都立戸山高校は進学指導重点校に指定されているため、入試で独自問題が出題されます。
数学の独自問題では発展的な問題も多く出題されるため、「解ける問題」を確実に正答することが大切になります。
今回は、その都立戸山高校数学独自問題の傾向と対策について紹介します。
都立戸山高校入試数学の傾向分析
大問は4つ構成で、順に「小問集合」「関数」「平面図形」「空間図形」が出題されるのが例年の傾向です。他の都立高校入試と比べると、大問が1つ少ないことが特徴になります。
配点は大問ごとに25点です。中でも、「途中の式や計算を書く問題」「証明問題」は他の問題に比べ配点が高くなっているので、部分点も狙いたいところです。
全体的に標準問題も出題されますが、高難度の発展問題もあります。試験時間は50分しかないため、「解ける問題」と「捨てる問題」を見分ける必要もありますね。
都立戸山高校入試数学の大問構成と出題範囲
大問構成は以下のようになっています。
- 大問1:小問集合
- 大問2:関数
- 大問3:平面図形
- 大問4:空間図形
では、ここから各大問ごとに詳しくみていきます。
大問1 小問集合(全25点)
小問集合は5問出題されます。直近3年の傾向は以下の通りです。
- 問1:平方根
- 問2:2次方程式
- 問3:連立方程式
- 問4:確率
- 問5:作図(定規とコンパスを用いる)
問1~4は教科書の章末問題程度のレベルなので、確実に正答したいところです。
一方で問5の作図は、都立高校共通問題で出題される作図問題よりも難しいため、もし4,5分考えても解法が思いつかなかった場合には次の問題に進むようにしましょう。
大問2 関数
大問2は3問出題されます。問2までは標準的なレベルなので、解くスピードも意識しながら正答したいところです。
問3は途中の式や計算なども書く問題であるため、多くのプロセスを1つ1つ書かなくてはならず難易度は高いです。
しかし、発展問題集で対応できるレベルなので、事前に対策をしましょう。
とはいえ、どれだけ対策をしても本番では途中で行き詰ってしまうこともあるはずです。その場合は分かるところまで書き、部分点を取るようにしましょう。
大問3 平面図形
大問3は3問出題されます。大問2同様、問2までは標準的なレベルです。
都立高校入試共通問題で出題される平面図形の大問も演習として取り組んでみてください。
問3は証明問題です。条件を一つずつ図形に書き込み、整理をしてから解きましょう。
容易に解けるレベルではありませんが、事前に発展問題を多くこなし試験当日への備えを万全にしておけば基本的には解けます。
大問4 空間図形
大問4も3問出題されます。問題文を理解さえできれば、問1・2は「解ける問題」です。焦らず解きましょう。
問3は、数学を得点源としている人は確実に解いておきたい問題になります。
しかし、そうではない人にとっては「潔く諦めて他の問題に時間をかけた方が良い」と判断できるほど、発展的で高難度の問題が出題されることが多いです。
そのため、一旦目を通しておき解答への見当がつかないようでしたら、今までの問題の見直しをする方がいいかもしれません。
都立戸山高校入試数学の難易度
都立戸山高校入試数学の平均点は年により変動はあります。しかし近年は60点前後になることが多いです。
点数を取るためには、試験中に「確実に正答したい問題」と「分からなかったら飛ばす問題」を瞬時に見分けることが大切になります。
戸山高校独自問題数学で「確実に正答したい問題」にあたる標準問題は、
- 大問1の小問集合
- 大問2,3,4の問12
になります。
一方「分からなかったら飛ばす問題」は、
- 大問2,3,4の問3
になります。
しかし、あくまでこれは平均点を基にした難易度です。
自身の得意不得意などもありますので、過去問を解いて自分なりの「「確実に正答したい問題」と「分からなかったら飛ばす問題」を事前に検討しておきましょう。
また「途中の式や計算を書く問題」「証明問題」などは配点も高いため、事前に「発展問題集」や「過去問」などで多くの問題を解き、パターンを把握することも大切です。
都立戸山高校入試数学解答の際の時間配分
- 大問1:小問集合(10分)
- 大問2:関数(12分)
- 大問3:平面図形(13分)
- 大問4:空間図形(15分)
数学の試験時間は50分間です。大問1の小問集合は標準的な問題が多いので、後の大問に時間を費やすためにも1問2分程度で解答したいです。
それ以降の大問にはある程度時間をかけておき、それでも分からない場合は一旦飛ばすということも頭にいれて置きましょう。
「1つの問題に固執し続けて、残りの問題が白紙になる」なんてことが起こらないようにしてください。
都立戸山高校入試数学の対策と勉強法
都立戸山高校合格のために、数学に関してすべき対策を各時期ごとに説明していきます。
入試までの流れを理解し、みなさんの今の時期に合わせた勉強をしてください。
中1・中2のうちにやっておきたい対策
中1・中2の間はなにより基礎を固めるようにしましょう。大問1では、中1・中2の時の学習内容からも出題されます。
また、数学は中1からの基礎の積み重ねによって成績が伸びる教科です。
さらに、授業の進度が速くなる中学2年生のときには、まず何より学校の授業内容を100%理解することが大切になります。
それに加えて戸山高校を目指す人は、「予習を積極的に行い授業が復習となるようなペース」で学習を進めていけるといいでしょう。
そうすることで確実に知識を定着させることが出来るとともに、もし苦手な分野を見つけても早いうちに潰すことができます。
また、都立高校の入試では内申点も大きく関わります。特に独自試験が出題されるような戸山高校では、合格のために高い内申点が必要になります。
学校の定期テスト対策にもきちんと取り組み、早いうちに定期テスト対策のやり方を身に付けるといいでしょう。
中3の夏前までにやるべき対策
中3になったら、中1・中2の間に学校で習った知識をもう一度確認しましょう。夏前までに基礎問題が理解できていると、夏休みに発展問題に取り掛かることができます。
また、「予習を進んで行い授業が復習となるようなペース」は引き続き維持しましょう。
中3の夏休みにやるべき対策
中3の夏休みには、独自入試に向け応用問題に取り組みましょう。
独自問題は教科書の範囲を超えて出題されます。そうした問題内容を、基本事項の組み合わせで解く「応用力」や、初めて見る問題にも対応できる「閃き力」を鍛えるためにも演習を重ねることは大切です。
もしここで苦手な分野などを見つけた際には、きちんと復習をして苦手を潰しておいてください。
夏休みは勉強に多くの時間をかけられる分、弱点をなくすのにもってこいの時期になります。
応用問題に取り組みながら分からない分野が出てきたときには、そのまま応用問題を解き進めるのではなく、基礎に戻ることも大切です。
なぜなら発展問題は、基礎事項が理解していないと解けないからです。
中3の秋に取り組むべき対策
中3の秋には応用問題演習だけではなく、「過去問演習」も始めましょう。
志望校の過去問を解くことで、問題の傾向や時間配分の感覚なども掴めてくるでしょう。
また問題は1度解いて終わりにするのではなく、解説をきちんと読みもう一度解き完全に理解できるようにしてください。
過去問は最低でも5年分を解いておくと、安心して受験に臨めるでしょう。
さらに、「途中の式や計算を書く問題」「証明問題」は一度学校の先生や塾の先生に添削をしてもらってください。
解答を見れば正解は分かりますが、「どうしてこのような考え方になるのか?」という深い部分に関しては、自分で判断することが難しいからです。
中3冬・受験直前期に取り組むべき対策
冬も過去問演習を続行してください。受験直前期には、焦っていろいろなことに手を出すのではなく、今までと同じことを繰り返しやることをおすすめします。
また、自分の苦手を見つけたら1つ1つなくしていくことが大切です。
「間違いノート」を作り間違えた問題とその解答を貼っておくことで、直前にもう一度復習することができるのでおすすめです。
入試に臨む上での注意点
先述した通り、戸山高校独自問題には標準問題である「解ける問題」と、発展的で難易度も高い「捨てる問題」があります。
そのため、50分という試験内で確実に点数をとるためには戦略的に解くことが必要です。
平均点を目指す場合
平均点を目指す人は、「解ける問題」と「捨てる問題」を見分け、「解ける問題」を確実に解きましょう。
その際には「解ける問題」である大問1や各大問の問1,2に多くの時間をかけることが必要になります。
また「捨てる問題」になりやすい「途中の式や計算を書く問題」「証明問題」には部分点もあるので、問題も見ずに捨てるのではなく一旦目を通してみましょう。
数学を得点源にしたい場合
数学を得点源にしたい人は、
- 他の人が「捨てる問題」に選択した発展問題を解くこと
- 計算ミスをしないこと
以上の2つが重要になります。
1に関しては、発展問題演習や過去問をやりこむことで正答可能になります。
2に関しては、「見直しの時間」も確保し、もったいないミスをなくすようにしましょう。
試験中は緊張のために、いつもなら間違えないミスをしがちです。一度計算ミスをするとその後の解答も間違えることにつながるため、とてももったいないです。
そのため「見直しの時間」も確保できるような、余裕をもった時間配分にしましょう。
まとめ
都立戸山高校入試数学の傾向と対策について説明してきました。都立戸山高校入試の数学は、「解ける問題」と「捨てる問題」を見分け確実に点数を取ることが大切です。
数学は中学1年生から対策を始めることが出来るとともに、早いうちからの勉強がのちのち役に立ちます。予習などは積極的に行いましょう。