都立国立高校入試の英語問題では、都立高校共通のリスニング問題に加え、独自の英語問題が出題されます。
英語の独自問題では標準的な問題集ではあまりみられない応用的な問題も出題されるため、都立国立高校の試験に合わせた勉強が必要です。
この記事では、都立国立高校向けの英語独自問題の傾向と対策についてご紹介します。
都立国立高校入試(英語)の傾向分析
まずは都立国立高校入試の英語について、問題の構成と出題傾向、難易度等をまとめました。
都立国立高校入試(英語)の大問構成と出題範囲
都立国立高校の大問構成は以下の通りです。
大問1:リスニング(全20点) 共通問題
大問2:会話文の読解(全40点) 独自問題
大問3:長文の読解(全40点) 独自問題
例年、「都立入試共通問題のリスニング問題」「独自問題の会話文の読解問題」「独自問題の長文の読解問題」の合計3題が出題されています。
それでは、各大問の詳細を見ていきましょう。
大問1:リスニング(全20点)
リスニング問題は、都立高校の共通問題ですので省略します。
大問2:会話文の読解(全40点)
会話文の読解問題では、800~900語程度の会話文が出題される傾向にあります。
単語数はそこまで多くありませんが「図」や「表」などが合わせて出題されることが多く、文字数の割には読解に時間がかかるため読むスピードも重要になります。
会話文の内容は、「高校生の日常会話」というよりも「物理や数学、生物などの専門的な話」が取り上げられています。
例年、小問が10題程度出題されており約7割が選択問題です。
問題の種類は「文章中の空欄補充」「英文の単語の並べ替え」「会話文と合致する英文の選択」などの典型的なものに加え、「会話中に述べられている図形の選択」「要約文章の空欄補充」などの応用的な問題が出題されています。
空欄補充の問題は、空欄の前後の文章をよく読めば解ける問題が多いため、落ち着いて解きましょう。
また、文章をしっかりと理解しているかを問う問題が多いため、長文問題に慣れておく必要があります。応用的な問題については、「難しめの問題集」や「過去問」を活用して対策をすると良いでしょう。
大問3:長文の読解(全40点)
こちらは1,000語程度の長文が出題されています。こちらは小説などの「物語文」が出題される傾向にあります。
問題の種類は「文章中の空欄補充」「英文の単語の並べ替え」「会話文と合致する英文の選択」に加え、最後に「作文問題」が出題されます。
空欄補充の問題では「本文の言葉」を使って答える問題も出題されるため、文章を正確に理解しながら読み進めていく力が必要です。
英作文は自分の意見を英語で述べる問題が出題されます。「質問文がすべて英語」であったり「穴埋めになっている箇所を作文する」など、都立国立高校独自の癖もあります。そのため、過去問などでしっかりと対策をしましょう。
都立国立高校入試(英語)の難易度
標準的な問題もありますが、長文の内容を深く理解していないと解けない問題も出題されます。
都立国立高校の英語では「標準的な問題で失点しないこと」「難問をいくつ解けるか」が受験生の得点の差につながると思われるため、しっかりと長文対策をする必要があります。
都立国立高校入試(英語)解答の際の時間配分
都立国立高校の入試の英語の制限時間は50分です。解答の際の時間配分ですが、以下の配分と順番で解くことをオススメします。
大問2:会話文の読解(約20分)
大問3:長文の読解 作文以外(約20分)
大問3:長文の読解 作文(約10分)
長文を読むことに10分弱時間がかかると想定されるため、設問の解答時間は「1問1〜2分」を目安にして、分からない問題は考えすぎずに飛ばしましょう。
後半に難易度の高い問題が出題される傾向にあるため、最後の設問を解く時間をしっかりと確保することが重要です。
最後に英作文があることを忘れずに、問題を目安の時間以内に解くようにしましょう。
都立国立高校入試(英語)の対策と勉強法
それでは具体的に、都立国立高校入試の英語における対策と勉強法をご紹介しましょう。
中3の夏前までにやるべき対策
単語力・文法力などの英語の基礎力を上げましょう。暗記項目は勉強した分が成績に反映されやすく、モチベーションのアップにも繋がります。
単語帳や単語カードを使い、通学時間などの隙間時間を活用して勉強しましょう。受験直前期には、これらの使い込んだ単語帳は自信を与えてくれます。
中学3年夏までの時間のある時期には、英語検定を受験することもおすすめです。
英語検定の勉強は受験勉強にも繋がります。なぜなら、英語検定は「単語力」「英文法」「熟語の知識」「リスニング力」「英文読解力」の全てが試される試験だからです。
また資格を取得することで自信がついて、勉強のモチベーションアップにも繋がります。取得するなら「英検3級」、英語が得意な方は「英検準2級」を取得しましょう。
英語の長文読解問題は勉強量が成績に反映さにくいので、なるべく沢山の文章を読むことを心がけましょう。
中3の夏休みにやるべき対策
夏前には単語や文法などの基礎知識が身についたと思うので、夏休みは問題演習を中心に取り組みましょう。
特に長文問題は入念な対策が必要です。都立国立高校の独自問題は文章量も多く、図と組み合わせた特殊な問題も出題されます。そのため、色々なジャンルの沢山の英語の文章を読むことが大切です。
標準的なレベルの問題は、この時期に確実に得点できるように頑張りましょう。
都立国立高校では難しい問題も出題されていますので、この時期から比較的難易度の高い問題集も解いておくことをおすすめします。
作文問題では、自分の意見を英語で書くことに慣れておきましょう。解答例の解説などにも目を通し、使いやすい表現などを吸収して使えるようにしておくことをおすすめします。
中3の秋に取り組むべき対策
夏休み明けからは問題演習と並行して、過去問にも取り組みましょう。
過去2~3年だけでなく、10年以上前の問題までしっかりと解くことが重要です。この時に時間配分を意識することが大切です。難しい問題を考えすぎて、解くことができる問題を逃さないように心がけましょう。
英作文に関しては、自分では気づいていない間違いなどを見逃さないためにも、学校や塾などで添削をしてもらうことがおすすめです。
中3冬・受験直前期に取り組むべき対策
過去問を総復習してください。取り組んできた問題の中で、間違えた問題を中心に復習しましょう。
単語や文法などの基礎については、使い慣れた参考書を使って忘れている箇所が無いか最終チェックをすることが大切です。
また、冬は気温の変化などの影響で体調不良になりやすいです。「手洗いうがい」や「決まった時間での食事」など、家族一丸となって健康管理に気をつけましょう。
まとめ
都立国立高校入試の英語独自問題では、「標準的な問題を確実にとること」「難問にも得点すること」が重要です。
英語の長文読解力はすぐに身につくものではありませんので、難しい色々な種類の沢山の英文を繰り返し読み、徐々に文章を読むスピード・読解力を付けていきましょう。
万全の体調で試験に向かえることができるよう、受験直前期は健康管理が特に重要です。