都立立川高校は独自問題が出題され、思考力が問われる記述式問題が多いのが特徴です。
進学指導重点校に指定されており、難関国公立大学に向けた教育制度が整っている教育レベルの高い高校になります。
この記事では、都立立川高校の入試の傾向と対策方法についてまとめています。
都立立川高校の基本情報
都立立川高校の偏差値は71であり、都内の高校の中でもトップクラスの学力を誇ります。
2003年から東京都教育委員会から進学指導重点校としても指定されており、毎年多くの難関国公立大学合格者を輩出している高校です。
進学指導重点校に指定されてから「立高アドバンス計画」と呼ばれる教育改革を行っています。
都立高で初の65分授業や、毎週ではありませんが土曜授業などを実施しており、都立高校の中でも一番多い週35時間の授業時間です。
また、1・2年生は理科全科目を全員共通履修や、文系選択でも数学の授業は3年間履修する必要があるなど、難関国立大学入試に向けた教育体制になっています。
大学進学を目指す上でかなり質の高い教育を受けられることが期待できるでしょう。
都立立川高校は自主自律の校風
都立立川高校は自主自律の精神を尊重しています。
それゆえに自由な校風であり、合唱祭・体育祭・演劇コンクール・文化祭などの学校行事や部活動は生徒が自発的に取り組んでいます。
なので、勉強と部活動、課外活動に積極的な生徒が多いのが特徴です。
また、制服がない私服校としても知られています。
都立立川高校の進学実績
都立立川高校の2020年度進学実績は以下の通りです。
毎年国公立大学に70人前後が進学しており、上智大学や早慶など最難関私立に関しては年度によって100人以上合格した時もあります。
2020年度
旧帝大+一工:33人
その他国公立:32人
難関私立大学(早慶上理ICU):147人
都立立川高校のホームページにも過去の進学実績の掲載はあるのでこちらも参考にしてください。
都立立川高校の入試の仕組みと内申・受験の目標点数
都立立川高校を目指すためには、まずは入試の仕組みから知る必要があります。
内申・受験の目標点数を知ることで合格するために必要な基準を把握しましょう。
入試制度
都立立川高校の受験科目は、国語・数学・英語・社会・理科の5教科です。
5教科の内、国語・数学・英語(リスニングを除く)は都立立川高校で作られた独自問題が出題されます。
一方、英語(リスニング)・社会・理科については都立高校の共通問題が出題されます。
独自問題の配点
独自問題である国数英の配点は以下の通りです。
国語
大問1:漢字の読み(全10点:5問)
大問2:漢字の書き取り(全10点:5問)
大問3:物語文(全24点:6問)
大問4:論説文(全36点:6問)
大問5:現古融合文(全20点:5問)
数学
大問1:小問集合(全25点:5問)
大問2:関数(全25点:4問)
大問3:平面図形(全25点:3問)
大問4:立体図形(全25点:3問)
英語
大問2:対話文(全40点:8問)
大問3:物語文(全40点:8問)
※大問1は共通問題のために省略
都立立川高校合格に必要な目標点のめやす
都立立川高校に合格するためには各科目ごとにどれくらい点数を取ればいいのでしょうか?配点や選抜方法も交えて解説します。
配点
都立立川高校入試の検査は、学力検査(700点)+調査書の得点(300点)を足した1000点満点で評価されます。
調査書の得点は、以下のように300点満点に換算しています。
(国語・数学・英語・社会・理科)×1
+
(技家+体育+音楽+美術)×2
上記をもとに総合得点の高い順に合格者を選抜します。
独自問題が出題される国語・数学・英語(リスニングを除く)の平均点は以下の通りです。
年度 | 国語 | 数学 | 英語 |
令和2年度 | 53.9 | 46.3 | 66.8 |
31年度 | 60.9 | 46.3 | 65.1 |
30年度 | 61.6 | 50.7 | 65.2 |
29年度 | 68.9 | 57.0 | 57.1 |
28年度 | 75.1 | 62.0 | 56.7 |
都立立川高校の一般入試の倍率は平均1.7倍で、年度によっては2倍近くになる時もあります。
必要な内申点は42以上で、合格確実圏は44以上になります。
都立立川高校合格に必要な目標点の目安
志望校に向けて対策する上で重要なのは、各科目それぞれの目標点と目標の内申点を把握することです。
ここからは、都立立川高校の各科目の目標点の目安と合格するために必要な内申点を把握しましょう。
内申点
まずは都立立川高校を合格するために必要な内申点を把握しましょう。
高校入試における学力検査と内申点の比率は以下の通りです。
学力検査:内申点=7:3
学力検査と内申点は以下の計算法で算出します。
学力検査
「1科目100点×5科目=500点満点」
次にこれを700点満点に換算します。
内申点
「(5科目×5段階)+(実技4科目×5段階×2)=65点満点」
内申点は中3の2学期が対象になります。
これを300点満点に換算します。
また、都立高校入試では、9教科の内申点を全て足した「素内申」よりも、65点満点に換算した「換算内申」が重要になります。
なので、受験科目ではない4科目も普段の授業から力を入れて対策する必要があります。
換算内申に関しては以下から詳しく確認してみてください。
リンク
内申も考慮した本番の目標点
都立立川高校の合格最低ラインの内申点は「57点」です。
ただし、あくまでも最低ラインなので、57点をとったとしても確実に合格できるわけではありません。余裕を持って60点以上を目指しましょう。
仮に60点の換算点を取った場合、都立立川高校の学力検査ではどれくらいの点数を取ればいいのでしょうか?
都立立川高校の合格最低ラインは、約750点/1,000点換算と言われています。この点数を基準に目標を考えます。
まず、換算内申の60点を300点満点に換算しましょつ。
60/65×300=約276点
都立立川高校の合格最低ラインは約750点/1,000点満点です。ここから上記の276点を引きます。
750ー276=474点
この474点は700点満点換算になっています。ここから500点満点に直しましょう。
X/500×700=474
X=約340
上記の計算から合格最低ラインは「約340点」くらいになります。1科目あたり「約68点」を目安に勉強する必要があります。
ただし、この数字は内申点がかなり高かった場合です。なかなかここまでの内申点がもらえないので注意してください。
なので、実際に目標を設定する時は合格最低ラインの750点に対して「1.05〜1.1倍した点数」を目標にしましょう。
これで内申点が60点よりも多少低かったとしても余裕を持って臨むことができます。
さっそく合格最低ラインの750点を1.1倍しましょう。
750×1.1=825点
次に目標点数を割り出すために先程の計算式を使います。
825-276=549
X/500×700=549
X=約392
都立立川高校に合格するために設定する目標点数は「約392点」になります。1科目につき「約78点」取る必要がありますね。
都立立川高校入試・各科目の対策と勉強法
ここからは都立立川高校入試の各科目ごとの対策と勉強法について紹介します。
都立立川高校対策のための勉強スケジュール
国語・数学・英語(リスニングを除く)は独自問題が出題されるため、まずはここを優先的に勉強しましょう。
具体的なスケジュールとしては、受験科目の5教科の基礎的な範囲を夏までに終わらせて、夏休みは問題演習を中心に解き、秋からは過去問を中心に取り組めるといいでしょう。
都立立川高校入試の出題範囲は中学校の授業で学ぶ内容のため、発展的な知識を問われる問題はあまり出ません。
しかし、独自問題は思考力、判断力、応用力、表現力が重視されるので、共通問題と比べると記述式の問題が多くなります。
そのため、都立立川高校入試の過去問だけではなく、記述式問題が多い問題集に取り組んだり、他の私立高校の過去問も解いておくといいでしょう。
都立立川高校英語の傾向・対策と勉強法
英語の独自問題の制限時間は50分のため共通問題と同じです。
しかし、長文問題の単語数や文量多いため、スピーディかつ正確に英長文を読み取る力が必要です。
長文問題では難解な文法や構文はあまり使われないため、基本的には教科書レベルで学ぶ内容を押されていれば問題なく解けます。
ただし、英単語自体が理解できなかったり、長文を読み解くのに時間がかかってしまっては、時間が足りなくなって本来解けるような問題も解けなくなります。
長文問題を正確に読むためにもまずは英単語・英文法を完璧にするところから始めましょう。
夏までにある程度基礎を固めたら、実際に長文問題を問題集などで解いてみましょう。
長文問題の実力をつけるには一定以上の問題数は解く必要があります。夏休みの長期休みを利用して多くの問題を解いてみましょう。
https://kokojuken.com/blog/sc-tachikawa-en-about/
都立立川高校数学の傾向・対策と勉強法
令和2年度からは大問2の問題数が1問増えたために配点に変化がありました。
しかし基本的な大問の構成は例年通りでしたので、出題傾向に大きな変化があったわけではありません。
大問は4つ出題されており、大問2~4にはそれぞれ1つずつ計算過程を記入させる記述式問題が出題されます。
そのために時間配分を間違えてしまうと制限時間以内に解ききれない恐れがあるため、計算過程を簡略化したり解く順番には気をつけましょう。
例えば、大問1の小問集合はなるべく早めに終わらせるなどです。
難しい問題に悩んでしまったら一旦その問題は飛ばして、解ける問題からスピーディに解きましょう。
また、夏休みからは過去問や問題集などで時間配分を気をつけながら制限時間以内に解く練習もしてください。
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都立立川高校国語の傾向・対策と勉強法
漢字問題については中学校で習う基礎的な範囲が出題されるので、ここは確実に得点に繋げられるようにしてください。
夏前には漢字の知識を一通り押さえて、夏休みからは問題集や過去問に記載されている漢字問題を通して実践的な対策をしましょう。 傾向としては間違いやすい漢字の問題や、四文字熟語は必ず1問出題されるためにそこも押さえてください。
また、大問4の論説文では、毎年1~2問の200文字以内の記述式問題が出題されます。
記述式問題の目安の回答時間としては10分以内に解くことを目標にしてください。
しかし、問題を解けるようになるためにはある程度の問題数をこなす必要があるため、短期的に点数が上がる科目ではありません。
なので、中学3年生の夏までには参考書で読解問題の解き方や基礎知識を身に付け、夏以降は問題演習を中心に対策しましょう。
https://kokojuken.com/blog/sc-tachikawa-ja-about/
都立立川高校理科の傾向・対策と勉強法
理科と社会は共通問題の得点が反映されます。そのため、この2教科のみ共通問題向けの対策が必要になるのです。
理科は各年度によって配点比率にバラツキがあるため、各分野のどの問題が重要になるかはわかりません。
なので、苦手分野を作らずに、地学・生物・化学・物理のどの分野の問題が出題されても対応できるようにしましょう。
理科の問題は参考書などで知識を身につけても、問題を解けるようになるためには慣れが必要な分野です。
そのため、中学校1〜2年生のうちに知識の土台は作っておき、中学3年生からは問題集や過去問メインで学習してください。
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都立立川高校社会の傾向・対策と勉強法
社会は6つの大問分かれており、出題分野は世界地理、日本地理、歴史、公民になります。社会の全問題の配点は一律5点です。
社会は覚える知識も多いですが、問題文に出てくる「資料を読み取る力」も重要になります。
そのため、実際に問題を解いてみないと、資料のどんな内容が重視されるかわからないため、一定以上の問題数は解く必要があります。
知識のインプットは中学3年生の春までには終わらせ、夏休みなどの長期休みを利用して問題演習を繰り返しましょう。
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まとめ
都立立川高校の独自問題は文章量が多く記述式の問題が多いため、思考力が問われる内容が多いです。
しかし、出題される知識は標準レベルが多いため、中学生で学ぶ範囲を網羅的に押さえた上で記述式の問題に慣れておけば問題ありません。
上記の出題傾向や選抜方法に合わせて効率良い勉強をしましょう。