高校入試理科の地学分野で、出題頻度が高い天体。
しかし、「天体の分野が分からない」「天体で出てくる惑星や恒星が想像できない」と悩む人も多くいるのではないでしょうか。
そこで今回は、高校入試天体の傾向と対策について紹介します。また、入試直前期にすべきことについても解説しているので、「入試まで時間がないのに天体が全然理解できない…!」と焦っている人にもおすすめです。
天体とは
そもそも天体とは何のことをいうか知っていますか。
天体とは「宇宙空間にある物体」のことです。
中学校で学習する天体の内容は、中学校学習指導要領によると以下の2つです。
- 「天体の動きと地球の自転」
・公転
・日周運動と自転
・年周運動と公転 - 「太陽系と恒星」
・太陽の様子
・惑星と恒星
・月や金星の運動と見え方
では、高校入試ではどのような問題が出題されるのかみていきましょう。
どのような問題が出題されるのか
どのような問題が出題されるのかについて、今回は東京都立高校入試を参考にみていきます。
令和2年度東京都立高校入試大問3
(出典)東京都教育委員会
【解説】
図3より、1時間に2.4cm進むことが分かります。よって、15時から9.6÷2.4=4時間後の19時が日の入りの時刻です。
故に、答えはウになります。
【解説】
北半球が夏至のとき、南半球は太陽が出る時間が1番短い時期になります。また、南半球では太陽は東→北→西と動きます。
よって、答えはエです。
【解答・解説】
太陽の光の当たる角度が地面に対して垂直に近いほど、同じ面積にうける太陽の光の量が多いから。
東京都教育委員会は採点のポイントとして以下の2つをあげています。
- 太陽の光の当たる角度について正しく書かれている。
- 同じ面積に受ける太陽の光の量について正しく書かれている。
部分点も生じる問題なので、分かるだけ解答しましょう。
【解説】
d=南中高度
c=90°‐南中高度
e=北緯(35.6°)
f=地軸の傾き(23.4°)
太陽の光を垂直に集めるためには、「水平(0°)のときは90°」に、「垂直(90°)のときは0°」にすればよいことを考えると、「90°-太陽高度」という関係にあることがわかります。
図8では、90-d=cの関係になります。
南中高度dは、90-35.6-23.4=31.0°
c=90-31.0=59.0°
どのように勉強をすればいいのか
では、天体はどのように勉強をすればいいのでしょう。
勉強方法について、3Stepで紹介します。
Step1 基礎知識を覚える
Step2 参考書で問題を解く
Step3 過去問を解く
それぞれステップごとに詳しくみていきましょう。
Step1基礎知識を覚える
まずは、基礎知識を覚えましょう。
天体で覚えておいてほしい基礎知識は以下になります。
- 星の動き(日周運動と年周運動)
- 太陽の動き(日周運動と年周運動)
- 時差計算
- 月の満ち欠けの原理
- 日食と月食
- 8つの惑星
- 金星・火星
【参考】
スタディサプリ地学分野
定期テストでも問われやすい問題なので、定期テストの対策と復習は確実に行いましょう。
図をかいて理解しよう
天体は知識の暗記だけではなく、立体感覚も必要になります。
しかし、この立体感覚がつかめずに苦労している人も多いでしょう。
その場合は、図を書いて仕組みを理解することをおすすめします。1人で理解しづらい場合は、学校の先生や塾の先生に質問等をして理解しましょう。
Step2参考書で問題を解く
次に参考書で問題を解きましょう。
インプットしたものをアウトプットすることは、知識定着のために大切です。
また、天体の分野は1つの知識では解けず、知識の組み合わせが必要になります。どの知識を組み合わせて解く必要があるのかは、実際に問題を解くことで理解できます。
さらに天体は中3の最後に習うため、多くの受験生が演習をこなせずに試験を迎えることが多いです。
このことを避けるためにも、中3までに今まで習った他の分野の復習をきちんとおこない、多くの時間を天体の問題演習にかけられるようにしましょう。
Step3過去問を解く
最後に過去問を解きましょう。
「天体」分野が毎年出題される自治体は珍しく、問題数が少ないので他の自治体の過去問も参考にしましょう。
過去問を解く際に、間違えた箇所は基礎から復習するようにしましょう。
先述した通り、中3の終わりに学習する範囲のため「時間がないから復習をしている暇はない!」と思う人もいるかもしれません。
しかし、基礎からきちんと理解することで、今後も活かせる知識になります。焦らず基礎から取り組みましょう。
直前だけど大丈夫!直前の天体対策!
「入試まで時間がないのに、天体が理解できない…!」と焦っている人も多いのではないでしょうか。
この章では、直前期の天体対策について紹介します。それは以下の3つです。
- 基礎知識を図解で覚える
- 出題されやすい問題を解く
- 過去問を解く
天体は難易度が高い分野ではありますが、きちんと理解をすれば十分に太刀打ちできます。最後まであきらめずに勉強しましょう。
では、それぞれについて詳しくみていきます。
基礎知識を図解で覚える
基礎知識を図解で覚えるようにしましょう。
まず、基礎知識とは、先述した通り以下のものです。
- 星の動き(日周運動と年周運動)
- 太陽の動き(日周運動と年周運動)
- 時差計算
- 月の満ち欠けの原理
- 日食と月食
- 8つの惑星
- 金星・火星
上記の基礎知識を覚えたら、次に図を書きましょう。
春分・秋分のときの日周運動の図は以下のようになります。
【参考】
啓林館
図は視覚的に理解をすることができるため、立体感覚が必要な天体には有効的です。
しかし「図なんて書けない…」と悩んでいる人もいるでしょう。
その場合は、参考書や教科書に載っているものを参考にして書いてみましょう。。
注意点としては、図を書くことを「目的」としないということです。あくまで、図は理解を助けるための「手段」です。
そのため、きれいに書くために時間をかけすぎることはないようにしてくださいね。
出題されやすい問題を解く
出題されやすい問題を参考書などで解きましょう。出題されやすい問題というのは、確実に対策しておきたい問題です。
出題されやすい天体の問題は以下の4つになります。
- 太陽と月の日周運動
- 月の満ち欠け
- 地球・月・太陽の位置関係
- 南中高度を求める
参考書で該当の問題から解き、確実に理解をしてくださいね。
過去問を解く
過去問をたくさん解きましょう。
直前期には参考書の中で、何よりも過去問が効果的です。なぜなら、実際に出題された問題を解くことで入試の出題傾向を把握できることに加え、自分の苦手も発見しやすいためです。
また、過去問は1回解いたら終わりではなく、何度も解きましょう。繰り返して確実に自分の知識にしてください。
注意点
最後に天体の分野に関しての注意点を述べます。
それは「時間配分に気を付けて問題を解く必要がある」ということです。
天体は難易度が高い問題が出題されやすいため、どこの自治体でも正答率が低い場合が多いです。
先述した通り、天体の問題を解くためには一問一答の知識だけではなく、立体感覚を理解しなくてはならないため正答率は低くなります。
もし天体の問題が出題された場合には、試験全体の時間配分を考えて解くようにしてくださいね。
まとめ
天体は、一問一答の知識だけではなく立体感覚も必要になるため、苦手意識を感じている人も多いと思います。
そのため、天体の勉強法についてもう一度確認しておきます。
Step1 基礎知識を覚える
Step2 参考書で問題を解く
Step3 過去問を解く
注意点にあげたように、天体の問題は難易度が高く正答率も低い場合が多いので、試験全体の時間配分には気を付けて解きましょう。