私立明治学院高校の国語入試では、文章量の多い長文を読み切る力が必要です。
単純な「速読」に加えて、内容を設問に合わせて「読み解く力」を身につけなければいけません。
同時に見落としてはいけないのが文法や熟語の成り立ちと言った「国語的な知識」。こちらも入試本番までに地道に積み重ねていきたいところです。
ここではそんな明治学院高校の国語入試について傾向と対策をご紹介します。
私立明治学院高校入試国語の傾向分析
明治学院高校の国語入試は、大問が3つで構成されています。
それではそれぞれの大問の構成、出題内容、難易度などを見てみましょう。
私立明治学院高校入試国語の大問構成と出題範囲
明治学院高校の国語入試は、次の大問と内容で構成されています。
- 大問一 説明文
- 大問二 論説文
- 大問三 小説
構成は大問が3つです。近年はこの構成で変化は見られませんが、2017年と2014年には大問一の説明文が論説文に、2015年には大問二の論説文が随筆に変わっています。
解答の数は全部で30~40問。各大問で小問が10問前後出題されています。また、基本的に「古文」「漢文」は出題されません。
それでは各大問の出題内容について詳しく見てみましょう。
大問一 説明文
設問には、「空所補充」「内容一致」「文法」「文節の関係」などがあります。
文章の内容自体は理解しやすく、そこまで難しいものは出題されていません。空所時補充などの問題は解答するにあたっても、文脈から答えを推測できるものも多いです。
ただ、時間内に効率的に解いていくためには、高い語彙力をあらかじめ持っている方がスムーズ。他の受験生との差をつけられます。
大問二 論説文
こちらも内容自体を理解するのに苦労することはないでしょう。
一方で設問は様々な種類のものがありますが、ひねったような設問はなく、普段から問題集などを解いていれば見たことのあるような問いが並びます。
例えば「空所補充」「換言選択」「内容一致」などこれらは選択肢式。他に「熟語の成り立ち」や「口語文法」等の問題も出題されています。
大問三 小説
基本的に難しい内容ではありません。ただ、扱われる小説によっては時代背景などの影響で馴染みのない語句が多くなり、読みづらさを感じることがあるかもしれません。
「心情説明」「状況説明」の選択問題などがあります。こうした小説に特徴的な設問が出題される一方で、「表現技法」「慣用句」などの国語的知識を求められる問題も出題されます。
ちなみに「漢字の書き取り」はいずれかの大問の中で出題されます。正解しやすい問題も出ますが、少々難易度の高い漢字が出題されることもあり対策が必要です。
私立明治学院高校入試国語の難易度
年度によって増減はありますが、出題された全ての文章を合わせると7,000~10,000字弱になります。これはかなり文章量が多いため「速読」の力が必須です。
もちろん単に速く読むだけではなく、設問を意識し必要な情報を拾いながら読む「情報処理能力」が必要です。
速く読んで解くことが必須である一方で、小問の中に出てくる国語的な知識を問う問題も外せません。
「漢字の書き取り」はもちろんのこと、「熟語の成り立ち」「文法」「文節の関係」など、知っていなければ解けない問題も確実に拾っていきたいところです。
私立明治学院高校入試国語解答の際の時間配分
国語の試験時間は50分です。
試験の際には次の時間配分で解くことをおすすめします。
- 大問一 15分 長文読解
- 大問二 15分 短文の空所補充問題
- 大問三 15分 語句整序問題(&誤文訂正問題)
時間配分は合計すると45分。
年度によってどの大問に一番ボリュームがあるか違います。そのため、3つの大問全てに対してそれぞれ同じくらいの時間で解ききるつもりでいましょう。
そして残りの5分は一番ボリュームのあった大問に回したり、見直しの時間に充てたりしましょう。
私立明治学院高校入試国語の対策と勉強法
明治学院高校を志望することが決まっているなら、できるだけ早い段階から学習計画を組んでおきましょう。
中1・中2のうちにやっておきたい対策
中1・中2のうちは第一に学校の授業内容です。日々の授業や定期テストでの勉強をしっかりと復習し、国語の基礎を身につけてください。
また、国語は出題の範囲が広いのが特徴です。
「漢字」や「ことわざ」などは一朝一夕で身につくものではありません。中3になって焦って対策するとかなり時間がとられてしまいます。
そのため「漢字」や「ことわざ」といった国語的知識は中1・中2の早いうちからコツコツ身につけていきましょう。
明治学院高校の国語ではこうした国語的な知識の問題が多く出ます。漢字以外にも、「文法」「熟語の成り立ち」などが授業で扱われたら、取りこぼさないように頭に入れていきましょう。
中3の夏前までにやるべき対策
中3になったら今度は長文を読むことに慣れていきます。
明治学院高校で出題されるのは、「説明文」「論説文」「小説」です。
文章量が多いので速読が必要と書いていますが、一般的に言う「単に文章を速く読む」速読の方法だけが必要なわけではありません。国語の長文読解には速く読むことに加えて、それに必要な技術があります。
例えば説明文や論説文であれば、「段落の相互関係」や「筆者の主張」「結論」などを確認しながら読み進めなければいけません。
一方小説ならば「人間関係」「心情」「場面転換」などを確認しながら読みます。
たくさん読んでいけば、自分なりに線を引きながら読んだり、相関図を書いたりといった技術ができてきます。
まずはこの時期、問題集などを用いて長文をたくさん読む練習をしていきましょう。
中3の夏休みにやるべき対策
長文を読むことに慣れたら、次は本格的に問題演習に力を入れていきましょう。
実際に問題集等を使って、長文を読んで解く練習をします。一度明治学院高校の過去問を見てみて、同じくらいあるいはそれ以上のボリュームの文を探してみると良いです。
ここでは速く読み、速く解ききる意識が大切。
いかにボリュームのある文章を速く正確に読み解き、理解するかといった技術を上げていきましょう。
中3の秋に取り組むべき対策
この時期には実際に過去問で入試を体験してみましょう。
解くときには必ず本番と同じように時間を計り、本番と同じように時間配分をし、その時間内に解ききれるかを試してみてください。
できるだけ早めに過去問を解いておくことで、この先勉強するべきことがさらに明確になります。
中3冬・受験直前期に取り組むべき対策
入試直前にも過去問研究は続けましょう。
すでに解いた問題であっても、解答を導き出すまでの解説を自分の頭の中でなぞり、同じように答えまでたどり着けるかどうか確認してみます。
もちろん、文法やことわざなどの国語的知識も、忘れているものがあればその都度頭に入れ直していきましょう。
この時期にはこうした今までやってきたことの復習を中心にしていきます。
まとめ
国語の勉強は直前にやり始めても、結果としてすぐに出てくれません。受験でしっかりと結果につなげるためには早い段階からの地道な勉強が必要です。
特に長文を読む力を身につけるのには訓練が必要。訓練を積み重ねることで国語の解答力は確実についていきます。
単元などにとらわれず、長い目で入試までの学習計画を考えてみてください。