慶応義塾女子高校入試数学の問題は、女子校の中では日本トップクラスに難易度が高い問題が出題されます。
しかし、奇問という類の問題は出題されないため、傾向を正確に把握してしっかり対策すれば高得点を狙えるでしょう。
この記事では、慶応義塾女子高校入試数学の出題傾向や対策をご紹介します。勉強法に悩んでいる生徒は参考にして、受験勉強に活かしてください。
私立慶応義塾女子高校入試数学の傾向分析
慶応義塾女子高校入試数学は全問記述式で問題の難易度も高いため、出題傾向を把握して適切な対策をしなければいけません。
令和2年度の入試問題の問題構成や難易度を分析してまとめました。
私立慶応義塾女子高校入試数学の大問構成と出題範囲
令和2年度の大問構成は以下のようになっています。
- 大問1:小問集合(3問)
- 大問2:整数問題
- 大問3:円と平面図形
- 大問4:関数
- 大問5:空間図形
大問では図形と関数、整数が必須分野です。5問の大問が出題される構成には大きな変更はないと予想されますが、小問集合の問題数や各大問内の小問数は年度によって変わる可能性があります。
それでは出題内容を大問別にもう少し詳しくご紹介します。
大問1:小問集合問題
小問集合問題は3問出題されています。
- 小問1:平方根が含まれている計算
- 小問2:数の性質
- 小問3:2次方程式の応用
年度によって小問が2問のときもあります。
標準的なレベルの問題が出題されることが多いため、慶応義塾女子高校に合格するには全て正解しておきたいです。
大問2:整数問題
令和2年度入試では、取り出した数字を提示された規則に従って〜〜した場合の和について問われている整数問題です。全て空欄補充問題として出題されていました。
見かけたことがないような内容で問題文が長いため、難しそうに見えた生徒も少なくないでしょう。しかし、冷静に問題文を読み文意を理解すればそれほど難しくない問題です。
整数問題が大問で出題されることが多いため、十分な対策をしておく必要があります。
大問3:円と平面図形
大問3は、円と平面図形の融合問題が出題されていました。
三平方の定理や接弦定理を使って角度や面積、長さを求める問題で、十分勉強をしてきた生徒なら解答できたでしょう。
大問4:関数
大問4は1次関数、2次関数の融合問題が出題されていました。
小問2がやや難しい問題でしたが、与えられた条件を理解して当てはめていけば正解できたでしょう。
大問5:空間図形
大問5は四角錐の切断に関する問題が出題されていました。
各小問のつながりを意識して問題を解けば、それほど難しくない問題だったでしょう。
私立慶応義塾女子高校入試数学の難易度
女子校としてはかなり難易度は高い問題が出題されています。空欄補充型の問題もあるとはいえ、全問記述式問題のため、慣れていない生徒は解答するのに時間がかかるでしょう。
しかし、「標準~やや難しい」レベルの良問が出題されているため、しっかり勉強してきた生徒なら高得点をとれる問題です。
私立慶応義塾女子高校入試数学解答の際の時間配分
慶応義塾女子高校入試の数学の試験時間は60分です。全て記述式問題のため時間配分には十分注意してください。
令和2年度の問題で時間配分の目安をご紹介します。
- 大問1:小問集合 10分
- 大問2:整数問題 12分
- 大問3:円と平面図形 12分
- 大問4:関数 10分
- 大問5:空間図形 12分
生徒によって得意不得意分野があるため、ご紹介した時間配分を参考にして自分に合った時間配分を決めてください。
私立慶応義塾女子高校入試数学の対策と勉強法
それでは慶応義塾女子高校で合格点をとるための対策をご紹介します。時期によって内容や時間を変えて、効率がよい勉強計画を立ててください。
中1・中2のうちにやっておきたい対策
中1・中2のうちに数学に苦手意識がある生徒は克服しておきましょう。中3になってから中2までに習った分野を基礎から勉強していたら、入試までに間に合わなくなってしまう可能性があります。
秋以降に行う過去問を使った対策までに全分野の勉強を終えておくことが望ましいため、余裕がある生徒は中2のうちに映像授業などで中3で習う分野の勉強もしてください。
中3の夏前までにやるべき対策
夏休みに自分の苦手分野の克服と記述対策の勉強をしたいので、中3の夏前までに出来るだけ入試で出題される全分野の勉強を終えるようにしましょう。
夏休み前までに入試問題を解けるようになっておく必要はありませんが、教科書レベルの問題は確実に解けるようになっておくことが望ましいです。
中3の夏休みにやるべき対策
夏休みには、苦手分野の克服と記述式問題対策をしてください。
苦手分野の克服にまとまった時間を取れるのは、夏休みが最後の機会になるでしょう。冬休みは苦手分野の克服をするための十分な時間をとれない可能性が高いです。
慶応義塾女子高校入試の数学の問題を解けるようになるまで、苦手分野の学力をあげるためには時間がかかります。
冬休みの約2週間だけでも苦手分野の勉強をすれば克服できるかもしれません。
しかし、入試まで2ヶ月を切っている冬休みに他の科目の勉強をおろそかにするのは、リスクが高いためおすすめできません。そのため、苦手分野の克服は夏休みにしておいた方がよいでしょう。
慶応義塾女子高校は記述式問題対策は必須です。記述式問題は式だけを書いていくのではなく、どのように解いたか採点者にわかるような答案を書かなければいけません。
記述式問題に慣れていない生徒は、簡単な問題から始めて慣れましょう。作成した解答に問題がないのかわからない生徒は、学校の先生や塾の先生など信頼ができる人に添削してもらうことをおすすめします。
記述式問題を解くのに慣れてきたら、解答用紙のスペースを意識した答案を作るように練習してください。
慶応義塾女子高校入試数学の解答用紙のスペースは、それほど大きくありません。
そのため、詳しく書き過ぎると時間的にもスペース的にも書ききれなくなってしまい、反対に短すぎると不十分な解答となってしまいます。
中3の秋に取り組むべき対策
秋になったら実際に過去問を解き始めてください。
慶応義塾女子高校入試の数学はそれほど量が多くないため、記述する分量に注意すれば時間が足りなくなる生徒はそれほど多くないでしょう。時間を計りながら問題を解いて、解答作成にかかる時間を把握してください。
時間を使っても目標点に届かない生徒はまだ入試問題を解くには早いため、今まで使っていた問題集を復習してもう少し学力を伸ばしましょう。
中3冬・受験直前期に取り組むべき対策
冬休みに他の科目の勉強をそれほどしなくてもよい生徒は、苦手分野の克服をしてもよいでしょう。
特に、慶応義塾女子高校入試で頻出分野である関数や整数問題、図形問題が苦手な生徒は、苦手分野の克服は必須です。
過去問や問題集を使って多くの問題を解き、解法パターンを覚えてしまうことをおすすめします。
特に苦手分野が生徒は、今まで解いていた問題集の復習を中心に勉強してください。直前期に新しいことに手をつけても消化しきれずに、入試の得点には反映しにくいです。
まとめ
慶応義塾女子高校入試数学の出題傾向や対策をご紹介しました。
入試本番で解けない問題が1~2問あっても、他の問題が解ければ合格点を取ることができるので、焦らないようにしてください。焦ると実力を発揮しにくくなってしまいます。
誰もがミスをしないように慎重に問題を解いていますが、それでもミスは起こります。そのため、出来るだけ見直しの時間を取ってミスがないか確認するようにしましょう。
数学は短期間でできるようになる科目ではありません。そのため、長い間の積み重ねが大切です。自信を持って試験当日を迎えられるように、計画的に勉強しましょう。