高校受験キホンのキ(東京都版)

高校で利用できる
補助金制度は
何があるのか?

高校に通うとなると、親御さんにとっては金銭的な問題も重要です。国公立に通うか私立に通うかだけでも家計への負担はかなり変わってきます。そんなお金の問題を考えるときに知っておきたいのが「高校で利用できる補助金の制度」です。

高校に進学して使える補助金には特待生制度のように一部の生徒が利用するものや、ほとんどの高校生が利用しているものもあります。ここでどんなものがあるか押さえておきましょう。

高校で使える補助金制度について

高校に通う場合に使える補助金には、国が支援してくれるものや自治体が支援してくれるもの、そして各高校独自のものもあります。どんな支援制度があるか見てみましょう。

都立の金銭補助制度について

まずは都立高校に通う場合に利用できる補助金について見てみましょう。都立高校の場合は国からの支援が主になります。

高等学校等就学支援金制度

この「高等学校等就学支援金制度」というのは国が行っている制度です。都立のみならず国公立・私立に通う高校生を対象に授業料の補助を行っています。

ここでは都立高校に通う場合の概要をご紹介します。

こちらの制度は多くの高校生が利用しています。その理由のひとつが「支給条件」です。世帯年収の目安が910万円未満となっており、多くの家庭が利用しやすい条件で設定されています。

また、申請も入学した学校から案内が来て「申請書」「マイナンバーカードのコピー」を提出するだけなので、比較的簡単に手続きが済みます。

これによって都立高校に通っている間の「授業料」が全て無料になります。

ちなみにこの制度は私立高校にも適用され、私立高校の授業料実質無償化が実現しています。ですが、都立の場合と条件や給付金が異なるのでまた後で説明します。

高校生等奨学給付金

高校入学でかかる費用は、授業料以外にもたくさんあります。

入学金や教材費、修学旅行費などさまざまな費用を支援してくれるのが、この「高校生等奨学給付金」です。こちらは低所得者に向けた制度で、生活保護を受給している世帯や非課税の世帯が対象となります。

給付金額は変わりますが、私立高校でもこの制度は利用できます。

私立の金銭補助制度について

私立高校は都立よりも授業料などがどうしても高額になります。そんな私立高校で活用できる補助金制度はないのでしょうか?

私立高校実質無償制

先ほど都立高校で活用できる制度としてご紹介した高等学校等就学支援金制度は、私立高校にも適用されます。

とはいっても元々私立と都立では授業料に差がありますから、都立高校と同じ金額の補助では全てをまかなえませんよね。それを受けて2020年4月にこの制度が改正され、私立への補助金がプラスされることになりました。

条件としては世帯年収約590万円未満を目安に、一律で396,000円が支給されます。

あくまでも「実質」無料化であるという点に注意!

この396,000円という金額ですが、これは私立高校の授業料の平均額です。つまり、これよりも授業料が高い高校の場合、差額分は負担することになります。

このように場合によっては負担分が発生するケースがあるので、「実質」無償化とされています。

より詳しいことはこちらの記事をご覧ください。
(リンク)

高校独自の支援制度

私立高校では独自の制度で在籍生徒への助成を行っているところがあります。よく聞く特待生制度もそのひとつです。ここではいくつか例を出して説明しますが、以下で挙げる以外の高校でも多くの支援制度があるため、受験予定の高校について調べてみるのが良いでしょう。

帝京高等学校

「S特待・A特待・B特待」があり、それぞれ免除される範囲が異なります。S特待となると「年間で914,000円の費用が免除」されます。

東京純心女子高等学校

1年生は入学試験において、2・3年生は「前年度の成績上位者が1年間教育充実費(241,200円)を免除」される特待生制度があります。

淑徳SC高等部

成績優秀者が対象の「給付制奨学金制度」「特別優遇制度」があります。特別優遇制度は、第一志望で受験した生徒・卒業生の子女や姉妹・在校生の姉妹・双子などを対象としている特徴的な制度です。入学金の免除や授業料の半額などがあります。

自治体独自の支援策

住んでいる都道府県や自治体が独自で行っている補助金制度もあります。ここではいくつかの自治体の制度を紹介します。一度お住まいの地域にもこうした制度がないか調べてみてください。

東京都

東京都では私立高校に通う高校生を対象に、「授業料軽減助成金」制度があります。

こちらは年収目安910万円の世帯に対して、すでにご紹介した高等学校等就学支援金と合わせて461,000円まで助成してくれます。

神奈川県

神奈川県では私立高校に通う高校生を対象に、「私立高等学校等生徒学費補助金」の制度があります。

年収目安750万円未満を対象に段階的に補助額が変わります。こちらは授業料入学金の両方が助成の対象です。

千葉県

千葉県では私立高校に通う高校生を対象に、「高校生等奨学給付金」の制度があります。

こちらは生活保護世帯や非課税の世帯を対象としており、最大で52,600円が支給されます。

まとめ

都立高校でも私立高校でも、様々な支援制度が充実しています。特に私立高校は独自に設けている助成制度もありますので、受験校を選ぶ段階からよくお子さんを話し合い、しっかりと視野にいれておきたいですね。