都立墨田川高校の国語の問題は特に小説と論説文の難易度が高く、古文は平均的な難易度です。
近年は出題傾向が変わってきており、論説文と小説が同程度の難易度となってきています。そのため、文章をしっかり理解して論理的に考え、問題を解くことが求められます。
都立墨田川高校入試(国語)の傾向分析
都立墨田川高校入試の国語はどのような傾向で出題されるのでしょうか?
下記にて、問題の構成と出題傾向、難易度についてまとめました。
都立墨田川高校入試(国語)の大問構成と出題範囲
平成31年以降の都立墨田川高校入試の国語は次のような大問構成になっています。
大問1:漢字
大問2:小説
大問3:論説文
大問4:古文
平成31年以降は配点が公開されていません。
参考までに、平成30年以前は下記のような大問構成になっていました。
大問1:漢字(16点)
大問2:小説(28点)
大問3:論説文(30点)
大問4:古文(26点)
細かい内容はこの後で紹介しますが、大きな変更点として次の内容が挙げられます。
- 大問2の小説に70字程度の記述問題が2題出題されるようになった
- 大問3の論説文での記述問題が200字から70字程度に減少した
漢字の問題数や古文の難易度に大きな変化はないことから、小説が難化、論説文が易化傾向にあると言えます。
小説と論説文の配点は、同程度か小説のほうが数点高くなっている可能性があります。
詳しい問題の内容をご紹介しましょう。
大問1 漢字
読み・書きそれぞれ4問出題されます。難易度は概ね漢検3級程度の漢字で、他校と比べて比較的難しいです。
例えば、「遮る」「潤む」といった音読みで熟語としてよく使われる漢字の訓読みや、「公算(こうさん)」「精製(せいせい)」といった同じ読みで別の漢字が使われることの多い漢字の書き問題が出題されます。
大問2 小説
小説は平成30年までは比較的簡単な問題が出題されていました。
平成31年以降傾向が変化し、70字程度の記述問題が2題出題されています。
難易度は明らかに難化したと考えて良いでしょう。
また、記述問題以外にも問題の傾向が大きく変化しており、問1で本文の内容について問う問題が出題されるようになっています。
平成30年以前は傍線部を順番に見ていき、最後に本文全体や登場人物について聞く問題が出題されていました。
年によらず、本文の表現から登場人物の感情や様子を聞く問題が主に出題されています。
このため、最初に本文を流し読みしてから精読したり、段落毎に読むなら問1を後回しにしたりといった戦略を考えておいても良いでしょう。
大問3 論説文
論説文では、平成30年までは200字の記述問題を含む比較的難しい問題が出題されていました。
平成31年以降は記述問題が70字程度に減り、問題数は大きく変化していないため、こちらは易化傾向にあると言えます。
出題内容としては、本文の内容の言い換えや本文中の説明の具体例を選ぶ問題が主に出題されています。本文からの抜き出し問題が出題されることもあります。記述問題も本文中の内容を説明する問題です。
以前まで出題されていた『本文の内容を受けて「あなたの考え」を聞くような問題』がなくなっているので対策しやすくなっています。
大問4 古文
古文の問題となりますが、古文に関する説明文を読んでそれについて答える問題となっています。
古文は平成28年以降大きな傾向の変化はありません。
傍線部や空欄を受けて本文と合致する内容を答えたり、筆者の意図を聞く問題が出題され、最後に必ず本文全体の内容を答える問題が出題されます。
古文単語や漢文の書き下し文などを勉強しておくとより解きやすい問題が出題されることもあるので、「ほとんど読解問題だ」とあまり油断せずにしっかり古文も勉強しておきましょう。
都立墨田川高校入試(国語)の難易度
都立墨田川高校入試の国語は近年難化傾向にあると思って良いでしょう。
特に小説と論説文の問題は傾向が大きく変わっています。以前までは論説文の難易度が突出していましたが、近年の傾向では小説の難易度が上がり、説明文が比較的易化傾向にあります。
記述問題の文字数や出題される問題数は大きく変わっていないので全体としては難化傾向と言えるでしょう。
都立墨田川高校入試(国語)解答の際の時間配分
試験時間は50分です。見直し時間を加味して45分で解くための時間配分の例を紹介します。
大問1:漢字(3分)
大問2:小説(15分)
大問3:論説文(15分)
大問4:古文(12分)
順番については、こだわりがなければ順番に解いていっても問題ないと思います。小説や古文のほうが比較的読みやすいので、論説文を後回しにするのも一つの手です。
漢字は知っているかどうかなので時間をかけてはいけません。考えて分かる問題ではないので分からなければ飛ばしてでも素早く解いてしまいましょう。
近年は小説と論説文の難易度は同程度ですが、じっくり読む必要がある論説文の問題に時間をかけすぎると、最後の古文を解く時間がなくなります。
そのため論説文は最後にするというのも良いと思います。
時間配分に気をつけて落ち着いて取り組みましょう。普段から5分から10分程度短い時間で解く練習をすることで本番でも慌てることがなくなります。
都立墨田川高校入試(国語)の対策と勉強法
都立墨田川高校への合格を目指すためにどのような対策をすればいいでしょうか?
時期別でやっておくべき対策をまとめました。
中1・中2のうちにやっておきたい対策
都立墨田川高校を意識した対策は特に必要ないと思います。
日頃から勉強するくせをつけて基礎的な学力を確保しておきましょう。
漢字は通学時間などを使って日頃から覚えるくせをつけておくことをおすすめします。
国語は積み重ねが重要となります。簡単な参考書や定期テストなどの復習をして土台作りをしておくのが良いです。
中3の夏前までにやるべき対策
夏前までは都立墨田川高校を意識することなく今まで習った国語の全範囲を復習しておきましょう。
特に古文や漢字などは単語などの必要な知識を理解できていないと問題集に取り組んでも身につかないことがあります。そのため、この時期までに基礎を確実なものにしておきましょう。
中3の夏休みにやるべき対策
貴重な長期休暇なので有効的に使うことが大切です。
記述問題や抜き出し問題が出題されます。これらを念頭に置いて、抜き出し、記述、選択問題すべてがバランス良く入った標準的な問題集に取り組み始めましょう。
また、家で集中できない場合もあると思います。そのときは図書館の自習室など勉強しかできない環境に身をおいて勉強に集中しましょう。
場合によっては塾などの夏期講習に通うのもありです。このくらいの時期から記述問題については学校や塾の先生に添削してもらうようにしましょう。
中3の秋に取り組むべき対策
この時期から問題演習と並行して過去問に取り組みましょう。国語の過去問は5年分くらいしかダウンロードできませんが、少なくともこの5年分については必ず解いておきましょう。
近年はオーソドックスな問題形式ですが、見たことがあるかどうかで結果は大きく変わります。出題形式には必ず慣れておきましょう。
中3冬・受験直前期に取り組むべき対策
過去問を中心に問題演習に取り組みましょう。
このタイミングで新しい参考書や問題集に手を出す必要はありません。同じ問題集を何度も取り組み、すべての問題を答えを見ずに完答できるまでやり込みましょう。
受験も直前なので時間を無駄にできません。完答できた問題についてはもう復習する必要がないので問題集に印をつけて、できない問題に集中して取り組みましょう。
また、体調管理に気をつけて当日まで無理なく勉強することも大切です。
まとめ
都立墨田川高校の国語では記述や抜き出しといった比較的難しい問題も出題されます。
これらの問題を50分という短い時間で解答しなければなりません。
記述や抜き出し問題は解くのに時間がかかります。これらの問題を解く時間を確保するためには選択問題なども含めて短時間で解く練習をする必要があります。
国語は過去問がダウンロードしにくい側面もありますので、同様の形式の問題集を探してやり込むことが重要です。