保護者はどこまで
志望校を決めることに
関わるべきか?
保護者はどこまで志望校決めに関わるべきか?
ほとんどの中学生にとって、高校受験が初めての受験経験です。そのため、何をすれば良いのか分からず不安に感じるお子様もいるでしょう。
当然保護者としてはお子様のサポートしてあげたいですよね。しかし「どの程度まで保護者が受験に関わって良いのか」を判断するのは難しい問題です。
そこで今回は「保護者はどこまで志望校を決めることに関わるべきか」をテーマにしていきます。
保護者はあくまでサポート!
受験は親子同士が協力して、二人三脚で乗り越えなければなりません。なぜなら、勉強をするのはお子様ですが、保護者はお子様が受験勉強に集中するための環境を作るサポート的な役割を担うからです。
しかし、保護者の役割はあくまでもそうした「サポートする」という立場であることを認識しなければいけません。そのため、受験に臨むお子様の勉強を妨げない配慮をするように心がけましょう。
このように保護者の方のスタンスはサポートであるため、「保護者が一方的に結論を出したり、お子さんの意見を否定する」という行為は避けるべきです。
では、保護者がお子さんのためにできることとは何でしょうか。それは2つ挙げられます。
イベント参加を勧めてみる
「高校のオープンキャンパス」「文化祭」「ボランティア活動」「自治体が行なっている中学生向けのイベント」などへの参加を勧めてみましょう。
お子様がこうしたイベントの存在を知らないのであれば、それだけで多くの情報を知る機会が失われます。保護者の方が積極的に調べ教えてあげることによって、視野を広げるきっかけを作りましょう。
自身の経験談を話す
ご自身の進路にまつわる経験や失敗談をお子様に話しましょう。もちろん世代が違うので全てが参考になるとは限らないのでその点は注意です。
自分では話せるような内容が無いと思えば、学校の先生や塾の講師にも依頼してみましょう。保護者の方の代わりに進路の体験談をお子様に話してくれるはずです。
以上のような情報や機会を提供することで、信頼関係を持って受験に臨むことができるでしょう。
保護者が決めるべきところは決めよう!
とはいえ、「学校選び」に関しては本人の意思だけを尊重するのはなるべく避けましょう。特に「費用の問題」「通学先」「学校の評判」は保護者が主導して検討する必要があります。
では具体的にどのような面で保護者が先導してあげると良いのでしょうか?
私立か都立か
お子様と進路の相談をする上で、確認しておきたいのが「私立と都立のどちらを受験するか」ということです。なぜなら、「私立」と「都立」では必要な費用に差が生じるからです。
それでは具体的に、私立と都立における「学費」と「受験費」の比較をしてみましょう。
授業料
東京都内の「私立高校」の平均年間授業料が「約46万円」であるのに対し、「公立高校」の年間授業料は「118,800円」です。公立高校より私立高校の方が「4倍」も授業料が高いということがわかります。
受験料
「公立高校」の受験料が「2,200円(福岡と佐賀は2,100円)」であるのに対し、平成30年度での「私立高校」の受験料の平均は「15,988円」です。私立高校の受験費は公立の「約7倍」であることがわかります。
もしお子様に私立で学びたいことや強く希望する活動等がなければ、都立への進学の方が金銭的な負担は低いと考えられます。
高校の所在地
保護者が知っておくべきポイントとして「高校の所在地」が挙げられます。高校の所在地によって「通学時間」「通学の費用」が変わるためです。
特に気をつけて欲しいのは「通学時間」です。高校に進学すると、今までの生活環境は大幅に変化します。
勉強する科目数が増え、勉強の難易度が上がることで中学以上に負荷がかかります。また、部活動や課外活動によって忙しい生活を送ることになるでしょう。
そのような時間に余裕のない生活の中で、「通学する」ことに時間を奪われることはもったいないです。首都圏での満員電車での通学によって、体力的にも精神的にも消耗する可能性もあります。
そのため、高校を選ぶ際には「3年間毎日通学する」ということを想定することが必須です。さらに、実際にお子様に通学時間帯に学校まで登校させることも役に立つと思います。
評判
希望する学校に対する「評判」は前もって確認したいところです。実際に通学しているお子様を持つ友人、知人から情報が得られると良いでしょう。もちろんネットで志望校を検索することで、必要最低限の情報を確保することは可能です。
学校のある「地域の治安」や「学校の特色」に絞って情報を集めましょう。
また、大学受験を見据えて「進学実績」を知ることも重要です。
受験では、大前提として個人の努力や工夫が必要になります。最終的に試験を受けるのはお子様本人であるため、そこが疎かになっては意味がないのです。
しかしそれと同様に「勉強する環境」も大切です。どれだけ意識していても、周囲の人や環境の影響を受けてしまう可能性はあります。周囲が受験に対しての意識が弱ければ当然その雰囲気はこちらにも伝わってしまうでしょう。それでは勉強に身が入りません。
しかし高い進学実績がある高校なら、そうした勉強に打ち込むための環境が整っている可能性は非常に高いです。
このように「地域の治安」「学校の特色」「進学実績」といった評判を調べていくことで、お子様も受験に関心を持つようになります。
子供が決めるべき点
今までは「保護者」が主導して決めるべき点を挙げてきました。ここからは、「お子様」が判断するべき点について見ていきます。
偏差値
受験校を決める指標となるのが「偏差値」です。
進路先を話し合う際に避けるべきことは、保護者が「現状のお子様の偏差値に基づいて進学先を一方的に決めてしまうこと」です。
確かに現状の偏差値から進路を決定することは理にかなってます。特に保護者としては少しでも合格可能性のある高校を受験してほしいと思っているでしょう。
しかし、現状の偏差値だけで決めるのはもったいないです。偏差値は、正しく計画を立ててきちんと勉強すれば十分に伸ばせます。
そのため、例え偏差値が高くてもお子様が純粋に行きたい高校を目指すべきです。その方が本人のやる気も引き出せます。偏差値の高い高校であっても、本人に「モチベーション」があれば、合格する可能性は十分にあるのです。
高校でやりたいこと
高校でやりたいことが決まっていると、それが本人のやる気直結します。そのため、もしお子様のやりたいことが明確なら、ぜひそれを志望校選びのメインにしても良いでしょう。
さらに、やりたいことが明確だとそれに対して取れるアクションも変わります。例えばやりたい部活動がある場合は、その部活動を見学し、可能であれば参加させてもらうと良いでしょう。そうすることで、部活を体験できるだけでなく実際の学校の雰囲気も掴むことができます。
また、興味のある授業やカリキュラムがあればそれに関することも説明会などで聞いてみましょう。
授業内容や学校行事は高校ごとに様々です。「留学を単位として認める学校」「生徒の集中力をあげるため座禅を取り入れている学校」など、都内には様々な特色を持った学校があります。
さらに顧問や先輩方から話を聞くことで、進学将来に対する不安も解消されるでしょうこともあります。
受験勉強も重要ですが、上記のように受験に合格した後の自分の「将来像」について考えることが受験へのモチベーションへと繋がります。自分の将来を考える時間を持たせることは保護者にできることの一つだと思います。
まとめ
「保護者が決めるべきこと」と「お子様が決めるべきこと」を解説しました。保護者としての希望をお子様に伝えることは重要ですが、可能な限り家族で相談した上で志望校を決定することが最善であると考えます。