この記事では、開智高等学校の数学入試問題の傾向と対策についてご紹介します。
開智高等学校の数学は、基礎から応用まで幅広い難易度の問題が出題されます。
また、出題分野幅広いため「苦手な分野」を無くすことが欠かせません。
この記事では、開智高等学校の試験に向け、時期ごとの勉強方法をお伝えします。是非ご参考にしてください。
開智高等学校入試(数学)の傾向分析
開智高等学校入試の数学は、例年大問5問構成です。
多くの大問に記述式の解答が含まれます。そのため、答えに至る過程を書く記述力も求められます。
開智高等学校入試(数学)の大問構成と出題範囲
2020年度の開智高等学校の数学の大問構成は以下の通りです。
大問 | 内容 |
---|---|
大問1 | 小問集合① |
大問2 | 小問集合② |
大問3 | 場合の数 |
大問4 | 関数 |
大問5 | 空間図形 |
ここ3年で大きな傾向は変わっていません。
大問1、大問2の小問集合は、さまざまな分野から総合的に出題されています。大問3は場合の数や確率、大問4は関数、大問5は図形問題となっています。
2020年度の問題では、大問1、2、4、5には記述式の解答がありました。
大問1 小問集合①
大問1は小問集合の問題となります。例年7問程度の出題です。
過去の傾向として「素因数分解」「因数分解」「連立方程式」「図形の定理」などから出題されています。
難易度は、標準から教科書の章末問題程度までです。ずば抜けて難しいものはないため、知識を固めて満点を目指しましょう。また、記述式の解答が1問含まれています。
大問2 小問集合②
大問2も小問集合問題です。大問1と異なり独立した問題ではなく、i、ii、iiiと前後の問題でつながりがあります。
2020年度の問題では「パスカルの三角形」という数に関する問題や、関数と図形の融合問題が出題されているなど、教科書レベルを超えた発展的な内容の出題となっています。
大問3 場合の数
場合の数や確率は例年出題されています。丁寧に場合分けできれば、満点も可能です。
時間がかかるかもしれませんが、全ての場合分けを書ききるのも一つの手段です。問題集を用いてさまざまな問題に慣れておきましょう。
大問4 関数
関数も頻出問題です。関数の一般式や問題集の例題、応用問題はひと通り解けるようにしてください。
また、大問内の(1)(2)の小問は、以降の小問につながる傾向があります。ケアレスミスに注視して慎重に解いていきましょう。
大問5 空間図形
図形問題を解くためには、定理の習得は欠かせません。円周角の定理や相似図形の辺の比などを使いこなせるように演習をしてください。
また、直角三角形の辺の比は抜けやすい内容です。定理に加えて図形の性質を把握するのも必須です。
開智高等学校入試(数学)の難易度
開智高等学校の数学では、基礎から応用まで幅広い難易度の問題が出題されます。
そのため、どの分野、どの難易度の問題が出題されてもいいように「苦手な分野を無くす」ことは欠かせないでしょう。
さらに、記述問題も出題されるため、解答をまとめる記述力も求められます。
開智高等学校入試(数学)解答の際の時間配分
大問 | 内容 | 目安時間 |
---|---|---|
大問1 | 小問集合① | 12分 |
大問2 | 小問集合② | 12分 |
大問3 | 場合の数 | 8分 |
大問4 | 関数 | 9分 |
大問5 | 空間図形 | 9分 |
開智高等学校の数学は、20問程度の問題を50分で解かなければなりません。また、答えだけではなく記述式の解答もあります。
そのため、50分と短時間で解くために「解く問題と捨てる問題の選別」が欠かせません。
全て解きたい気持ちもあります。しかし、時間制限を考えて解ける問題に時間をかけて、得点を積み上げていきましょう。
開智高等学校入試(数学)の対策と勉強法
開智高等学校の入試対策は、受験までの時期によって勉強内容が変わります。
開智高等学校の入試傾向に合わせて、志望校に対応した勉強をしていきましょう。
中1・中2のうちにやっておきたい対策
中1・中2は、基礎的な計算問題演習と定理公式の理解を完璧にしましょう。
開智高等学校の数学入試の小問集合は、単元の基礎問題が網羅的に出題されます。
この時期に基礎内容をしっかりと固めて、中3からは記述式や応用問題に挑戦できるようにしましょう。
また、中学で習う公式、定理を使いこなすための実践演習も欠かせません。
公式、定理は、問題を速く正確に解く上で欠かせない知識です。最低限の知識を身につけたうえで、計算力を高めていきましょう。
中3の夏前までにやるべき対策
夏までには基礎の復習と標準、応用問題に取り組みましょう。
数学は学んだ内容の反復演習で実力が向上する教科です。得意な分野と苦手な分野を網羅的に演習し、苦手な分野を減らしていきましょう。
注意してほしい点は、解き方です。
入試本番では時間制限があります。少しでも速く解くため、問題集の解答や教科書の解き方を参考にし、最善最短の解法の取得を目指してください。
中3の夏休みにやるべき対策
夏休みも引き続き問題演習に取り組みます。特に記述式の勉強を優先的に行いましょう。
記述式の問題は、答えを書くだけでは満点解答にはなりません。
なぜなら、その答えに至る過程も求められているからです。
そのため、記述式の解答に書くべき内容をしっかりと理解しましょう。
記述式の解答の対策には、問題集を活用しましょう。コツは解答だけではなく、その途中式も解説と見比べること。
そうすることで記述式の解答に必要な内容を学ぶのも1つの方法です。
さらに、学校の先生や塾の先生に解答途中の答案を採点してもらうのもよいでしょう。
中3の秋に取り組むべき対策
秋からは、過去問演習を中心に取り組みましょう。
過去3~5年以上前の問題までしっかりと解くことが大切です。
また、開智高校は記述式の解答も多いため、時間不足が想定されます。
そのため、時間を計測しながら過去問に取り組みましょう。
また試験本番を想定して、解く問題と捨てる問題を見極める練習も欠かせません。
全て順番に解く思考ではなく、解ける問題を優先的に解いていく思考へと変えていきましょう。
このように過去問演習では、時間を意識した勉強が大切です。
中3冬・受験直前期に取り組むべき対策
直前期は今までの総復習です。
「苦手な分野」を中心に取り組んでも構いません。また「時間配分」を優先的に意識してもいいです。
このように、自分が必要と思う内容を重点的に取り組みましょう。
ただ「新しい参考書、問題集」に取り組むのはおすすめしません。
新しい問題に手を出し知識を加えるよりも、勉強してきた知識を定着させるほうが大切です。
また、体調管理も万全にし本番に臨みましょう。
まとめ
開智高等学校入試の数学の対策として「苦手な分野を無くすこと」が重要です。また、それと同時に、試験本番を想定した時間配分を意識した準備が大切です。
定理公式の暗記はもちろん、問題演習と復習をしていきましょう。