高校受験キホンのキ(東京都版)

学校のテストよりも
受験勉強を優先すべきなの?

「学校のテストよりも受験勉強を優先したい!」

多くの受験生は、このように思っているでしょう。

確かに気持ちはわかります。受験生にとっては、学校のテストよりも、「試験当日に何点取れるのか」ということに意識が向いてしまいますよね。

でも注意してください。実は、学校のテストも受験の合否に大きく関わる場合があるのです。

この記事では、具体的に「学校のテストと受験勉強のどちらを優先して取り組むべきなのか」についてお話ししていきます。

学校のテストと受験勉強はどちらを優先すべきか?

「受験」と聞くと、どうしても試験当日の点数で合否が決まると思われがちですが、決してそれだけではありません。

もちろん入試本番の点数も非常に大切ですが、他にも合否を決定する要素があるのです。

その要素についての説明も交えつつ、ここからは都立と私立を比較しながら「学校のテストと受験勉強はどちらを優先すべきか?」についてお伝えしていこうと思います。

自分がどちらに比重をおくべきか、理解していきましょう。

自分の志望校によって意識する度合いは変わる!

どちらを優先するべきか決める上で、ポイントとなるのは自分の「志望校」です。

もし都立高校を受験するのならば、「学校のテスト」にも比重を置いた方がいいでしょう。

なぜなら、内申点(学校の成績)が受験の合否に大きく関わるからです。都立高校の場合は「入試の点数:内申点=7:3」という比率で合否に関わります。

全体の3割が内申点によって決めると考えると、決して侮ってはいけない比率です。

もし学校のテストを疎かにしたり、授業態度が悪く提出物を真面目に出さないでおくと、当然ながら内申点も下がってしまいます。

そうするとこの大切な3割を自分で捨てていることになり、受験が始まる前から周りのライバルたちに差をつけられてしまうでしょう。

なので、都立を受験する場合は、「学校のテスト」にもある程度時間を割くのがベターです。

逆に私立の場合は、内申点は関係ないことが多いです。

そのため、当日の試験結果のみで合否を決めるケースがほとんどになります。

よって、都立よりは「学校のテスト」に比重をおく必要はないでしょう。

このように、自分の志望校に合わせてバランスをとるようにしましょう。

内申点がどの程度入試に影響するかを把握する!

ここからは実際に、「内申点がどのくらい入試に影響を与えるのか」についてお伝えしようと思います。

まず都立の場合は、先述の通り

・当日のテストで70%
・内申点で30%

の合計100%で合否が決まることが多いです。

この内申点は、都立の場合「中学3年生」の成績が対象となります。

そのため、「1・2年生で頑張ったから、3年生は関係ない!」と思って手を抜いてはいけません。

今までの成績は「参考程度」にして、3年生ではより良い評価を狙いましょう。

なお、「どの学年の内申点を重視するか」は都道府県ごとに異なるので、それを知らずにいると自分に必要な学年の内申点を逃すこともあるので要注意です。

そして忘れてはいけないのが、「実技教科」です。

実技教科とは主に「音楽」「美術」「技術家庭」「保健体育」の4科目のことを指します。

なぜ大切なのかというと、これらの実技教科は内申点を出すときに「2倍」の計算がされるためです。

つまり、実技教科の成績を1つ上げるだけで、主要5教科の成績を2つ上げることと同じになります。

そのため「自分の受験に実技教科は関係ない」と思ってないがしろにしてしまうと、非常にもったいないです。実技教科もしっかりと取り組みましょう。

都立を目指すなら学校のテストにも取り組んでおくべき

先ほどにも書いたように、都立高校を目指している場合は学校のテストに比重を置いた方が良いです。

内申点が入試に大きく関わるので、受験当日に差をつけられないようにしなければいけません。

しかし、都立高校を目指す生徒が学校のテストに比重をおくべき理由は、他にもあります。

それは、「都立高校の試験範囲は学校の内容から出題されるから」という理由です。

一部のハイレベル都立を除いて、基本的に都立高校の問題はどこも共通であり教科書で習った内容を基に出題されます。

そのため、毎回のテスト勉強のために学校で勉強するだけで、それが受験にも繋がるのです。

ただでさえ受験生の時間は限られています。しかし学校の勉強がそのまま受験勉強につながると考えれば効率はかなり上がりますし、学校の勉強に対するモチベーションも上がるでしょう。

もちろん私立志望であっても基礎を身につけるために学校の勉強に取り組んでおいて損はないですが、都立の場合はその重要性はさらに高まります。そのため、ぜひ学校での勉強も頑張ってください。

独自問題の対策は別で必須!

先述のハイレベル都立や私立に限った話にはなりますが、学校での勉強だけだと間に合わないケースもあります。

都立高校で言うと、「自校作成校」と呼ばれる高校は、一部の科目を高校独自に作成しています。

その場合、問題のレベルが大きく上がるので、特別な対策が必要です。

また私立でも、高校によってはかなりハイレベルな問題を出題してきます。

こちらも個別に対策する必要がありますので、まずは過去問を参照しながら、それぞれの高校にあった学習を進めていきましょう。

まとめ

ここまで、「学校のテストと受験勉強、どちらを優先して取り組むべきなのか」について、お話ししてきました。

まずは、自分の志望校を明確にした上で、学習を進めていくことが大切です。

試験が近づくにつれて、焦りも出てくるとは思いますが、冷静に分析した上で、学習計画を立てていきましょう。