勉強法理科の勉強法

中学理科「電流・電圧」難しい電気の理解がハッキリ分かるようになる!

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中学校の理科で「電流・電圧」を学びます。

電気は身近なもののようですが、目に見えるものではなく、理解が難しいところだと思います。

電気を理解するにはどのように考えれば良いのかを高校入試を念頭に置きながら解説します。

都立入試における電流・電圧の問題の出題傾向

高校入試における電流・電圧の問題を都立入試を例に挙げて解説します。過去5年を振り返ってみます。

過去5年の出題実績

2020年大問6電熱線に流れる電流とエネルギー
2019年大問2〔問2〕電流とブレーカー、消費電力
2017年大問1〔問6〕電流計・電圧計のつなぎ方
2016年大問6電気器具の消費電力

電流・電圧の問題は頻出

このように高校入試で電流・電圧は頻出です。

ただし、電流・電圧の範囲だけを扱う問題ではなく、消費電力・エネルギーに関しても合わせて考察させる問題が多いです。

電流・電圧のところで押さえておくべき事項

電流・電圧の勉強をする上で押さえておくべきポイントは以下の通りです。

  • 「電気回路」
  • 「電圧」「電流」「抵抗」
  • 電気回路を図で表す
  • オームの法則
  • 直列回路、並列回路

それでは具体的に見ていきましょう。

「電気回路」

「電池(電源)」「抵抗」「導線」をつないで電気が流れるようにしたモノを「電気回路」と言います。

電気回路は途切れることなく1周グルリと回れるものであることがポイントです。

「電圧」「電流」「抵抗」

回路に流れる電気の流れのことを「電流」と言います。電流の単位は[A]アンペアです。

電池が回路に電流を流そうとする力を「電圧」と言います。電圧の単位は[V]ボルトです。

電流は電池の+極から出て、回路を一週して、電池のー極に入ります。

この電流の流れを邪魔するモノを「抵抗」と言います。抵抗の単位は[Ω]オームです。

電池、抵抗をつなぐ線を「導線」と言います。導線は電気の流れを邪魔しません。ただ電気が流れる道筋になるだけです。

この説明だけではよく分からないかもしれません。

のちほど電気回路を水路に例えた説明をします。それを見れば分かりやすいと思います。

電気回路を図で表す

電気回路は図で表すと理解しやすいです。

例えば、1つの電池と1つの抵抗を導線でつないだ回路は次のように表現します。

電池は2本の平行線分で表現します。長い線分が+極、短い線分がー極です。乾電池は突起が+極ですからそれと逆のイメージですね。

抵抗は長方形で表します。

導線は電池、抵抗を図のように直線で結んで表現します。

オームの法則

電圧、電流、抵抗の間には関係があります。

電圧は電流を流そうとする力ですから、電圧が大きいほど回路には大きな電流が流れます。

抵抗は電流を邪魔するモノですから、抵抗が大きいほど回路を流れる電流は小さくなります。

これを式で表すと

(電圧)=(抵抗)×(電流)

になります。この関係を「オームの法則」と言います。

例えば、10[V]の電圧で2[Ω]の抵抗に電流を流すと5[A]の電流が流れます。

10[V]=2[Ω]×5[A]

「ボルト=オーム×アンペア」のイメージです。

入試では、回路を流れる電流を求めよなどと問われますが、それにはオームの法則を用いて答えることになります。

直列回路、並列回路

抵抗を複数用いた複雑な回路を考える場合があります。

次のように抵抗を連続してつないだ回路を「直列回路」と言います。

また、抵抗を横に並べてつないだ回路を「並列回路」と言います。

並列回路には図の矢印のような向きに電流が流れます。

電流・電圧と関連する事項

その他、ここでは解説しませんが電流・電圧と関係して次のようなことを学びます。

  • 豆電球、スイッチ
  • 電流計、電圧計
  • 電力・エネルギー・発熱量

電流・電圧の問題のポイント

電流・電圧の問題のポイントを述べます。

オームの法則を正しく用いられるようにする

電流・電圧の問題では「回路を流れる電流はいくらか」などと問われます。

電流を求めるためにはオームの法則を正しく運用できなくてはいけません。

直列回路・並列回路の電圧・電流・抵抗の関係がわかる

抵抗1つの単純な回路だけではなく、直列回路、並列回路の電流も問われます。

複雑な回路もオームの法則を応用するのですが、その考え方が難しいかもしれません。次の説明を参考にしてみてください。

電流・電圧の問題の考え方

電気は見えるモノではないため、やや理解がしづらく苦手とする生徒も多いです。

そこで、電気回路を「水路」に例えて説明してみます。

電気回路を水路に例えて考える

「電圧」は水面の高低差、「電池」は水を汲み上げるポンプ、「抵抗」は水の流れを邪魔する水車、「電流」は水流の勢いと考えてみましょう。

電池は水をくみ上げるポンプです。10[V]の電池は10[V]の高さまで水をくみ上げます。

導線に沿って水は流れます。導線の部分では水位(電圧)は変化しません。

抵抗は水の流れを邪魔する水車です。水車には電圧の分だけ落差があります。

今の例だと落差は10[V]です。水車が水を邪魔する抵抗を5[Ω]とすると水流の勢いは、オームの法則から

(水の落差V)÷(水車の抵抗Ω)=(水流の勢いA)
10[V]÷5[Ω]=2[A]

とくに電圧の意味の理解に苦労する生徒が多いです。

もし苦手な場合は「電圧は水面の高低差・落差」と思ってください。水力発電のダムの水面を思い浮かべると良いでしょう。

水のエネルギーを貯めて、水面の高さ(電圧)で水流(電流)を流します。電気を消費する家庭や工場が抵抗です。

それではさらに詳しく、直列回路・並列回路それぞれを水路で考えてみましょう。

直列回路を水路で考えると

直列回路を水路で考えてみます。直列なので1本の水路に続けて水車があります。

1本の水路ですから流れる電流はどこでも一定です。

各水車で落差はオームの法則「(抵抗)×(電流)」ですから

(ポンプがくみ上げる高さ)=(水車1の落差)+(水車2の落差)
=(水車1の抵抗)×(水流)+(水車2の抵抗)×(水流)

10[V]=2[Ω]×(電流)+3[Ω]×(電流)
=5[Ω]×(電流)
∴(電流)=2[A]

並列回路を水路で考えると

並列回路を水路で考えてみます。並列なので水路が2本に分岐します。

水車が横に並んでいるので、2つの水車の落差は同じです。

そして、それはポンプがくみ上げる高さと等しくなります。

図の例だと、ポンプがくみ上げる高さが12[V]、各水車の落差も12[V]です。

6[Ω]の水車を流れる水流は
オームの法則(水車の落差)=(水車の抵抗)×(水流)より
12[V]=6[Ω]×(電流)
∴(電流)=2[A]

同様に3[Ω]の水車を流れる水流は
12[V]=3[Ω]×(電流)
∴(電流)=4[A]

(電池を流れる電流)=2+4=6[A]

このように、「ポンプ(電池)が水をくみ上げて水流(電流)を流す。その流れを水車(抵抗)が邪魔をする」と考えると理解しやすいでしょう。

電流・電圧の練習問題

それでは実際に電流・電圧に関する練習問題を解いてみましょう。

(練習問題1)10[V]の電池に2[Ω]と3[Ω]の抵抗を直列につないだ。回路を流れる電流はいくらか。

(答え)各水車の落差の和がポンプがくみ上げる高さだと考えて
10[V]=2[Ω]×(電流)+3[Ω]×(電流)
∴(電流)=2[A]

(練習問題2)図のように6[Ω]と3[Ω]の抵抗を並列にして12[V]の電池につないだ。各抵抗に流れる電流を求めよ。

各水車の落差がポンプがくみ上げる高さに等しいと考えて

6[Ω]の抵抗に流れる電流は
12[V]=6[Ω]×(電流)
∴(電流)=2[A]

3[Ω]の抵抗に流れる電流は
12[V]=3[Ω]×(電流)
∴(電流)=4[A]

電流・電圧の勉強法

さまざまな電気回路を流れる電流を求める練習問題を繰り返して、オームの法則を正しく使いこなせるようになることが大切です。

直列回路、並列回路に正しくオームの法則を適用できるようになりましょう。

まとめ

  • 電流・電圧の問題は高校入試理科で頻出
  • 電気は目に見えず実感しづらい。しっかり学んで正確に理解したい
  • 「電流」「電圧」「抵抗」、オームの法則を理解する
  • 直列回路・並列回路に流れる電流を正しく求められるようにする
  • ポイントを押さえて練習問題を繰り返そう

 

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監修者|橋本拓磨

橋本拓磨

東京大学法学部を卒業。在学時から学習塾STRUXの立ち上げに関わり、教務主任として塾のカリキュラム開発を担当してきた。現在は塾長として学習塾STRUX・学習塾SUNゼミの運営を行っている。勉強を頑張っている学生に受験を通して成功体験を得て欲しいという思いから勉強効率や勉強法などを届けるWEBメディアの監修を務めている。

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