3の夏休みでやるべき対策は2つ。応用問題への取り組みと、定理・公式の証明です。
中3の夏休みは、応用問題へ取り組みましょう。この勉強の中で、今まで勉強してきた内容がどの程度定着しているかの実力を試します。
ここで苦手な分野が見つかった場合は、苦手分野の基礎学習をしてください。この夏休みで基礎を築きあげましょう。
また、青山学院高等部の数学入試は図形問題が大問で3~4題出題される傾向にあります。そのため、図形問題の対策は必須です。
図形の対策のおすすめ手法は定理や公式の証明です。定理の証明には補助線を活用しましょう。
補助線を引く考え方は図形問題を解く上で、有効なアプローチです。定理や公式だけを覚えると補助線を引くことに注意が向きません。
補助線を引いて解く考え方をタイミングでマスターしましょう。
中3の秋に取り組むべき対策
中3の秋は、応用問題と過去問演習に取り組みましょう。応用問題と過去問演習で必ず守ることは、間違えた問題を反復して解くことです。
間違えた問題を自分の知識として定着させるためにも、反復演習をしましょう。
また、過去問演習は試験時間と同じ50分で取り組みましょう。時間配分の意識は繰り返し演習することで身につきます。繰り返し「問題演習」と「時間配分」の訓練に取り組みましょう。
また、過去問をやり尽くした場合は、他校の入試問題に挑戦してください。注意点は問題の難易度です。同じくらいか少し高難易度の問題演習をしましょう。
そうすることで、実力をより磨きあげれます。
中3冬・受験直前期に取り組むべき対策
中3の冬や受験直前期は今までの問題を見直しましょう。下手に難しい問題に手を出してはいけません。ここまで反復した問題を最後にもう一度定着させましょう。
もし、間違えた問題や復習してない問題がある場合は見直しましょう。
勿体ないのは、「わかったつもり」になることです。最終調整のこの時期に見落としがないかを確認し、試験に臨む準備を万全にしてください。
入試に臨む上での注意点
数学入試に臨む上での注意点は、焦らないことです。冷静になれば解ける問題も焦ってしまうとミスの恐れがあります。
冷静に目の前の設問に集中して解答しましょう。そうすることで、自ずと求める結果がついてきます。
まとめ
数学は地道な積み重ねが成果になる学問です。「千里の道も一歩から」といいますが、小さな努力の積み重ねが大きな結果を生み出します。
数学も基礎を積み重ねることで応用や難問が解けるようになります。
中1から中3にかけて、基礎問題→応用問題→入試過去問演習と徐々にステップアップし、高い数学の実力を身につけていきましょう。