高校入試の理科の地学分野においてよく出るのが「火成岩に関する問題」です。
火成岩の種類と特徴の覚え分けが難しく、間違えた知識を混合して覚えてしまいがちなので、苦手な方も中にはいるでしょう。
しかし、火成岩に関する問題の傾向はある程度決まっているため、押さえるべきポイントを把握していればすぐに火成岩の問題を解けるようになります。
この記事では火成岩の問題の傾向と対策方法について紹介します。
高校入試の火成岩に関する問題の出題傾向
火成岩とはマグマが固まってできた岩石のことです。例えば東京都立高校の入試では、火成岩に関する問題は地学分野でほぼ毎年出ています。
問題を解くには火成岩の特徴を理解する必要があります。
以下は2016年の都立高校入試に実際出た問題です。
”図1は、ある岩石の表面を双眼実体顕微鏡で観察し、スケッチしたものである。図1から、観察した岩石のでき方を述べたものとして適切なのは次のうちではどれか。
ア 生物の死骸(遺骸)などが湖底や海底に堆積して固まってできた。
イ マグマが地下の深いところでゆっくり冷えて固まってできた。
ウ マグマが地表や地表の近くで急激に冷えて固まってできた。
エ「火山灰や軽石などの火山噴出物が堆積して固まってできた。”
アは石灰岩、イは深成岩、ウは火山岩の特徴、エは凝灰岩の特徴を表しています。
上記は火成岩のそれぞれの種類の特徴を覚えていれば問題なく解けます。たとえ全部わかっていなくても消去法で答えを導き出せるので、火成岩の種類と特徴は覚えておきましょう。
また、2020年度の入試では以下のような問題が出ました。
”図2は、ある火成岩をルーペで観察したスケッチである。観察した火成岩は有色鉱物の割合が多く、黄緑色で不思議な形の有色鉱物Aが見られた。観察した火成岩の種類の名称と、有色鉱物Aの名称を組み合わせたものとして適切なのは、次の表のア〜エのうちではどれか。”
観察した火成岩の種類の名称 | 有色鉱物Aの名称 | |
ア | はんれい岩 | 石英 |
イ | はんれい岩 | カンラン石 |
ウ | 玄武岩 | 石英 |
エ | 玄武岩 | カンラン石 |
答えはエですが、このように鉱物の特徴など問題文のわずかな情報をもとに解答させる問題も出題されます。有色鉱物と無色鉱物の違いも押さえておきましょう。
火成岩に関する問題を対策する時に注意するべきこと
ここからは火成岩には関する問題で間違えやすい問題や「ここは押さえるべき」というポイントを紹介します。
火成岩の組織で見極められるようになろう!
「火成岩をルーペで観察した時に見える組織をもとに火成岩の種類を解答させる問題」にも対応できるようにしましょう。
火山岩の組織は斑状組織と呼ばれています。斑状組織は2つの部分から成り立ち、地下でゆっくり冷えて固まった結晶を「斑晶」といいます。
一方、地表付近で急激に冷やされたために結晶になれなかった部分を「石基」といいます。ここも押さえてください。
深成岩の組織は等粒状組織と呼ばれています。ゆっくり冷えて固まった結晶が隙間なくぎっしり詰まっています。
火山岩と深成岩の違いを正確に押さえよう
火成岩は大きく2つに分かれます。
地表付近で急激に冷えてマグマが固まったものを火山岩、地下深くでゆっくり冷えてマグマが固まったものを深成岩と呼びます。
間違えて覚えてしまいがちなので、それぞれの特徴を理解した上で分けて覚えましょう。
よく出る火成岩の種類についてはこの後詳しくまとめています。
よく出る火成岩の種類
ここからはよく出る火成岩(火山岩・深成岩)の種類と特徴を紹介します。
火山岩 | 流紋岩 | 安山岩 | 玄武岩 |
深成岩 | 花こう岩 | せん緑岩 | 斑れい岩 |
マグマの粘り気 | 強い | ⇔ | 弱い |
鉱物の色 | 無色鉱物(白) | ⇔ | 有色鉱物(黒) |
また、主要な有色鉱物と無色鉱物についても覚えましょう。
有色鉱物:黒雲母・黒閃石・輝石・カンラン石
無色鉱物:石英・長石
長石はすべての火成岩に含まれています。
火成岩の覚え方
火成岩は語呂合わせが覚えるのが暗記しやすいです。一番有名な語呂合わせは「しんかんせんはかりあげ」ですね。
このように図の左上から順番に語呂合わせで暗記しましょう。
直前期の火成岩に関する問題の対策
下記にて直前期の火成岩に関する問題の対策方法は、火山岩・深成岩の種類と特徴を暗記しましょう。
「鉱物や組織などの特徴をもとに火成岩の種類を解答させる問題」はよく出ます。勉強時間がない直前期は、上記の図を押さえておけばある程度の問題に対応できます。
ここまでで紹介した火成岩(火山岩・深成岩)の種類と特徴は必ず押さえておきましょう。
まとめ
火成岩に関する問題は都立高校入試においてよく出題されます。
火成岩は暗記しようとしても混合して覚えがちですが、種類自体はそこまで多くないために一度覚えてしまえば得点源になりえます。
上記の図と語呂合わせで覚えることで正確に火成岩の種類と特徴を押さえましょう。