「友だちと同じ
志望校に行きたい!」
という選び方はアリか?
高校を志望する理由は人それぞれです。それらの理由の中には「友達と同じ高校に行きたい」というものもあります。
ただ、保護者からすると「友達と同じという理由だけで良いのだろうか」と考えてしまうことがあるようです。できれば「自分の好きなことや偏差値に合わせて志望校を選んでほしい」というのが本音ではないでしょうか?
結論としては、「友達と同じ高校に行きたい」という理由で志望校を決定するのも良いでしょう。今回はその理由についてご説明をします。
友達と同じ志望校に行くのはあり?
中学生が志望校を決める段階では、なかなか本人が「将来につながる」というイメージを持てないものです。まだまだ人生経験も深くはないためそのようなイメージが湧かないのは当然と言えるでしょう。
そのため、「友達と同じ志望校だから」との理由で志望校を決めるのも選択肢の一つとしてアリなのです。
もちろん保護者からすると、もっと明確な理由を持って欲しい場合もあるでしょう。しかし、このような理由を否定せず、本人の考えを尊重してあげることが重要です。
選択肢の1つとして考えるのはアリ!
志望校の選び方は人それぞれです。様々な観点がありますし、学区以外にルールや決め方は存在しないと言ってよいでしょう。
代表的な志望校の選び方は、「高校生活の雰囲気で選ぶ」「偏差値や進学実績で選ぶ」「部活動の成績で選ぶ」などです。
生徒自身が「高校生活はこうでありたい」と具体的にイメージして、それを実現できる高校を志望校にするのが良いでしょう。
もちろん、これらはあくまでも「代表的な理由」に過ぎません。この中に「友人がいれば楽しく過ごせるから同じ高校を選ぶ」という意見を入れるのは悪くありません。
自分なりに楽しい高校生活がイメージできているわけですので、上記と同様にそれを実現できる高校を志望校としていると言えます。
志望校を決定するにあたり、重要なのは「自分のイメージする高校生活を実現できるか」ということです。それを踏まえ、友人がいることで思い描く高校生活となるのであれば、それも十分な志望理由となるのです。
メリット・デメリットを理解した上で志望校を決めよう!
上記のとおり、友人と同じ志望校を目指すのは悪くありません。ただ、これにはメリットとデメリットがあります。考慮するべきことがありますので、これらについて以下ではご説明します。
メリット
まずはメリットをご説明します。
友人と同じ目標に向かって勉強できる
友人と同じ志望校を目指すことで、同じ目標を目指す仲間が増えます。
一般的に受験は「孤独な戦い」と言われます。最終的には個人戦となりますので、一人で頑張るしかない部分が多いのです。
ただし、孤独な戦いとは言われるものの、一人よりも複数人で勉強した方がはかどる場合もあります。もちろん全員がそうではありません。しかし「周りに仲間がいる方がやる気が出る」という方がいても不思議ではありません。
そうした受験生にとっては、今回のように同じ学校を目指す友人がいることは大きな力になるでしょう。
モチベーションが上がる
「友人と同じように勉強できることでモチベーションが上がる」というメリットがあります。
同じ志望校を目指すと、「友人と一緒に合格したい」という気持ちが芽生えてきます。
このような気持ちがあることで「同じ高校に行くためには勉強をサボっていてはいけない」という考えにつながり、一人では勉強をサボりがちでも友人がいることで頑張れるようになるのです。
もちろん、モチベーションを上げるためとはいえ必ずしも毎回友人と一緒に勉強する必要はありません。「同じ志望校を目指している友人がいる」「友人と同じ学校で高校生活を送りたい」という気持ちを持つことが重要なのです。
良いライバルとなれる
「同じ高校を目指すことで良きライバルになれる」というメリットがあります。
様々なことのスキルアップ方法の一つとして「切磋琢磨」というものがあります。これは、ライバルを見つけお互いにスキルアップしていくというものです。これは受験勉強においても当てはまります。
例えば数学の問題で「友人は解けるが自分は解けない」というものがあったとします。このような問題があると「ライバルに負けている」との気持ちを持つはずです。
そのためライバルに負けないように勉強に励むようになり、その問題が解けるような努力をするようになるでしょう。
このように、ライバルがいることで勉強において「悔しい」と思う可能性が高まり、それをバネとして学習に励めるようになるというメリットがあるのです。
デメリット
続いてデメリットもご説明します。
モチベーションが友人との仲に左右される可能性がある
「友人と同じ志望校にすると受験のモチベーションが友人に左右されてしまう」というデメリットがあります。
志望校の選択理由が「友人と同じ高校だから」だけの場合、友人との仲が悪くなると受験のモチベーションにも影響します。
「友人と同じ高校で過ごしたい」とイメージしていたものが無くなりますので、必然的にその高校を受験する理由も無くなってしまうのです。
もちろん自分の人生ですので、踏ん張って自分なりに高校受験はしなければなりません。
しかし、どうしても「友人と同じ高校生活が楽しみ」と考えている場合は、高校受験そのもののモチベーションが下がりかねないため注意です。
ハイレベルな高校だと合格できるか心配
ハイレベルな高校の場合、学力差から高校に合格できない可能性があります。
友人と自分が同じくらいの学力であれば、同じ志望校を目指す場合でもある程度余裕を持てるかもしれません。
しかし友人の学力が自分より高い場合、勉強しても学力面で追いつけない可能性があります。つまり、「友人は合格しても自分は合格できない」ということもあり得るのです。
友人と同じ高校を目指すことは決して悪くありません。ただし現状で学力差がある場合は、現実的に考えてその高校に合格できるのかを常に見極めるように意識しましょう。
高校自体とのミスマッチが起きる可能性はある
「高校とのミスマッチが起こる」という可能性があることもデメリットです。例えば「校風が合わない」「制服が好みではない」「立地が良くない」「学内イベントが楽しくない」などが挙げられます。
これは「友人と同じ高校に行きたい」という理由だけで決めたことで、その高校について詳しく調査しなかったために起こってしまいます。「友人が志望しているのだから良い学校なのだろう」と勝手にイメージしてしまうこともあるのかもしれません。
いくら友人との仲が良くても、感性も全く同じであるとは限りません。
そのため「友人が気に入っていても自分は気に入らない」ということがあってもおかしくはないのです。
このように「友人と同じ高校」というだけで志望校を決めると、高校とのミスマッチが起こる可能性は十分にあります。ここは高校生活にも関わる部分なので、特に注意しておかなければなりません。
まとめ
高校を選ぶ理由として「友人と同じ高校だから」というのは悪くありません。立派な理由のひとつですので、これを否定するようなことは避けましょう。
ただ、その高校について調べておかなければ、自分の思い描く高校生活とギャップが生じる可能性があります。
友人を基準に志望校を決めるのは良いですが、「高校について全く調べず友人任せ」などの状況になってはいけません。
志望する理由は何であれ、自分でも高校についてよく調べておきましょう。