高校受験キホンのキ(東京都版)

高校受験の受験制度を
正確に知ろう!

高校受験では、一般入試・推薦など様々な受験制度があります。しかし同じ受験制度でも、「私立高校・公立高校のどちらを受験するか」によって傾向や対策の仕方も変わります。

受験する高校によっては、例え私立高校の一般入試だとしても「中学校の内申点が考慮される」という場合もあるため、できるだけ早めの対策が必要です。

高校受験を有利に進めるためにも、まずは受験制度を理解するところから始めましょう。

受験制度1「私立高校・公立高校」

受験制度は「私立高校」「公立高校」で大きく変わります。
私立と公立の違いをまずは把握しましょう。

私立高校の特徴


私立高校の受験科目は「英・国・数の3教科」です。一部には2教科で受験できる高校もあります。

2教科の高校の場合、受験科目数が少なくて一見有利に見えますが、その分倍率が高いことが多いです。どの受験制度を選択したとしても、必ず倍率は考慮した上で志望校を選択しましょう。

また、多くの私立高校には「指定校推薦枠」があったり、大学付属校の場合だと「付属大学にエスカレーター式で進学できる」ということがあります。

これらを活用することで受験勉強をせずに大学に進学できる可能性があるため、そこを狙って私立高校を受ける方もいます。

このように私立高校であれば大学受験を視野に入れた選択を行うことも可能です。しかし入試問題に関しては難易度が上がることが予想されます。

それに対して公立高校の学力テストは、教科書の範囲内で出題されることが多いです。一部のハイレベルな公立高校では独自問題が出題されることもありますが、この独自問題を行なっている高校は基本的にはそこまで多くありません。

しかし私立高校の場合は基本の出題形式が独自問題であり、教科書の範囲を超えた発展問題が出されるケースが多いです。

難関高校だと特にその傾向があるため、「志望校の過去問で出題傾向を分析する」など特別な対策をする必要があります。

大学受験の合格可能性を上げるために指定校制度のある高校や大学付属校を狙うのも良いですが、そもそもその高校に合格すること自体がそこまで簡単ではないので注意が必要です。

一般入試であれば試験日が被らない限り複数校を受験することが可能です。また、各高校で試験日を複数設けているところもあります。

公立高校の特徴

公立高校の受験科目は「英・国・数・社・理の5教科」であることが多く、学力テストは都道府県ごとに共通の内容が出題されます。合否に関しては、「学力テスト」「調査書」を組み合わせて行うことが多いです。都立に関しては「3年生の調査書」で判断します。

なお、どのような比率で判断するかは都道府県ごとに異なります。都立の場合は「学力テスト:調査書=7:3」という割合です。ちなみに、この調査書は私立では基本的に合否に関わることはありません。

上記のように公立高校を検討されている方にとって調査書の内容は非常に大切です。そのため、授業態度を良くしたり、定期テストで良い点数を取れるように普段からきちんと勉強しましょう。

また、一般選抜は前期・後期に日程が分かれます。ただし、この前期・後期制度に関しては受験業務の簡素化などから一本化されているケースもあります。

都道府県によって受験制度が変わる

公立高校では、都道府県によって受験制度が変わります。

例えば、千葉県の県立高校では「2021年度から前期・後期で分かれてる日程が一本化」されます。近隣の地域では埼玉県や神奈川県は既に一本化されていますね。

また、合否判定で使われる学力テストの結果と内申点の割合も各都道府県によって変わります。

このように入試傾向は各都道府県ごとに対策する必要があるのです。

私立と公立の違い

上記の「私立と公立の受験制度の違い」をまとめると以下の通りです。

私立高校

・受験科目は「英・国・数の3教科」
・一般入試の場合、内申点が合否に考慮されることはほとんどない

・入試傾向は各高校によって変わり、難関校レベルだと教科書の範囲外の発展問題が出題される場合も
・「指定校推薦枠のある高校」や「大学付属校」に通うことで大学受験の合格可能性をグッと上げることもできる

公立高校

・受験科目は「英・国・数・社・理の5教科」

・入試傾向は都道府県で変わる

・一般入試は前期・後期日程と2回実施される高校もある

・一般入試の場合、内申点が合否に影響することがある

私立高校対策

私立高校に合格するためには「各高校の出題傾向に合わせた対策」が不可欠です。。

先述の通り私立高校の入試では教科書レベルを超えた範囲が出ることが多いですし、特に各高校独自の出題は過去問で傾向を分析する必要があります。

公立高校対策

公立高校に合格するためには「基本的に内申点が合否に影響を与えるので早くから受験を意識して勉強する」ということが必要です。入試傾向や制度は各都道府県で発表されているので、必ずチェックしてください。

また、公立高校の場合は一部のハイレベル高校を除いては教科書の内容から出題されます。そのため、内申点のためだけでなく「入試に向けての学力を養う」という意味でも普段の授業を大切にしましょう。

もちろん各高校に合わせた対策をするには早めに志望校を決める必要があります。公立高校だと早いうちから動き出す必要があるため、「私立・公立のどちらかを受験するのか?」もしくは「両方受験するのか?」は早めに決めましょう。

受験制度2「受験方式とスケジュール」

受験方式と試験日の調整次第では、複数校受験することができるために選択肢が広がります。

効率良く受験を進めるためにも受験方式とスケジュールについて把握しましょう。

受験方式の違い(一般、推薦)

受験制度は主に一般入試と推薦に分かれます。

・一般入試

・推薦入試(単願・併願)

一般入試だけで受験を考えるのもいいですが、推薦で合格できれば他の受験生よりも早く受験勉強を終わらせることができます。

たとえ推薦で不合格だったとしても、一般入試で同じ高校に再受験することができるため、志望校に合格するための選択肢を広げることができます。

このように「一般入試+推薦」の組み合わせで併願数を増やすのも一つの受験戦略なのです。

また、学校の種類によっては同じ選抜方式でも内容が違います。

下記にて公立・私立の各選抜方式の違いを紹介します。

公立の受験方式(一般前期後期、推薦)

公立の一般入試は「5教科+調査書」で合否判定します。

学力テストの結果だけでなく、調査書も合否判定に使われるので、授業態度を良くしたり定期テストで良い成績を取っておくなど、中学1〜2生の時から対策する必要があります。

また、公立高校では前期・後期に日程が分かれます。


どの公立高校も後期日程があるわけではなく、募集定員に満たない高校・学科で実施されることも多いため、前期日程と比べると倍率が高く難易度が上がります。

なので、公立高校は前期日程の一発勝負と考えるべきです。リスク回避するためにも、併願校として試験日が被らない私立高校を併願しましょう。

また、公立の推薦入試は「一般推薦」「文化・スポーツ等特別推薦」の2つに分かれます。主に「調査書」「小論文・面接等の選抜方法」で合否判定されます。

調査点の得点の割合は最大50%までなので、当日の選抜結果で合否が大きく左右されます。

私立の受験方式(一般、推薦)

私立の一般入試の受験科目は3教科で、学力テストのみの結果を合否判定に利用します。

なので、内申点が悪くても当日の試験に不利にならないので、中学3年生から勉強し始めても十分に取り返せます。

しかし、試験当日の一発勝負なので、模試の成績がどんなに良くても試験の結果が悪ければ不合格になってしまいます。

なので、どんな問題がきても対応できるようにしっかり勉強する必要があるのです。

私立の推薦入試は、「単願・併願」の二つに分かれます。単願推薦は、合格したら必ずその高校に入学する必要があります。

一方、併願推薦の場合は複数校を受験することができます。併願の場合は、第一志望の都立などに合格した場合は辞退をしても問題ありません。しかし、第一志望に落ちた場合は原則として併願校に入学する必要があるので注意しましょう。

推薦で受験するためには、以下の条件に該当する必要があります。
・所属している中学校で推薦状を貰う

・各高校が基準とする推薦条件に該当する

各高校ごとに条件は違うので各高校のHPなどで把握しましょう。

また、推薦入試だとしても学力テストを課す高校もあります。内申点はあくまでも受験資格であり、合否は当日の学力テストや面接で判断するケースもあるため、過去問演習など志望校の対策はしっかりしましょう。

受験スケジュール

私立と公立では試験の時期が違います。私立高校では一般入試・推薦ともに1月から始まり、公立高校は2月上旬から選抜が始まります。

私立高校の受験スケジュール

一般入試:1月下旬~2月中旬
推薦:1月上旬~2月上旬

公立高校の受験スケジュール

一般入試(前期):2月上旬から中旬

一般入試(後期):2月上旬から3月中旬

こちらははあくまでも目安です。特に公立高校だと都道府県によって受験日が変わるので、自分の地域のものをしっかり確認しておきましょう。

また、公立高校のすべてで前期・後期日程と受験日が2回に分けられているわけではないので注意です。

まとめ

このように「私立・公立」「受験制度」「各高校」などによって受験日は違います。
公立高校は、一般入試の場合は都道府県ごとに一律の受験日ですが、私立高校は各高校によって受験日が違います。そのため上手く受験日をズラして複数校受験するのがオススメです。

また、1校しか受験しないと不合格のリスクも上がります。そのため私立の併願制度なども上手に活用しながら、志望校よりも難易度が低い滑り止め校も受験したほうがより安全でしょう。