高校合格後に
やるべき手続きとは?
志望校に合格すると「やっと試験が終わった」と安堵する人が多いでしょう。これまでの長い受験勉強から解放されて、緊張が一気に解きほぐされるのでその気持ちになるのも当然です。
ただし、ここで油断は禁物です。合格発表が終わった後もやるべきことはあります。
今回は、具体的に「合格した後に忘れずやらなければならないこと」をご説明します。
受験は合格発表では終わらない!
多くの人は合格発表の場で「無事に合格できた」との安堵感から「入試が終わった」と感じます。多くの緊張から解き放たれますので、このように感じるのも不思議ではありません。
しかし、入試は「合格すれば終わり」ではなく「入学手続きが完了すれば終わり」です。
合格発表が終わった後も、入学のための手続きが待っています。これを忘れてしまっては、せっかく手にした合格も無効になる可能性があります。
そのような事態にならないために、「合格した後も様々な手続きがある」と心に留めておいてください。
必要な手続きも忘れずに行おう!
合格後に必ずやらなければならないことに、各種手続きがあります。これを忘れてしまうと、最悪「合格取り消し」になってしまうので要注意です。
どのような手続きが必要となるかは、「私立高校」「都立高校」のどちらに合格したかによって異なります。それでは、それぞれについて具体的な手続き内容をご説明します。
私立の場合
まずは私立高校の場合です。合格後に気をつけてもらいたいポイントは以下の2つです。
・期日までに学費などを振り込む
・入学手続き書類を提出する
それぞれについて詳しくご説明します。
期日までに学費等を振り込む
期日までに学費などを振り込みましょう。振込を忘れてしまうと、入学手続きができないなどの問題が起きます。
私立高校の場合は、学校によって振り込みの方式が異なります。大きく分けると「一括方式」か「二段階方式」のどちらかです。
高校によっては両方の方式から選択できる場合もありますし、どちらかに指定されている場合もあります。どの振り込み方式を採用しているかは入学案内に記載されているので、そちらで確認しましょう。
以下では2種類の支払い方法についてご説明をします。
一括方式
一括方式とは「入学金と初年度の授業料の一部(1学期分など)」をまとめて支払う方式です。
一括で支払いをしますので、振込手続きが1回で完了するメリットがあります。ただ、一気に現金を支払わなければなりませんので、事前に支払いの準備をしておかなければなりません。
二段階方式
二段階方式とは「入学金と初年度の授業料の一部」を別々の締め切りで支払うものです。
この場合、支払期間が異なりますので、2回に分けて振り込みしなければなりません。
その代わり、1回あたりの支払い金額が少なくなりますので、支出の負担を分散できるメリットがあります。
入学手続き書類を提出する
入学手続き書類の提出が必要です。提出しなければならない書類は高校から郵送されてきますので、届いたらすぐに中身を確認しましょう。
提出しなければならない書類は高校によって異なります。代表的なものとしては「入学に合意する書類」「個人情報の登録に関する書類」「住民票」などが挙げられます。
書類の名称は高校によって異なる場合がありますので、実際に届いたものを確認してみましょう。
書類が複数あると、提出期日が異なる場合があります。どの書類をいつまでに送付しなければならないのかを確認し、送付期限を過ぎることがないように意識しましょう。
発行に時間がかかる書類もあるので余裕を持って準備しよう!
送付しなければならない書類の中には、発行に時間がかかるものがあります。上記の例の中では「住民票」がこれに該当します。
例えば住民票を手に入れるためには、市役所などに出向かなければなりません。市役所の受付時間は決まっていますので、時間を作って受け取りに行かなければならないのものです。
また、市役所などが混雑している場合もありますので、時間に余裕を持っておく必要もあります。
上記は一例ですが、このように高校から求められる書類の中には発行に時間がかかるものもあります。締め切りが近づいて焦って用意することがないように、必要書類を確認して余裕をもって用意しましょう。
都立の場合
続いて都立高校の場合です。合格後に気をつけてもらいたいポイントは以下の3つです。
・合格者はその場で書類を受け取る
・期日までに入学金を支払う
・指定日に高校に書類を持ち込む
それぞれについて詳しくご説明します。
合格者はその場で書類を受け取る
都立高校の場合、合格者は合格発表の場で入学に必要な書類を受け取ります。そのため、合格確認へは本人が必ず行かなければなりません。
もし合格していることに満足し必要な書類を受け取らなければ、入学手続きに関してトラブルの原因となります。
また、高校によっては書類の受け取りをした後に、制服の採寸をする場合があります。全ての高校で実施されるわけではありませんが、採寸がある場合には帰宅時間が遅くなりますので、予定には余裕を持っておきましょう。
期日までに入学金を支払う
必要な書類を受け取った後は、入学金の支払いが必要です。
入学金の支払い期日は、「合格発表の翌日から土日祝を除いて5日以内」です。あまり期日まで余裕がありませんので、忘れず早いうちに振り込みを済ませておきましょう。
なお、全日制の入学料は5,650円です。入学手続きにあたり、まずはこの金額だけを納付します。
それ以外にも「授業料」「制服代」などの費用を支払わなければなりませんが、これらの支払いは別に期日が設けられています。
いくつかの支払いがありますが、「入学金」だけは期日が近いため、間違えないようにしましょう。
指定日に高校に書類を持ち込む
合格後に受け取った入学の手続き書類は、指定日に高校へ持ち込みます。郵送での提出はできないので、必ず予定を空けておきましょう。
2020年度入試の場合は、「3月2日(月)」に合格発表があり、書類の持ち込み日は「3月2日(月) 9:00~15:00」と「3月3日(火) 9:00~12:00」に指定されました。
基本的に持ち込みまでの時間には全く余裕がありませんので、日程をよく確認し必ず時間内に提出できるようにしましょう。
なお、書類は持ち込みに行くのは「本人のみ」「保護者のみ」「本人と保護者」のいずれでも差し支えありません。仕事の都合などで保護者の予定が合わなくとも、本人のみで持ち込めるようになっています。
ただ、誰が持ち込みする場合であっても、書類に不備がないかよく確認しておきましょう。特に銀行引き落としに関連するものは、一旦銀行に持ち込んで手続きが必要です。
忘れてしまうと再提出などのトラブルになりますので、記入例と比較して間違いがないか改めて確認することをおすすめします。
もし提出書類に不備があると、一旦持ち帰って修正しなければなりません。本人だけで修正できる場合は良いですが、「銀行引き落とし情報」など保護者が確認した方が良いものもあります。
このような場合に備えて、本人と保護者の両方で提出日は予定を空けておくべきです。
振込後の入学取り消しはできるのか?
入学金などを振り込みしてから、何かしらの理由で「入学を取り消したい」と考える場合もあるでしょう。
実は入学金などを振り込みしていても入学を取り消すことは可能です。例えば「滑り止めの私立に合格し入学手続きをしたが、第一志望校の都立に合格したため取り消ししたい」などに対応してもらえます。
ただ、振り込みしたお金は基本的に一部しか返ってきませんので、この点には注意が必要です。例えば「授業料は返ってくるが入学金は返ってこない」ということもあります。
もし入学を取り消しした場合どのお金が返ってくるのかは、入学手続きの書類に明記されています。入学を取り消しする可能性がある場合は、これらを事前に確認しておきましょう。
まとめ
多くの人が「高校入試は合格発表で終わる」と感じてしまいます。緊張感から解放されますので、これは仕方がないことでしょう。
ただし、もっと正確に言えば「高校入試は入学手続きの完了で終わる」ということが当てはまります。上記のように合格してからもやらなければならない手続きがあるのです。
これを忘れてしまうと、せっかくの合格も水の泡になる可能性があります。
入学手続きの内容は、私立高校と都立高校ではやや異なります。該当する内容を確認し、入学手続きでミスがないように意識しましょう。