高校受験キホンのキ(東京都版)

受験した高校全て
不合格だった場合は
どうすればいい?

もし我が子が高校受験で受けた学校すべてにおいて不合格を貰ってきたらどうしますか?

もし全滅の状態だったとしてもまだ諦めないでください。まだお子さんが春から高校生としてスタートする道は残っています。その対応方法について見てみましょう。

高校受験で全滅した時はどのようにすれば良いのか?

高校受験では全員が志望校に受かるわけではありません。はっきりと合格・不合格の線引きがされる受験では、「どの学校にも受からなかった」ということも起こりえます。

考えたくないですが、もしそれが自分の子供に起こったら…どうすれば良いでしょうか?

そもそも全滅することはあるの?

実際、過去に高校受験をしてきた生徒たちで「受験した高校全てが不合格だった」という事態はあるのでしょうか?それともほとんどないケースなのでしょうか?

これは残念ながら一定数の受験生に起こります。

大学受験よりは人数は少ないですが、実力勝負である以上可能性が0というわけではありません。

当日に実力がうまく出せなかったり、実力の及ばない学校ばかりを受験すると全滅してしまうということは誰しもに起こるのです。

全て不合格になった時の対応方法について

もしお子さんがすべて不合格になってしまったら、もう諦めて浪人させるか就職させるかしか道は残っていないのでしょうか?

実は予定していた受験校が全滅でも残されている道はあります。まだ諦めずに次の対処法を考えてみてください。

二次募集(分割後期募集)

学校によって「二次募集」や「分割後期募集」をしているところがあります。

二次募集は、一次募集で合格した生徒のうち、実際に入学手続きをした人数が定員に満たなかった場合に行われます。

この制度は都立高校でも私立高校でもあり、「受験者数が定員割れした」「受験者の中から合格ラインを満たす生徒が足りなかった」というようなケースがあります。

分割後期募集は、都立高校で行われる入試形式で、もともと前期と後期の2回に分けて入試が実施されます。

二次募集も分割後期募集も同じ時期に試験が行われます。全て不合格になった場合でも、こうした試験を受けることで「どこにも合格していない」という状態を回避することができるのです。

選考方法

二次募集や分割後期募集では、実際の選考方法はどのようになっているのでしょうか?

まず都立高校の場合ですが、合否の決め方は一次募集や分割前期募集とほぼ変わりません。ただし学科試験の教科は「国語・数学・英語」の3教科が原則です。

「入試得点+内申書の評定=1000点」として、その得点の高い順に合格となります。この1000点の内訳ですが、これは一次募集や分割前期募集と異なり、「5:5」あるいは「6:4」となります。(一次や前期は「7:3」が原則)

またこれに加えて、「面接・作文・小論文・実技試験(芸術家や体育科)」などが加わる学校もあります。

次に私立の場合ですが、こちらも学科試験の教科は「国語・数学・英語」の3教科を設定しているところが多く、それに加えて「面接」を設定している学校も多いです。学校によってはこの3教科の中から2教科を選択することもあります。

その他「作文・小論文・実技試験」が加わるかは学校や学科によって異なります。

補欠合格(繰り上げ合格)

主に私立の高校入試で行われるのが補欠合格です。繰り上げ合格とも言いますが、「一次募集で補欠合格の通知が来た」というお子さんもいるかもしれません。

選考方法

すでに合格した生徒の中に合格を辞退する生徒がいれば、成績の良かったお子さんから順に合格が繰り上げられます。

そのため、補欠合格は必ず繰り上げられて合格するとは限りません。

「毎年〇人くらいが繰り上げられて合格する」と分かっていても、実際にその年で何人が合格を辞退するか分かりませんよね。

また補欠合格の中で自分が上から何番目に位置しているのか分からない場合もあります。

高校受験で浪人はありなの?

行きたい学校に受からなかった場合、大学受験なら浪人も考えられますが、高校受験では浪人はありなのでしょうか?

そもそも身近で「高校受験浪人」をしている子の話を聞いたことがないかもしれません。

文部科学省が発表しているデータを見てみましょう。一番新しい数字では以下のようになっています。

中学卒業者数:約116万人
高校進学者数:約114.6万人
(平成30年版統計より)

通信制高校を含み、中学生の約98%以上は高校に進学していることが分かります。
進学しなかった約2%(約1万人)のうち、就職した子、病気などで進学できない子など色々なケースを除くと、純粋に高校受験で浪人しているのは全体の「1%ほど」だと考えられます。

全くいないわけではありませんが、かなり珍しいと言えるでしょう。決して浪人することが悪いことではありません。

けれど浪人してまで入りたい高校があるのなら、その分を大学受験で頑張るなど、長期的な目で見ることも必要です。

学力レベルはほぼ下がる!

二次募集や分割後期募集においては、ほとんど自由に行きたい学校を選ぶことはできません。自分が今のレベルで受けられる学校しか選べないのですからそれは当然です。

また学力レベルはほぼ下がるものと考えた方が良いでしょう。

そもそももう後がない状態ですから、そんな状況で自分の学力で受かるかどうか微妙な学校を受けるのも怖いですよね。ですからこの場合は、自分の学力レベルより下の学校を受けるのが安心です。

まとめ

周りの子の中にはもう通う高校が決まっている子もいて、その中で入る高校が決まっていないのは精神的に辛いものがあります。

もし受験した学校がすべて不合格だった場合、そんなお子さんの精神的なケアと共に、受験校の選定も親御さんが力になってあげてください。