都立国立高校入試の国語問題では、漢字の読み書き問題に加え、文章問題が3問出題されます。
文章問題は文量が多く、問題文を素早く読んで制限時間内に問題を解くことが重要です。そのために都立国立高校の傾向に合わせて勉強する必要があります。
この記事では、都立国立高校向けの国語独自問題の傾向と対策についてご紹介します。
都立国立高校入試(国語)の傾向分析
都立国立高校入試の国語について、問題の構成と出題傾向、難易度等をまとめました。
都立国立高校入試(国語)の大問構成と出題範囲
都立国立高校の大問構成は以下の通りです。
大問1:漢字の読み取り(全10点)
大問2:漢字の書き取り(全10点)
大問3:文章問題 文学的文章(全24点)
大問4:文章問題 説明的文章(全36点 ※作文12点)
大問5:文章問題 古文を含んだ文章(全20点)
例年、漢字の読み書きに加え、文章問題が3問出題されています。
それでは、各大問の詳細を見ていきましょう。
大問1:漢字の読み取り(全10点)
漢字の読み取りでは、2点の問題が合計5問出題されます。
難易度はやや難しく、漢検の3級程度の問題に加えて準2級レベルの問題も出題されます。
漢字は普段から隙間時間を活用して勉強しましょう。漢検の3級~準2級を持っていると、自信をもって漢字問題に取り組めます。
大問2:漢字の書き取り(全10点)
漢字の書き取りでは、2点の問題が合計5問出題されます。
難易度は漢字の読み取りと同様で、やや難しい問題も出題されます。
漢字の読み書きについては、できない問題は考えすぎず読解問題に時間を使うようにしましょう。
大問3:文章問題 文学的文章(全22〜26点)
文学的文章では「小説」や「随筆」などが出題されます。
都立国立高校の国語の記述問題は、全般的に「選択問題」が多い傾向にあります。
文学的文章の選択問題は、
- 本文中の一文に対する適切な解説の選択
- 登場人物の行動の理由やその時の心情の選択
- 本文の全体的な特徴の選択
などがあります。
選択問題に加え「本文中の言葉を抜き出す問題」や「記述問題」も出題されますが、文章も読みやすく標準的な問題が多いので、ここではしっかりと得点しましょう。
登場人物の心情の変化を抑えつつ、丁寧に文章を読み進めていくことが重要です。
大問4:文章問題 説明的文章(全30〜36点)
説明的文章では、「説明文」や「論説文」が出題されます。
ここでは読みごたえのある長い文章が出題されやすいです。
選択問題は標準的な問題が多いですが、最後に200字程度の作文問題もあり、ボリュームのある大問になっています。
説明的文章の選択問題として、
- 本文の一文の正しい解釈の選択
- 筆者の正しい意図を示した文の選択
- 本文の全体的な構成や内容の選択
などがあります。
説明的文章は苦手な受験生が多いと思います。しかし、都立国立高校の問題は文章量は多いものの、しっかりと対策をすれば高得点を狙えます。
そのため、説明的文章では「過去問や参考書などで多くの説明的文章に慣れること」「国語便覧などで語彙力をつけること」などの対策をし、標準的な問題を確実に得点できるようにしましょう。
また、この章では例年、文章で述べられたテーマについて受験生の考えを述べる200字程度の作文問題が出題されています。
ここでは自分の意見を述べる必要があるため、しっかりと対策をしましょう。
大問5:文章問題 古文を含んだ文章(全20〜25点)
古文を含んだ文章問題では、「詩」「短歌」「漢文」などに、その対訳や評論が付いた文章が出題されます。
また、都立国立高校の古文問題では、難問が出題される場合もあります。
そのため「古文を含んだ難しめの文章問題の演習をする」などの対策をしておくと良いでしょう。
古文については、語彙や文法、古典の知識が問われる問題も出題されることがあります。
漢字と比べると覚える量は少ないですが、しっかりと対策をしましょう。
都立国立高校入試(国語)の難易度
標準的な選択問題が多いですが、文章量が多いことが特徴です。
「短時間で本文を読み問題を確実に解く」ことが必要ですので、難易度は高めといえるでしょう。
都立国立高校入試(国語)解答の際の時間配分
都立国立高校の入試の国語の制限時間は50分です。解答の際の時間配分ですが、以下の配分と順番で解くことをオススメします。
大問1:漢字の読み取り(1分)
大問2:漢字の書き取り(1分)
大問3:文章問題 文学的文章(10分程度)
大問5:文章問題 古文を含んだ文章(15分程度)
大問4:文章問題 説明的文章(15分程度)※作文に5分を想定
漢字の読み書き問題は短時間で解き、文章問題に時間を使いましょう。
文章問題では、比較的解きやすい大問3から解くことがおすすめです。大問3を終えたら、大問4をスキップして大問5を解き始めましょう。
ただし、大問3・5で時間をかけすぎないように注意が必要です。分からない問題は後にまわしましょう。
ここまでで20分程度の時間が残っていると、安心して最後の問題に取り組めます。
作文問題のある大問4は、最後に集中して解きましょう。
都立国立高校入試(国語)の対策と勉強法
ここでは、都立国立高校の国語の対策と勉強法についてご紹介します。
時期に応じて勉強方法が変わってきますので、参考にしてください。早い時期から文章に読み慣れておくことがポイントです。
中3の夏前までにやるべき対策
漢字の読み書き問題は必ず出題されるため、定期的に対策をしておきましょう。
受験や模試の直前にまとめて覚えようとしても、量が多いためなかなか得点には繋がりません。継続して地道に勉強することが大事です。
具体的には、まずは学校の小テストで満点を取ることを目指し、こつこつ勉強する癖をつけましょう。
漢字の読み書きは少ない時間で勉強できるため、休み時間や通学時間などの隙間時間を使って効率的に勉強するのがおすすめです。
可能であれば、余裕のあるこの時期に漢字検定の3級〜準2級を取得しておきましょう。
漢検は合格すると立派な合格証明書がもらえます。そのため、漢字の読み書きの知識がつくだけでなく、受験勉強へのモチベーションアップにも繋がります。
古文については「国語便覧」を活用することをおすすめします。学校で古文が取り上げられた時には、教科書だけでなく国語便覧で関連した知識をつけることがおすすめです。
都立国立高校の国語の独自問題は文章量が多いため、「速読力」を上げる事も大事です。
まずは時間のあるこの時期に本や新聞などを読んで、長い文章を読み慣れておくと効果的です。
中3の夏休みにやるべき対策
夏休みは問題演習を中心に取り組みましょう。
まずは、「文学的文章・説明的文章・古文」について、偏りなく解きましょう。
そこで弱点を把握したら、苦手な問題を中心的に解いていきます。
都立国立高校入試では文章量の多い問題が出題されますので、文章を読むスピードを意識して、なるべく多くの問題を解くと良いでしょう。
作文問題は、この時期から自分の意見を書くことに慣れておきましょう。
作文問題は自己採点が難しいですので、学校や塾の先生に見てもらうのがオススメです。
第三者の客観的な視点が入ることで、自分では気づかない「文章のクセ」や「文法の間違い」に気づき、効率よく上達できます。
中3の秋に取り組むべき対策
夏休み明けからは、問題演習だけでなく過去問に取り組みましょう。
過去2~3年だけでなく、10年以上前の問題までしっかりと解くことが重要です。
本番の時間を意識して解くことを忘れないでください。
過去問は採点した後に解説を見ず、解きっぱなしになりがちです。しかし、自分の苦手を把握して対策をするためにも、しっかりと復習をすることが大切です。
中3冬・受験直前期に取り組むべき対策
この時期は過去問の総復習してください。今まで取り組んできた問題の中で、間違えた問題を中心に復習しましょう。
また、冬は気温の変化にともない体調不良になりやすいです。「手洗いうがい」など、家族で協力して体調管理に気をつけましょう。
まとめ
都立国立高校入試の国語問題は文章量が多いことが特徴的です。長い文章を素早く読み、時間内に問題を解く必要があります。
成績を上げるためには、問題演習を繰り返すことに加え、時間のあるときは新聞を読んだり読書をして文章に読みなれておくことも効果的です。
国語はすぐに結果につながりにくい科目ですが、諦めずに粘り強く勉強を続けましょう。