都立日比谷高校入試国語は、独自問題が出題されます。独自問題は難易度が高く、傾向を分析して対策しなければ合格することは難しいでしょう。
特に毎年論説文の小問として出題されている作文問題は、短時間で対策が立てにくいため出来るだけ早く取り組む必要があります。
この記事では、都立日比谷高校入試国語の独自問題の傾向と対策をご紹介します。これを読んで今後の受験勉強の参考にしてください。
都立日比谷入試(国語)の傾向分析
都立日比谷高校入試対策を始める前に出題傾向を把握しましょう。
問題構成や難易度などの傾向を分析してまとめました。
都立日比谷高校入試(国語)の大問構成と出題範囲
都立日比谷高校入試の国語の大問構成と配点は以下のようになっています。配点は令和2年度と平成31年度のものです。
- 大問1:漢字の読み取り (各2点×5問、配点10点)
- 大問2:漢字の書き取り (各2点×5問、配点10点)
- 大問3:小説文の読解 (配点28点)
- 大問4:論説文の読解 (配点32点)
- 大問5:古典と現代文の融合問題 (配点20点)
今後も大問構成と配点に大幅な変更はないと思われます。
それでは、大問別に出題内容を簡単にご紹介します。
大問1:漢字の読み取り(各2点×5問、配点10点)
漢字の読み取り問題は5問出題されます。他の問題が難しいこともあり、漢字の読み取りでは満点を取っておきたいところです。
漢検3級レベルの漢字がおもに出題されていますが、1~2問程度漢検準2級以上の漢字が出題されるため、時間を見つけて勉強しておきましょう。
大問2:漢字の書き取り(各2点×5問、配点10点)
漢字の書き取り問題が5問出題されます。書き取り問題は読み取り問題よりも少し難しいですが、都立日比谷高校に合格するためにはミスをせずに満点を取っておきたい問題です。
難易度は漢検3級レベルが多く、1~2問程度準2級、2級の漢字が出題されています。
大問3:小説文の読解(配点28点)
大問3は、毎年小説文の読解問題が出題されています。
論説文に比べると文章は読みやすいですが、長いうえに短時間で問題を解かなければいけないため、難易度はかなり高いです。
「心情把握問題」「表現説明問題」が選択肢問題として出題されます。選択肢問題は選びやすいものが多いですが、中には消去法などで選択肢を絞らないと、正解に辿りつきにくい難しい問題も出題されているため注意が必要です。
記述式問題は、60文字以内で「登場人物の心情」や「下線部説明」を答えなければいけない問題として出題されています。
大問4:論説文の読解(配点32点)
都立日比谷高校入試で出題される論説文は、文章が長いうえに抽象的な内容であることが多いため、難易度は高いです。
論説文は慣れると解きやすくなりますが慣れないうちは文意が頭に入ってこないため、点差がつきやすい問題といえるでしょう。
「50字前後で筆者の考えや文意を説明させる記述問題」「250字以内で下線部の文章について自分の考えを書かせる作文問題」が出題されています。
大問5:古典と現代文の融合問題(配点20点)
古典と現代文の融合問題は、古文の知識を直接問われることは少ないですが、古文が含まれている文章を読むことに慣れていない生徒は解きにくく感じるでしょう。そのため、このタイプの文章を読むことに慣れることから始めましょう。
問題は「選択式の下線部説明問題」「文章中の語句を抜き出して答える空欄補充問題」「文章で使われている語句の意味や用法が問われる問題」などが出題されています。
都立日比谷高校入試(国語)の難易度
都立日比谷高校入試国語は「試験時間に対する問題文の量の多さ」「紛らわしい選択肢がある問題」「250文字以内の作文問題」などを考えると、かなり難易度が高いです。
「受験生平均点が50点強」「倍率が1.5~1.8倍」であることを考えると、55点取れれば十分合格圏に入れる点数でしょう。
漢字の読み書き問題で満点を取り、解きやすい問題をミスせずに正解できれば取れない点数ではありません。読解問題で4割取ることを目指しましょう。
都立日比谷高校入試(国語)解答の際の時間配分
都立日比谷高校入試の国語の試験時間は50分です。
文章が長く解くのに時間がかかる問題ですが、最低でも5分間は見直す余裕を確保するために45分で解き終えるのが理想です。
- 大問1:漢字の読み取り 1分
- 大問2:漢字の書き取り 1分
- 大問3:小説文の読解 12分
- 大問4:論説文の読解 17分
- 大問5:古典と現代文の融合問題 14分
- 見直し 5分
これはあくまでも目安です。生徒によって得意不得意ジャンルがあるので、自分に合わせた時間配分を決めましょう。
ポイントは、大問4で出題される作文問題をいかに短時間でまとめられるかです。
また「わからない問題はとりあえず解答して時間が余ったら見直す」といった割り切りも大切になってきます。
都立日比谷高校入試(国語)の対策と勉強法
それでは都立日比谷高校入試国語の勉強法をご紹介します。時期によって勉強時間や内容を変えて、効率よく勉強しましょう。
中1・中2のうちにやっておきたい対策
国語が苦手な生徒は、中1・中2のうちにある程度勉強しておいた方がよいです。国語の点数が取れない生徒は、問題に解きなれていないことがあるため、簡単な問題から解く練習をしましょう。
「何を問われているのか」「どう解けばよいのか」がわかるようになれば、自然と点数はあがっていきます。
漢字の読み書き問題が20点分出題されます。直前に勉強をしても覚えきれないかもしれないため、日頃からこつこつ勉強するようにしましょう。
また、漢字問題ができないと読解問題の出来にも影響する可能性があります。都立日比谷高校に合格しようとしている生徒なら、漢字問題は満点か少なくとも1問ミスまでで抑えたいです。
もし一番最初に解く漢字問題でわからない漢字が2つも3つもあったら、動揺は大きいでしょう。読解問題は動揺していると内容が頭に入ってこなくなり、何度も読み直さなければいけなくなる可能性があります。
そうならないようにするためにも、漢字に強くなっておきましょう。具体的には、学校の小テストの勉強、塾の漢字問題集の勉強を中1・中2のうちからやっておくことをおすすめします。
このような勉強を積み重ねて、中3になる前に漢検3級、中3の夏休み前に漢検準2級の勉強をしておけば、余裕を持って秋以降の勉強に臨めるようになるでしょう。
中3の夏休みにやるべき対策
作文対策は直前にしても伸びにくいため、夏休みになったら勉強を始めましょう。自分の意見を短時間でまとめることができるようになることが、試験時間内に問題を解き切れるかどうかのポイントとなります。
作文の勉強はひとりでしていてもどこがいけないのかわかりにくいため、信頼できる学校の先生や塾の先生に添削してもらいましょう。取り組む問題数は、1週間に1~2問で十分です。
中3の秋に取り組むべき対策
秋以降は実際に入試問題を解いていきましょう。都立日比谷高校入試の国語の問題は、問題量に対して試験時間が短いです。
しかし、最初は納得するまで時間を使って問題を解いてください。全く正解できない生徒は基礎力が足りないため、もう少し簡単な問題を解いて基本的なことから勉強し直した方がよいでしょう。
時間を使えば問題が解ける生徒は、時間がかかってしまう原因を考えてください。問題を解くのが遅い生徒は「消去法で選択肢を絞る」「下線を引きながら文章を読む」などの工夫で時間を短縮できます。
また、文章を読むスピードが遅い生徒は、「読むスピード」が遅いというよりも「理解するスピード」が遅い可能性があります。
目的もなくただ文章を読むのではなく「登場人物の心情の変化」「筆者の主張」などを意識して読めば、文章を読むスピードが少しずつあがっていくでしょう。
該当箇所に差し掛かる度に下線を引きながら読んでいけば、問題を解くときに「心情の変化」や「筆者の主張」が書かれている文章を探す手間が省けます。
中3冬・受験直前期に取り組むべき対策
冬休みや直前期は「1週間に2~3題だけ読解問題を解く」「漢字の復習をする」程度でよいでしょう。
国語はこの時期に勉強をしても、得点アップしにくい科目です。それよりも直前期の勉強が点数に結びつきやすい社会や理科を勉強することをおすすめします。
他の科目の勉強は十分で国語だけが問題という生徒は、秋に取り組んでいた勉強を引き続きしましょう。
しかし、新しいことに手を出さないようにしてください。新しいことを勉強するより復習を繰り返しした方が、点数に結びつきやすいです。
入試に臨む上での注意点
都立日比谷高校の国語の問題は難しいため、わからない問題があるのはあなただけではありません。
「受験生平均点が50点強」ということから考えると、漢字以外の問題は4割も解けていない生徒が多いのです。出来るだけ心を落ち着かせて試験に臨みましょう。
まとめ
都立日比谷高校入試の国語は、作文問題を短時間で解答できるかどうかがポイントとなります。難しい問題は正解できる必要はないので、多くの生徒が解ける問題をミスしないように注意しましょう。
国語は、どのように勉強したらよいのかわからない生徒が多い科目ですが、他の科目と同じように適切な勉強をすればできるようになります。万全の準備をして自信をもって試験に臨めるように頑張りましょう。