中学理科で最初に習う単元の、これまた最初に出てくる「おしべ・めしべ」。
用語がたくさん出てきて戸惑ってしまうかもしれませんが、ここでつまずくと理科がキライになりかねません。
でもポイントを整理しながら学んでいけば、理解するのはそう難しいことではありません。
この記事で、中学理科のスタートダッシュを切りましょう!
おしべ・めしべとは
おしべ・めしべとは、花の部位の名称です。
おしべは花弁の内側にある部位で、おしべの先にある小さな袋には花粉が入っています。
この花粉が入っている袋を「やく」といいます。
めしべはおしべよりも内側にある部位で、花のつくりの中で最も内側にあります。
めしべは上側から順に、柱頭・花柱・子房とはたらきによって分かれています。
おしべ・めしべを理解する上で覚えておきたいポイント!
概要がつかめたところで、ここからはおしべ・めしべを理解するために押さえておきたいポイントをご紹介します。
- まずは小学校理科の復習をしよう
- 花のつくりを見てみよう
- おしべのつくり
- めしべのつくり
- 関連ワードを一緒に理解しよう!
では、順番に見ていきましょう。
ポイント①まずは小学校理科の復習をしよう
小学校の理科で、次のようなことを習ったかと思います。
- 花にはおしべやめしべと呼ばれる部位がある。
- 花粉がめしべの先につくと、めしべのもとがふくらんで実になり、実の中には種子ができる。
これをより詳しく学んでいくのが、中学理科最初の単元です。
ポイント②花のつくりを見てみよう
花は、外側から内側に向かって次のような部位が並んで構成されています。
- がく
- 花弁
- おしべ
- めしべ
ポイント③おしべのつくり
では、おしべのつくりを詳しく見ていきましょう。
おしべの先の小さな袋を「やく」といいます。
「やく」の中には花粉が入っています。
ポイント④めしべのつくり
続いて、めしべのつくりを詳しく見ていきましょう。
めしべは、上の方から順に柱頭・花柱・子房と呼ばれる部位から成っています。
これらははたらきの違いによって区別されています。
花柱の先を柱頭といい、根元のふくらんだ部分を子房といいます。
さらに、子房の内側には小さな粒が入っています。
この子房の中にある小さな粒を「胚珠」といいます。
ポイント⑤関連ワードを一緒に理解しよう!
さて、ここまでおしべ・めしべを構成する部位の名前を見てきましたね。
ここでは学んできた用語に関連する用語を解説していきます。
おしべ・めしべの各部位が説明に使われている理科の用語には、次のようなものがあります。
- 受粉
- 果実
- 種子
ここまで学んだ用語を使って、小学校で習った内容を中学生らしく言い直してみましょう!
花にはおしべやめしべと呼ばれる部位がある。
→おしべの先には花粉が入っている「やく」という小さな袋がある。
花粉が柱頭につくことで受粉する。
→受粉すると子房がふくらんで果実になり、子房の中の胚珠が種子となる。
さらに、これらの用語はこの後習う「植物の分類(種類)」を理解するために欠かせません。
植物の分類は高校入試でもよく出題される分野です。
そこの理解をスムーズにするためにも、おしべ・めしべに関する用語はきちんと押さえておきましょう。
また、この記事を読んでしっかり理解できた!という方は、こちらの記事で「植物の種類」について学んでさらにリードしてみてくださいね。
実際にどのような問題が出題されるのか?
それでは実際の入試問題を解いてみましょう。
以下の問題は、平成31年度都立高校入試の大問4から抜粋したものです。
“植物のつくりの観察について次の問に答えよ。
<観察1>を行ったところ、<結果1>のようになった。
<観察1>
花壇にエンドウの種子をまいて育て、花が咲いてから種子ができるまでを観察した。
(1)エンドウの花を図1のようにカッターナイフで切り、花の断面をルーペで観察した。
(2)(1)とは別の花の子房が果実になった後、果実を図2のようにカッターナイフで切り、果実の断面をルーペで観察した。
<結果1>
(1)図3は、<観察1>の(1)の花の断面をスケッチしたものである。子房の中には、小さな粒が見られた。
(2)図4は、<観察1>の(2)の果実の断面をスケッチしたものである。果実の中には、小さな粒が成長してできた種子が見られた。
では、早速解いていきましょう。
まず、図3の小さな粒の名称を考えていきましょう。
これは子房の中に見られたものと書かれています。
子房はめしべの根元部分のことなので、おしべの先端の小さな袋である「やく」は合致しません。
子房の中にあるのは「胚珠」です。
ここで、答えはウかエに絞られます。
続いては「植物の種類」の知識が必要になるのですが、胚珠が子房の中にあるのは被子植物なので、サクラやツツジのような植物です。
よって、答えはエです。
おしべ・めしべの勉強方法について
問題の感覚がつかめたところで、勉強方法をまとめましょう。
図と照らし合わせて覚えよう
用語だけで丸暗記しようとするよりも、図と照らし合わせて覚えることで記憶に定着しやすくなります。
図を見て部位の名称が言えるようになったら、次は自分で図を描いてみましょう。
なにも見ないで花のつくりの図と各部位の名称が書けるようになれば完璧です!
おしべ・めしべの直前対策法!
それでは具体的に、おしべ・めしべの直前対策としてどのようなことに取り組めば良いのでしょうか?
関連ワードと合わせて確認する!
ポイント⑤でお伝えしたように、おしべ・めしべに関する用語はその後に習う内容を説明するために使われます。
入試では関連ワードと共に出てくることが多いため、そうした用語と合わせて間違いなく覚えられているか確認しておきましょう。
まとめ
おしべ・めしべは植物の生態や分類を学ぶ上で最初に身に付けておきたい知識です。
定期テストで名称が問われるのはもちろんのこと、おしべ・めしべに関する用語を理解している前提の問題が入試でも出題されます。
植物の分類といったこの後習う内容を説明するのに必須の用語ですので、きちんと頭に入れてその後の勉強をスムーズにしましょう!