都立の
進学重視型単位制高校
とは?
「進学重視型単位制高校」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?その名の通り単位制の高校であり、より生徒の進学を重視している高校です。
もちろん「高校はどこも進学重視なのではないか?」「高校生なのに単位があるのか?」と思う方もいるでしょう。
そこでこの記事では、あまり馴染みが無い方も多いであろう「進学重視単位校」についてご説明します。
進学重視型単位制高校とは?
「進学重視型単位制高校」とは、「生徒個人の志望大学に合わせて必要な科目を自由に選択できる都立の単位制高校」の事を指します。
一般の都立高校とは違い受ける科目が決まっていないため、大学生のように自分で好きな科目を履修して単位を獲得することができるのです。主に3校あります。
1 東京都立新宿高校
2 東京都立墨田川高校
3 東京都立国分寺高校
単位制高校の特徴
「自分で時間割を組み立てられる」ということが一番の特徴です。勉強科目を自由に組み立てられるので、自分の希望進路に沿った科目に取り組むことができます。
基礎から始まり、応用部分まで志望大学に合わせることができるので明確な目標がある生徒にはぴったりの高校と言えるでしょう。
当然「自分の進路に必要じゃない」と思う科目は選択しなくて大丈夫です。しっかりと自分の行きたい大学に必要な科目を好きなだけ履修できるというのは何よりのメリットです。
「学校制度」について
今回取り上げている「進学重視型単位制高校」のように「単位制の高校」という特色を持った高校が東京都にはあります。
このような特色を持った高校は他にもあるので、どのような種類があるのかをここでご紹介します。
- 進学重視型単位制高校
進学に力を入れる単位制高校の新宿、墨田川、国分寺の3校が指定されています。大学進学に対応した選択科目、補習授業、進路指導があるのが特徴です。
- 併設型中高一貫教育校
高等学校に中学校が併設している学校のことで、中学校に通学する生徒は無試験で高等学校に進学できます。
- 中等教育学校
中学校と高等学校のカリキュラムを統合した教育を行う学校です。前期課程(中学相当)と後期課程(高校相当)にわかれ、一部例外を除き、高校入学の募集は行っていません。
進学重視型単位制高校の取り組みについて
それでは「進学重視型単位制高校」ではどのような取り組みがされているのでしょうか?
- 生徒の習熟度に応じたクラス別授業や7時間授業
- 「朝」「放課後」「土曜日」「長期休暇中」などに補習授業や講習を行っている
- ホームルームの時間などを利用して、充実した進路指導を行っている
- 大学進学を見据えて、受験に必要な様々な科目を設置している
どのような入試問題が出題されるのか?
「進学に特化している高校の入試問題とはどのようなレベルなのだろうか?」と考える方も多いかと思います。それでは実際にどのような問題が出題されているのでしょうか?
進学重視型単位制高校では「自校制作問題」が出題されます。
以下の3校の問題については、学校ごとで一部異なる箇所がありますが難易度はそこまで差が無いので、今回は「東京都立新宿高校」の平成26年度の問題を扱います。
数学
出題分野
平方根、二次方程式、確率、作図、平面図形、二次関数、空間図形
かなり幅広い範囲から出題されるというのが特徴ですね。
傾向・特徴
【大問1 小問集合 計7問】(約15分)
【大問2 基本問題 計3問(2次関数)】(約10分)
【大問3 基本問題(円に内接する四角形 計3問】(約12分)
【大問4 標準・応用問題(立体問題)計3問】(約12分)
このように問題数が比較的多いため、一つ一つの問題に時間を費やすと時間がありません。そのため、分からない問題を飛ばしながら取り組むことも大切です。
また、問題の出題レベルは「標準レベル」です。点数の差がつくのは応用レベルなので、標準レベルでのケアレスミスをできるだけ避けましょう。基本や標準問題でいかに満点を取れるかがカギとなります。
差をつけるポイント
大問ごとの最終問題には、少しひねったような応用レベルの問題が出題されます。ここでいかに「満点」を取れるかが非常に重要です。
対策ポイント
一番大切なのは「基本・標準問題でケアレスミスをしない」事です。問題の約7割が「都立共通問題」レベルであるため、過去問を何度も繰り返し行いましょう。
しかしそれだけでは足りません。全ての大問で、必ず教科書レベルを超えた「応用問題」が出題されます。
そのため、私立高校の過去問題集等に取り組み独自問題に対応できる学力を身につける必要があります。
国語
出題分野
- 漢字の読み書き、文学的文章、説明的文章、古典
数学と同様に幅広い知識が問われます。
傾向・特徴
【大問1 漢字の読み書き】(目安1〜2分)
【大問2 文学的文章 計6問】(目安12分)
【大問3 説明的文章 計6問】(目安20分)
【大問4 現代語訳が付いた古典+その内容を論じた随想文 計6問】(目安12分)
漢字の出題語彙は応用レベルです。設問自体の難易度はそこまで高くありませんが、文章の難易度が大学入試レベルのため注意が必要です。
そのため私立高校の過去問題集等を利用して、そうした応用レベルの問題に対応できるようにしておきましょう。
差をつけるポイント
200字の記述問題に対応出来るか否かが合否の分かれ目です。平成26年度版は大問3の最終問題に記述問題がありました。
英語
出題分野
- リスニング(都立共通問題)、対話文、説明文(独自問題)、物語文
傾向・特徴
【大問1 リスニング(都立共通問題)】
【大問2 対話文の問題 計6問】(目安12分)
【大問3 説明文 計6問】(目安15分)
【大問4 物語文 計7問】(目安14分)
英語では、「大問2〜4」において1ページ以上の長文を3題読む必要があります。
そのため、長文読解をする「集中力」とそれを続ける「持久力」の勝負となります。また、応用問題が数問あるので読解力をしっかり高めておきましょう。
差をつけるポイント
応用問題がかなりハイレベルなため、基本や標準問題でいかに満点を取れるかが勝負です。
特に長文の量が多い為、「日頃からこの量に慣れているか」も重要になってきます。
対策ポイント
長文読解の力を養う事が最優先です。「英単語」や「英熟語」など覚える事も大切ですが、それ以上に長文に慣れるように時間を費やしましょう。
1ページ以上にもわたる長文が連続して出題されるため、いかに「速く」「正確に」「集中力を切らさずに」読めるかが勝負です。
このように長文読解力を上げたい生徒にお勧めの参考書をご紹介します。
まとめ
このように進学重視型単位制高校では、大学受験を見据えて生徒の希望に沿った勉強ができる体制が整っています。
すでに興味のある進学先などがある方は、一度こうした高校も検討してみると良いかもしれません。