毎日ニュースで耳にする「経済」。
なんとなくのイメージはあっても、いざ説明しろと言われると難しいですよね。
この記事では「経済」についてしっかり理解できるよう、具体例を挙げながら解説していきます。
経済とは
経済とは「わたしたちが豊かな暮らしを営むために必要なしくみ」のことです。
経済とひとくちに言っても、身近な買い物から世界全体の経済までスケールはさまざまです。
この記事では身近なところから順番に、次のようなポイントに分けて解説していきます。
- 資本主義経済
- 市場経済
- 国の経済(財政)
- 世界の経済
では、ひとつずつ見ていきましょう。
資本主義経済
例えば、コンビニでプリンを買うとしましょう。
何気なく思えるこの行動も「経済活動」の1つです。
- ほしいものを選択する
- お財布の中身(収入)と相談する
- そのためのお金(賃金)を労働によって得る
- プリンを作る人がいる
- プリンの原材料を作る人がいる
- 作ったプリンをお店に届ける人がいる(流通)
- お店の人が売ってくれる
このように、プリンひとつ買うだけでも、たくさんの経済活動によって支えられているのです。
こうした経済活動の中で、商品やサービスを生産している組織があります。
この組織は「企業」と呼ばれ、「資本」と呼ばれる資金をもとに「利潤」を得ることを目的として商品やサービスなどを生産しています。
そして企業の活動によって進められる経済を「資本主義経済」といいます。
市場経済
資本主義経済では、いろんな企業が生産した商品やサービスが、流通によって消費者の手元まで行き渡ります。
こうした流通の過程では、必ず売り買いをともないます。
この売り買いの場を市場(しじょう)と言います。
例えば、私たちがプリンを買う時に直接原材料の卵や牛乳の代金を支払うことはありませんね。
でも、原材料を加工してプリンをつくる企業が、原材料を生産する企業から購入しているのです。
このようにさまざまな市場が社会のすみずみにまで張り巡らされている経済のことを「市場経済」といいます。
国の経済(財政)
さて、市場経済では流通の過程で必ず売り買いが行われることを学びました。
ではその売り買いに使われるお金(貨幣)は誰がつくっているのでしょうか?
それは、各国の中央銀行です。
日本の貨幣の場合は、日本の中央銀行である日本銀行が貨幣を発行しています。
ここまでくると、経済活動のスケールがプリンの購入から日本全体まで広がっていますね。
国や地方公共団体など、政府の経済活動のことを「財政」といいます。
財政を行うのは政府なので、毎年国として使うお金の額(予算)は国会が決めています。
財政によって、市場経済だけではまかないきれない社会保障・福祉・公共サービスなどが消費者に届きます。
企業は消費者が支払う対価を資本にして商品やサービスを生産していますが、財政の場合、国民が納める税金が資本にあたります。
世界の経済
経済のスケールが国レベルになったら、次はいよいよ世界です。
国によって経済の仕組みはさまざまですが、各国の経済動向によって世界経済は日々変動しています。
そうした変化に対応しながら他の国と経済取引を行うため、為替(かわせ)という考え方が使われています。
こちらについては「円高円安」の記事で解説していますので、そちらもぜひ読んでみてください。
実際に経済の入試問題を解いてみよう
それでは実際の入試問題を解いてみましょう。
以下の問題は、令和2年度都立高校入試の大問5から抜粋したものです。
“次の文章を読み、あとの問に答えよ。
我が国の行政の役割は、国会で決めた法律や予算に基づいて、政策を実施することである。
行政の各部門を指揮・監督する内閣は、内閣総理大臣と国務大臣によって構成され、国会に対し、連帯して責任を負う議院内閣制をとっている。
行政は、人々が安心して暮らせるよう、社会を支える基本的な仕組みを整え、資源配分や経済の安定化などの機能を果たしている。
その費用は、主に国民から納められた税金により賄われ、年を追うごとに財政規模は拡大している。
[問3]
「社会を支える基本的な仕組みを整え、資源配分や経済の安定化などの機能を果たしている。」とあるが、次の文章は、行政が担う役割について述べたものである。
この行政が担う役割に当てはまるのは、下のア~エのうちではどれか。
社会資本は、長期間にわたり、幅広く国民生活を支えるものである。
そのため、時代の変化に応じて機能の変化を見通して、社会資本の整備に的確に反映させ、蓄積・高度化を図っていくことが求められる。
ア 収入が少ない人々に対して、国が生活費や教育費を支給し、最低限度の生活を保障し、自立を助ける。
イ 国民に加入を義務付け、毎月、保険料を徴収し、医療費や高齢者の介護費を支給し、国民の負担を軽減する。
ウ 保健所などによる感染症の予防や食品衛生の管理、ごみ処理などを通して、国民の健康維持・増進を図る。
エ 公園、道路や上下水道、図書館、学校などの公共的な施設や設備を整え、生活や産業を支える。”
では、早速解いていきましょう。
ア~エはいずれも行政が行っていることですが、ここで求められているのは「社会資本」に関する選択肢を選ぶことです。
行政(政府)が行う経済活動を「財政」といいましたね。
財政の場合、資本は国民が納める税金で、商品やサービスにあたるのは社会保障・福祉・公共サービスです。
よって、公共的な施設や設備の整備について述べているエが正解です。
経済の勉強方法
問題の感覚がつかめたところで、勉強方法をまとめましょう。
具体的にイメージしよう!
冒頭でお話ししたとおり、経済といってもスケールはさまざまです。
スケールの大きい話になってよくわからなくなってきたな……と思ったら、身近なものに置き換えてイメージしてみてください。
具体的なイメージと照らし合わせながら進めると、理解度がグッと高まります。
経済の直前対策法!
それでは具体的に、経済の直前対策としてどのようなことに取り組めば良いのでしょうか?
過去問や問題集で演習する!
都立高校入試では、経済の仕組みを理解している前提で、グラフを読み取ったり経済の課題などを記述で答えさせたりする問題が出題されています。
そのため、知識を覚えるだけではなく使える状態に持っていく必要があります。
仕組みがわかってきたなと思ったら、どんどん過去問にチャレンジして知識を使う練習を重ねましょう。
まとめ
経済が理解できたでしょうか?
動きやスケールが複雑そうに思えても、身近なものに置き換えるとわかりやすくなります。
経済は私たちの生活に欠かせない仕組みですので、ぜひきちんと理解しておきましょう!