都立日比谷高校入試数学は、独自問題が出題されます。問題の中にはかなり難しい問題が含まれているため、出題傾向を把握して専用の勉強をする必要があります。
また、数学は短期間で簡単に学力が伸びる科目ではないため、出来るだけ早く勉強を始めた方がよいでしょう。
この記事では、都立日比谷高校入試数学の独自問題の傾向や対策をご紹介します。これを読み今後の受験勉強の参考にしてください。
都立日比谷高校入試(数学)の傾向分析
都立日比谷高校入試の数学の対策を始める前に、出題傾向を把握する必要があります。
問題の構成や配点、難易度などの傾向を分析してまとめました。
都立日比谷高校入試(数学)の大問構成と出題範囲
ここ数年、都立日比谷高校入試の数学の大問構成は以下のようになっています。配点は令和2年度のものですが、ここ数年小問の配点まで変わっていません。
- 大問1:小問集合(配点25点)
- 大問2:二次関数(配点25点)
- 大問3:円と図形(配点25点)
- 大問4:空間図形(配点25点)
今後も大問構成や配点に大きな変更はないと思われます。
それでは、大問別に出題内容をご紹介します。
大問1:小問集合(配点25点)
大問1は毎年、同じような問題が出題されています。平方根が含まれている計算問題、因数分解、確率、作図が頻出分野です。これらの分野以外では、二次方程式や一次関数の問題が出題された年もあります。
作図は面倒な問題が出題されることがありますが、他の問題は解けなければいけないレベルの問題です。大問1を確実に解くことができれば合格へ近づけるでしょう。
大問2:二次関数(配点25点)
毎年大問2は、二次関数と図形の融合問題が出題されています。小問1と3は答えだけ、小問2は途中経過まで書く記述式問題が出題されています。
小問1は解きやすい問題が多いですが、小問2と3のどちらかは難しい問題が出題されることが多いです。
大問3:円と図形(配点25点)
毎年大問3は、円に関係した図形問題が出題されています。大問2と同様に、小問1と3は答えだけ、小問2は途中経過まで書く記述式問題が出題されています。
小問1は角度、小問2は証明問題、小問3は長さを問われる問題が出題されることが多いです。
小問2の証明問題の記述ができなくても、小問3は比較的解きやすい問題が出題されることがあるため、諦めず解いてみましょう。
大問4:空間図形(配点25点)
毎年大問4は、空間図形が出題されています。大問2、3と同様に、小問1と3は答えだけ、小問2は途中経過まで書く記述式問題が出題されています。
空間図形は苦手にしている生徒が多いですが、小問1は解きやすい問題が出題されることが多いです。
最後の大問で時間の余裕がないかもしれませんが、小問1を解く時間は残しておきましょう。
都立日比谷高校入試(数学)の難易度
都立日比谷高校入試の数学は、年度によって多少難易度は変わりますが、他の科目に比べて難しい傾向は変わりません。
しかし、難易度が高い問題が出題されますが解きやすい問題も出題されています。
「倍率が1.5~1.8倍程度」「受験生平均点が50点前後」であることから考えると、解きやすい問題が出題される大問1と大問2~4の小問1を正解できただけで、ボーダーライン近辺には入れるはずです。
都立日比谷高校入試(数学)解答の際の時間配分
都立日比谷高校入試の数学の試験時間は50分です。
見直しの時間を考えると、45分程度で解かなければいけないことになります。時間配分の目安をご紹介します。
- 大問1:小問集合 12分
- 大問2:二次関数 10分
- 大問3:円と図形 12分
- 大問4:空間図形 12分
しかし、これは全問解き切るための時間配分の目安です。
例えば「図形問題は苦手で小問1だけ解ければよい」という生徒なら、大問3と4は各3~4分だけ使って大問2に25分使ってもよいでしょう。このように、自分が最も点数が取れるように時間を使うことが重要です。
数学は他の科目と異なり、時間が足りないために「全問解けなかった」ということは起こりにくいでしょう。
しかし「解けない問題に時間を使ってしまった」ため「解ける問題を解く時間がなくなってしまった」ということは起こります。
そのようなことを避けるために、解らない問題はとばして解ける問題に時間を使うことが大切です。
解けない問題に時間を使うより、解いた問題にミスがないか見直した方が点数があがることもあります。
都立日比谷高校入試(数学)の対策と勉強法
都立日比谷高校入試の数学で合格点を取るためには、対策は必須です。数学は短期間勉強しただけでは伸びにくい科目のため、出来るだけ早く勉強を始めましょう。
中1・中2のうちにやっておきたい対策
都立日比谷高校に合格したいのなら、中学3年生になる前に入試で出題される全範囲の勉強を終えておくのが理想です。
難しい問題まで解けるようになる必要はありませんが、教科書に載っているレベルの問題は解けるようになっておくと、1年間余裕を持って受験勉強ができます。
数学が苦手な生徒は、中学2年生までに習った範囲を復習して、教科書に載っているレベルの問題は確実に解けるようになっておきましょう。
中学3年生になってから中学1・2年生で勉強した分野まで復習していては、入試までに間に合わなくなる可能性があります。
中3の夏休みにやるべき対策
記述式問題の勉強を始めましょう。都立日比谷高校入試では、記述式問題の配点が3問で30点もあるため、途中点をもらえるかどうかで合否に影響を及ぼすかもしれません。
記述式問題は、どのように解いたかを書くだけなので難しくはありませんが、ただ式を書くだけでは不十分です。式と式の間に説明を書き、答案を見た人に解いた過程がわかるようにしなければいけません。
最初は2~3行で解答できるような簡単な問題から始めて、徐々に難しい問題を解くようにしましょう。
中3の秋に取り組むべき対策
実際に入試問題を解き始めましょう。解けない問題を見極めることを意識しながら取り組んでください。
受験勉強では解けない問題も時間を使って考える必要がありますが、入試では解けない問題に時間を使わないことが重要です。
普段勉強しているときはすぐに諦めてしまう生徒でも、入試になると少しでも点数を取ろうと、解けない問題に多くの時間を使ってしまうことがあるので気をつけてください。
理想は「問題を見た瞬間に解けるか解けないかの判断ができるようになること」ですが、そこまでできるようになるのは難しいでしょう。
ひとつの問題に使う時間を、あらかじめ決めておくのことをおすすめします。
中3冬・受験直前期に取り組むべき対策
入試直前期は、解けなかった問題と苦手分野の復習をしましょう。数学が全くできない生徒なら、1ヶ月勉強しただけで大幅に伸びる可能性があります。
基本的に都立日比谷高校を受験するような生徒はすでに一定の学力があるため、1ヶ月勉強しただけでそこから大幅な学力アップは期待できません。
しかし、苦手分野だけは1ヶ月勉強しただけでも、学力アップが期待できます。他の生徒が解けているのに、自分だけ苦手分野だから解けないというような問題があると合否に影響します。
そのようにならないために苦手分野の勉強をして、多くの生徒が解けるような問題は解けるようになりましょう。
まとめ
都立日比谷高校入試の数学は「解ける問題を確実に解く」「解けない問題に時間をかけない」ことがポイントです。
数学は難しい問題を解けるようになるには時間がかかります。そのため、出来るだけ早く受験勉強を始めましょう。