都立西高校はいわゆる「独自校」といわれる学校の中でも「進学指導重点校」と呼ばれるグループ。
また、「理数研究校」や「Society5.0に向けた学習方法研究校」など複数の推進校でもあります。
校風は自由で東大などの難関大合格者数も全国の公立高校内で最多レベルです。そんな西高校の特徴と入試の難易度・対策のコツをすべてお伝えします。
都立西高校の基本情報
偏差値は70を超え、全国でも上位50位に近づくレベルです。そのため、毎年安定して旧帝大クラスや医学部に90人以上の生徒を輩出しています。
また、創立以来変わらない自由でおおらかな雰囲気の中、生徒が活き活きと活動しています。
自分で考える・疑問を大切にする「質の高い授業」を目指しており、春休みを活動したアメリカ研修や、卒業生協力のもと行われる講演会やパネルディスカッションなど斬新な教育活動も取り入れられています。
3年からは文理に分かれて授業を行います。また、センター対応の選択科目も設けられています。そのため、生徒一人一人に対応した質の高い授業を受けることが期待できるでしょう。
都立西高校は常に自由な高校
「文武二道」「自主自立」による常に自由な校風。制服や校則はなく、髪染めやピアス、メイクも指導はされません。
行事や部活は生徒による自治がなされている。そのため、行事への熱気は非常に高いです。記念祭は毎年大盛況になるほどです。
都立西高校の進学実績
都立西高校の主な進学実績としては以下の通りです。毎年旧帝大クラスの大学に40人前後が進学しており、難関私立に関しては年度によって200人以上合格した時もあります。
2020年度
旧帝大+一工:107人
その他国公立:71人
難関私立大学(早慶上理ICU):248人
公式サイトにも合格者数の掲載はあるためご確認ください。
都立西高校公式サイト
都立西高校の入試の仕組みと内申・受験の目標点数
目標が決まると、達成に向けての道筋が見えてきます。都立西高校合格に向けて目標点数を認識し勉強を進めていきましょう。
都立西高校の入試制度と科目・配点
具体的は都立西高校の入試制度や必要な科目、配点等を確認していきましょう。
入試制度
都立西高校においては、
独自問題→国数英の3科目
都立共通問題→英語リスニング問題・理科・社会
となっています。
独自問題の配点
独自問題である国語、数学、英語の配点は以下の通りです。
国語
大問1:漢字の読み取り (各2点×4問、配点8点)
大問2:漢字の書き取り (各2点×4問、配点8点)
大問3:小説文の読解 (配点26点)
大問4:論説文の読解 (配点38点)
大問5:古典と現代文の融合問題 (配点20点)
数学
大問1:小問集合(配点25点)
大問2:二次関数(配点25点)
大問3:円と図形(配点25点)
大問4:整数問題や図形問題などの思考力が問われる問題(配点25点)
英語
大問2:会話文(配点28点)
大問3:長文読解1(配点24点)
大問4:長文読解2(配点28点)
*大問1はリスニングのため共通問題
都立西高校合格に必要な目標点の目安
都立西高校に合格するための目標点数を定めましょう。具体的には、1科目の目標点数と目標内申点を定めて合格に向けて邁進します。
内申点
具体的に、都立西高校に合格するために必要な内申点を計算してみましょう。
都立高校は学力テスト(700点満点)と内申点(300点満点)の合計「1,000点満点」で合否が決まります。
学力テストは5教科500点満点を700点満点に換算します。
内申点は300点満点です。
(5科目×5段階)+(実技4科目×5段階×2)=65点満点を300点満点に換算します。
都立西高校の内申点は59~60点が目標と言われています。
この内申点は「換算内申」と呼ばれ、単純に内申点を合計しただけの「素内申」とは異なります。
都立入試では相対的に実技科目の成績も重要になります。素内申と異なり、換算内申は実技科目を2倍しているため、相対的に比重が高いからです。
換算内申に関してはこちらで詳しく解説しています。
リンク
内申も考慮した本番の目標点
上記のように、都立西高校における換算内申の目標は59~60点です。では換算内申で60点を獲得した場合、学力検査では必要な点数を算出しましょう。
都立西高校の合格ラインは約750点/1000点満点中と言われています。そのため、750点を基準に計算します。
換算内申60点を300点満点にすると
60/65×300=約277点
都立西高校の最低合格ラインは約750点/1000点満点です。ここから学力テストの結果を算出すると
750-277=473点
この点数を700点満点から500点満点へと再換算すると
X/500×700=473
X=約338点
学力テストの目標点数は「約338点」です。1科目の「平均68点以上」を目標としていきましょう。
ただし、338点は換算内申が59~60点と最低ラインに到達した目安点数です。そのため、本番の試験では「合格最低ラインに1.1倍した点数」を目指すと良いでしょう。
740点を基準にすると、最低合格ラインは740×1.1=814点です。この場合、学力テストの目標点数は次のようになります。
814-277=537
X/500×700=537
X=約383
そのため試験当日の目標点数は「約383点」です。1科目の平均は「約77点」が必要になります。
都立西高校入試・各科目の対策と勉強法
都立西高校の合格には各教科約7~8割の得点が必要です。8割獲得に向けた勉強の計画を立てていきましょう。
都立西高校対策のための勉強スケジュール
入試対策で重点的に取り組みたいのは、独自問題の国数英です。独自問題は教科書レベルを超えた難問が出題されるためです。そのため、夏休みからは独自問題対策を最優先にしたいです。
それ以降は過去問演習に取り組んでください。志望校の演習のみならず、例えば都立日比谷高校や都立戸山高校などの偏差値の近い高校の過去問も演習しましょう。
日程を逆算すると、理科・社会・リスニングの共通問題は中3の早い段階で仕上げておきたいです。
都立西高校英語の傾向・対策と勉強法
他の独自入試を実施している高校に比べて、都立西高校の英語入試は長文問題が1問多いです。速読力と読解力を駆使して文章量の多い問題の解答が求められます。
そのため、中3の夏休みまでに語彙や文法、単語の勉強は継続し、速読力を磨くため教科書や教材の文章を速く読む訓練をしましょう。
夏休みは時間を意識した問題演習をしてください。秋からは過去問演習や英作文に取り組みましょう。都立西の英語入試は文章量が多いため、速読力と読解力を高める対策を打ってください。
都立西高校数学の傾向・対策と勉強法
数学は4問で基礎問題から応用問題まで幅広く出題されます。特に各大問の最後の小問は高難易度であるため、飛ばすことも視野に入れなければなりません。
そのため、中3までに入試範囲の予習を終え基礎を固め、中3からは応用問題対策へと注力することがおすすめです。
中3の夏休みからは記述式の対策に打ち込み、秋からは過去問演習をしましょう。
数学入試は応用問題も多いため、過去問演習は「解く問題と捨てる問題を選択する訓練」でもあります。臨機応変に対応できる数学力を養っていきましょう。
都立西高校国語の傾向・対策と勉強法
問題構成は漢字の読み書きと、小説文と論説文、古典と現代文の融合問題です。難易度は高く、速く正確に読む読解力と自分の意見を文章にする作文能力が求められます。
そのため、中3の夏休みには作文練習を開始し添削などで実力を高め、秋以降は時間配分を念頭に入試問題を解きましょう。
これを考慮すると中3までに国語の基礎と漢字の読み書きは済ませておきたいです。入試日から逆算していつまでに何を達成したいかを考えて勉強を計画しましょう。
都立西高校理科の傾向・対策と勉強法
難易度は標準的であるものの、自由研究のレポートや実験結果を読み取る問題が多く出題されます。そのため、暗記のみならず資料の読み取り力も欠かせません。
夏休み以降からは過去問演習にて共通問題の形式に慣れていきましょう。そう考えると、夏までには中学生の範囲を予習し演習問題を中心に取り組んでください。
都立西高校社会の傾向・対策と勉強法
共通問題の社会は完答式と記述式の問題が増加傾向です。大問数は6問と変わらないものの、資料やグラフを理解が必須です。
そのため、過去問演習や資料、グラフの読み取り問題を通して問題形式に慣れてください。
基礎の理解を夏休み前までに終えて問題演習で知識を定着させていきましょう。
まとめ
都立西高校の独自問題は文章量の多さや計算量の高さと基礎力と応用力が求められています。標準問題も含まれているとはいえ、応用問題を解く力は欠かせません。
そのため、基礎を早く固め、独自問題対策にどれだけ打ち込めるかが大切です。合格に向け独自問題の傾向把握と対策を練り入試へと臨みましょう。