偏差値の高い高校を
目指すべきなのか?
親は「子供には偏差値の高い高校に入ってもらいたい」と考えるものです。そのような高校に入ることで、より偏差値の高い大学に進学することも期待できるでしょう。
ただ、本人に「偏差値の高い高校を目指す気持ちがない」という場合はどうすれば良いのでしょうか。
親が無理矢理にでも、偏差値の高い高校を目指させるべきであるのか考えていきます。
偏差値の高い高校を目指すべきか?
今回は「本人にやる気がない場合に偏差値の高い高校を目指させるべきか」について考えます。
つまり、親の考える志望校と子供本人が考える志望校に偏差値のギャップがある状態です。かつ、現状の偏差値が低い状態を前提としています。
なお「本人にやる気がある場合」は、特に保護者が口を出さずとも偏差値の高い高校を志望する場合が多いです。そのため基本的には子供のやる気に任せておけば大丈夫でしょう。
無理に目指させる必要は無い
結論としては、偏差値の高い高校を無理に目指させるべきではありません。
一般的には「偏差値の高い高校ほど良い高校である」と考えられています。そのため、「できるだけ偏差値の高い高校を受験させたい」と保護者の方が考えるのも頷けます。
また、偏差値が高ければ大学進学に向けた環境なども整っていることが多いため、基本的には偏差値が高いに越したことはないでしょう。
ただ、そのような高校を「無理に受験させるのが良いか?」と問われるとそうではありません。その理由について以下でご説明します。
「偏差値が高い=良い高校」ではない!
基本的には「偏差値が高い=良い高校である」という場合が多いです。
偏差値が高いと大学受験勉強に取り組みやすい環境が整っている可能性が高いですし、「生徒の素行」「教師の質」「高校の設備」など、様々な観点からも「環境が良い」と判断できます。
ただ、必ずしもこの法則が成り立つとは限りません。中には「偏差値は高いものの良くはない高校」が存在しています。
例えば、高校の中には「最初から勉強のできる生徒が集まりやすい高校」があります。勉強に力を入れている地域にある高校は、自然と学力の高い生徒が集まるのです。
そのような高校の場合、「偏差値は高く進学実績も良いが授業の質も高いとは限らない」ということもありえます。なぜなら、良い学校であるから成績が高まっているのではなく、成績が高い生徒が自然と集まっている状況だからです。
また、「偏差値は高いが生徒の素行は良くない高校」も考えられます。あまり耳にしない例ではありますが、「勉強さえできれば生活指導はあまりしない」という方針もありえます。そのような高校は「生徒の素行が良く魅力的な高校」とは言えないでしょう。
多くの人は「偏差値の高い高校=良い高校」とのイメージを持っています。確かにこのイメージは間違いではありませんが、これに当てはまらない高校があることも理解しておきましょう。
無理に勉強させてもモチベーションが上がりにくい
「偏差値の高い高校を無理やり目指させてもモチベーションが上がりにくい」という問題もあります。
基本的に偏差値の高い高校を目指すのであれば、本人に「この高校に合格したい」という強い気持ちがなければなりません。
なぜなら勉強中心の生活をしなければなりませんので、本人がモチベーションを高めて勉強しなければ志望校に合格することは難しいからです。
もし無理に偏差値の高い高校を目指させると、本人にモチベーションがないまま受験勉強がスタートします。このような状態で受験勉強してもモチベーションは上がりませんし、受験勉強に身が入らず成績を上げることも難しいです。
受験勉強よりも「友達と遊びたい」「部活に力を入れたい」「習い事をそのまま継続したい」など他にやりたいことへのやる気があると、さらに難しくなるでしょう。
このように、本人に「偏差値の高い高校に合格したい」という強い気持ちがないのであれば、自分の好きなことを制限されながら取り組む受験勉強へのモチベーションは高まりません。
むしろ「他にやりたいことがあるのに勉強をやらされている」と感じてしまうでしょう。その結果、勉強には力が入らず成績がなかなか上がらないという問題に繋がります。
一番大切なのは「子供に合った」高校!
高校選びで最も重要なのは「子供に合った高校を選ぶ」ことです。様々な観点から「充実した高校生活を過ごせる高校」を選びましょう。
もちろんこの観点には「偏差値が高い」ということも含まれています。ただしこれ以外にも「高校の雰囲気」「独自の行事」などの観点があることも忘れてはいけません。
こうした「偏差値以外の観点」にも注目することで、「受験のモチベーションを上げられる高校」を見つけられるでしょう。
では具体的に上記の観点についてご説明します。
高校の雰囲気
高校の雰囲気に注目してみましょう。具体的には「授業の様子」「部活動の様子」「イベントの様子」などに注目します。
これらの雰囲気は「入試説明会」「学校紹介」「学園祭」「体育祭」などに参加したり見学したりすることで感じられます。少し時間はかかりますが、自分で足を運んで感じてみるようにしましょう。「実際に足を運んで感じた雰囲気」が、特に価値のあるものなのです。
一度でも足を運んでみると「自分に合った雰囲気かどうか」を直感的に感じられます。とはいえ「一回ぐらいでは判断できない」と思われるかもしれません。
しかし、サイトの情報だけでは受け取れる情報量に限界があります。そのため「一度も足を運ばない場合」と「一度でも足を運ぶ場合」では大きく異なります。また、どちらともつかないのであれば、別のイベントに参加して足を運べば良いのです。
もちろん様々な事情により、足を運べないということもあるでしょう。そのため、もしチャンスがあればそれを逃さず雰囲気を感じに行くということが大切です。
独自の行事
高校によっては独自の行事があります。例えば「宿泊行事」「創立記念日行事」「英語でのスピーチ大会」「社会人とは何かを知る行事」などです。
「学園祭」「体育祭」などは多くの学校で実施されている行事です。そのためあまり差が無いように感じるかもしれませんが、高校によっては「体育祭の応援に特に力を入れていることで有名」という場合もあります。
それ以外にも上記で挙げたような行事の中に「この行事に参加してみたい!」と感じるものがあるかもしれません。
そして、高校独自の行事や体育祭の雰囲気などに魅力を感じたならば「この高校へ進学したい」と考えるようになるかもしれません。それをモチベーションとして、受験勉強に取り掛かることが大切です。
まとめ
本人にやる気がないにも関わらず、偏差値の高い高校を目指させることはおすすめできません。本人とのギャップで受験が上手くいかない可能性が高まります。
もしやる気がないのであれば、最初にやるべきことは「本人のやる気を高める」です。そのためには、本人の嗜好に合う高校を調べ「この高校に進学したい」と思ってもらうことが大切です。
そのような気持ちを持てれば、それが受験勉強のモチベーションに繋がります。そのためまずは、偏差値以外の観点から子供に合う高校を見つけ、そこからモチベーションを引き出すように進めていきましょう。