都立日比谷高校入試英語では、リスニング以外に関しては独自問題が出題されます。独自問題は難易度が高く、教科書の範囲を超えて出題されます。
そのため、学校の勉強だけをやっていても対応できない可能性があり、合格するためには独自の対策が必須です。
特に、英文読解スピードを上げたりや自由英作文を解けるようになるためには短期間での対策は難しく、出来るだけ早い時期から取り組むことが大切になってきます。
この記事では、都立日比谷高校入試英語の独自問題の傾向や対策をご紹介します。これを読んで今後の勉強の参考にしてください。
都立日比谷高校入試英語の傾向分析
日比谷高校に合格するためには、まずどのような問題が出題されているのかを知ることから始めましょう。
問題の構成や難易度などの傾向を分析してまとめました。
都立日比谷高校入試英語の大問構成と出題範囲
ここ数年、都立日比谷高校入試の英語の大問構成は以下のようになっています。配点は令和2年度、平成31年度のものです。
- 大問1:リスニング(配点20点)
- 大問2:会話文(配点34点)
- 大問3:説明文(配点34点)
- 大問4:自由英作文(配点12点)
都立日比谷高校入試の英語は、リスニング以外は独自問題が出題されており、大問構成は今後も大幅な変更はないと思われます。
令和2年度と平成31年度の各大問の配点は同じでしたが、平成30年度は英作文の配点が少し高く16点でした。
それでは、大問別に出題内容を簡単にご紹介します。
大問1:リスニング(配点20点)
リスニングは共通問題です。独自問題の難易度と比べると、ここで満点を取りたいところです。
日比谷高校に合格するためには満点を取れて当たり前、というつもりで、ミスをしないように注意しましょう。
大問2:会話文(配点34点)
約3ページの会話文が出題されています。分量は多めでスピーディに読まなければいけません。
問題形式は、「空欄補充問題」「内容一致問題」「内容説明問題」「自由英作文」が出題されています。大問3の説明文に比べると解きやすいでしょう。
大問3:説明文(配点34点)
2~3ページの説明文が出題されるため、素早く文意を把握して読まなければいけません。
問題形式は、「空欄補充問題」「語整序問題」「文整序問題」「内容一致問題」「内容説明問題」「自由英作文」などが出題されています。
特に内容一致問題などでは細かい正誤の部分を判断した上で正確な読解、自由英作文では論理的思考力が求められているので対策が必要です。
大問4:自由英作文(配点12点)
日比谷高校の独自問題で特徴的なのがこの英作文で、「絵を見て自分の意見を英語で表現する」という問題が出題されます。以前は、会話文の流れに合うように自分の考えを英語で表現する問題が出題されていました。
生徒の中には自由英作文に時間をかけてしまう人がいますが、原則としてたくさんの時間は割けないため、時間を使わずさらっと書いて文法的な間違いがないかだけを見直せば十分です。
「文法的に正しい英文が書けているか」が重要で、内容点が設定されていたとしてもそれほど大きくないですから、文法は絶対間違えないよう丁寧に確認しましょう。
都立日比谷高校入試(英語)の難易度
独自問題の難易度は高めです。しかし、「倍率が1.5~1.8倍であること」「受験生平均点が60点前後であること」を考えると、リスニングで20点をとり、独自問題で6割を取れれば合格可能性は高まるでしょう。
もちろん英語が苦手な生徒は、他の科目で点数を稼ぐことが前提ですが、独自問題で5割を目指しても合格できる可能性は十分あります。
都立日比谷高校入試(英語)解答の際の時間配分
都立日比谷高校入試の英語の試験時間は50分です。
リスニングが10分あるため、大問3題を40分で解かなければいけません。時間配分の目安をご紹介します。
- 大問1:リスニング 10分
- 大問2:会話文 12分
- 大問3:論説文 15分
- 大問4:自由英作文 8分
- 見直し5分
読まなければいけない英文が多く、自由英作文が3題出題されることを考えると、じっくり考えている時間はありません。
長文を読んでから問題文を読み、該当部分の英文を探していては時間が足りなくなってしまう可能性があります。そのため、英文を読みながら問題を解いていくという方法も試してください。
どちらの方法が合っているかは生徒によって異なるため、両方試して自分に合っている方法を選択すると良いでしょう。
また、細かい部分を丁寧に読む問題もいくつか出題されています。とはいえ、このような問題であまりに時間を使ってしまうと、簡単な問題を解く時間が足りなくなる危険性があります。
そのため、解答に確信が持てない問題はチェックだけしておき、時間が余ったら見直すようにした方が良いでしょう。
都立日比谷高校入試(英語)の対策と勉強法
都立日比谷高校入試の英語で合格点を取るためには、独自問題の対策をしなければいけません。
生徒の中には、秋以降に対策を始めても間に合う人もいますが、合格できる可能性を少しでも上げるためには、早めの準備が大切です。
中3の夏前までにやるべき対策
中3になるまでに、都立日比谷高校の独自問題に目を通しておきましょう。
この時点で解ける必要はありませんが、長文の分量や出題傾向を把握しておけば、今後の勉強に活かすことができます。
中3の夏休みにやるべき対策
都立日比谷高校では、3問の自由英作文が出題され、配点が約3割も占めます。そのため、合格のためには自由英作文を攻略することが必須です。
自由英作文は直前に対策しただけでは伸びにくいため、夏休みから勉強を始めましょう。
このときひとりで勉強しているだけでは間違いが把握できずできるようになるのが難しいので、塾の先生や学校の先生など信頼できる人に添削してもらってください。
1回目の添削では、出来るだけ細かい添削をしてもらわないようにするのがポイントです。まずはどこが間違っているのかだけ教えてもらい、自分で文法書などを見ながら書き直して下さい。
このように自分で考えながら書き直す作業を繰り返すことで、自由英作文の力がついていきます。取り組む問題数は、1週間に1~2問で十分です。
中3の秋に取り組むべき対策
秋以降は、独自問題を実際に解いていきましょう。最初は時間を気にせずに解いてみて、得点とかかった時間を確認してください。
得点が足りない場合は、その理由を考えなければいけません。なぜなら、理由まではっきりさせることでそれに対する対策を立てることができるためです。
例えば「そもそも英文の意味が理解できない」という場合は、基礎力が足りていない証拠であるため、文法や単語など基本的な事項をもう一度勉強しましょう。
また「英文の意味は理解できたが問題が解けない」という場合は、問題演習不足が考えられます。そのため、多くの入試問題を解き問題の解き方を身につけることで対策しましょう。
「英文を理解するために時間がかかりすぎている」という生徒は、英文の読み方を変える必要があるかもしれません。右から左に何度も戻って読んでいたり、英文を読むたびに日本語に訳していたりしている可能性があります。
このような場合は、大部分の英文を左から右に一度読んだだけで理解できるようなることが必要です。この読み方に慣れるまでたいていは3ヶ月ほどかかります。
入試に臨む上での注意点
都立日比谷高校は難関高校といえますが、倍率で考えると「3人受験したらほぼ2人は合格できる」という試験です。油断してはいけませんが、緊張し過ぎると力を発揮できなくなってしまう可能性もあります。
試験直前は「解答の時間配分」「間違いやすい文法事項と会話表現」を確認し、リラックスして試験に臨みましょう。
まとめ
都立日比谷高校入試の英語は、英文をスピーディに読めることと、文法的に正しい英文が書けることが合格へのカギとなります。
難しい問題は正解出来る必要はないので、多くの生徒が解ける問題を確実に解けるようになりましょう。
英語は伸びるのに時間がかかる科目なので、出来るだけ早めに対策することが大切です。ひとりでも多くの生徒が合格できることを願っています。