志望校の最終決定は
いつまでにするべきか?
「志望校をいつ最終決定するか」は受験生が悩みやすい問題です。「自分の学力」「志望校のレベル」「思い描く高校生活」などの様々な要素が影響し、決断できない人が多々います。
しかし、志望校の最終決定が遅れてしまうと、「受験勉強が間に合わない」などの問題につながります。
今回は志望校をいつまでに最終決定するべきかと、その理由についてご説明します。
志望校は早めに決めるほど良い!
中学生は志望校の最終決定に悩みがちですが、大前提として決定は早いに越したことはありません。
また、志望校を早めに決定すると「前倒しで対策ができる」「受験へのモチベーションが上がる」などのメリットを生み出します。以下ではこのメリットの詳細をご説明します。
前倒しで対策ができるため
前倒しで対策ができるメリットがあります。
都立高校入試では基本的に共通問題が出題されます。しかし、私立高校や一部のハイレベル都立では毎年独自の傾向で問題が出題されます。他人と差がつきやすい問題を出すことで、応用力の有無を測っているのです。
言い換えると、ここを得点できるかどうかで合否は左右されます。
共通問題だけであれば教科書の範囲がメインのため、日々の授業をしっかり受けることでそれなり勉強できます。
しかし、このような独自問題で得点するためには志望校に合わせた対策が必須です。志望校の傾向に合わせて、できるだけ多くの問題にチャレンジしておきます。
志望校を早く決定すれば、それだけ対策にかけられる時間が長くなります。結果、独自問題などにも前倒しで対策がとれるようになるのです。
受験へのモチベーションが上がる
受験へのモチベーションを上げやすいメリットがあります。
志望校を決定するまでは「具体的な目標がない」「何を対策すれば良いのか判断できない」などの理由から、なかなか受験へのモチベーションが上がりません。
モチベーションが上がらない間も時間は過ぎていくので、せっかくの勉強時間を無駄に潰すことになります。
そうした後でギリギリになって志望校決めても、物理的な時間の無さやそれに伴う焦りなどが原因でさらにモチベーションは上がりにくいでしょう。
逆に志望校を早めに決定すると「この高校に行きたい」「〇〇の対策をしなければならない」などの気持ちが芽生えます。それにより自分のやるべきことが明確になるので受験へのモチベーションが上がりやすくなります。
このように志望校の決定することで、自分が受験生であることを意識づけます。結果、モチベーションアップにもつなげられるのです。
遅くともどのくらいまでに志望校を決めるべきか?
志望校はできるだけ早く決めておくべきだとご理解いただけたでしょう。しかし、なかなか志望校を決められないのも事実だと思われます。
以下では、遅くともいつまでに決めるべきなのかをご説明します。
都立高校の場合:中3の1月が目安
都立高校の場合は「中学3年生の1月」が目安です。
大半の高校は2月初旬に願書受付が始まり、2月後半から3月初旬にかけて試験が実施されます。このスケジュールを踏まえるのであれば、出願1ヶ月前の1月初旬には決定しておくことが理想的です。
ただ、1月初旬に決定するには12月中にある程度の目星はつけておかなければなりません。担任の先生などと相談しながら、3学期に入る前に候補だけでも見つけておきましょう。
過去問に早めに取り組みたいから
過去問に取り組むためにも、1月中に志望校を決定しておくことが理想的です。
上記で述べた通り、試験は2月後半から始まり期間が集中します。過去問を解くのに最低1ヶ月は要すると仮定すると、この時期に合わせるには1月から解き始めなければなりません。公立と私立複数の過去問を解くならば、1ヶ月以上が必要です。
しかし遅くとも1月中に志望校を決定していれば、最低限過去問を解く時間は確保できます。
特に私立やハイレベル都立を受験するのであれば「あまり対策できなかった」というまま受験当日を迎えることは避けるべき。余裕をもったスケジュールで過去問に取り組めるようにしましょう。
都立の場合、内申書との兼ね合いもあるから
都立高校の場合は中学3年生の内申点のみが影響します。1年生と2年生の内申点は影響しません。
中学3年生の1月になると、中学3年生の内申点が概ね決定されます。この数値を踏まえて、どこの高校に出願できるかが判断可能です。この結果によっては、当初の志望校よりレベルが高くなったり低くなったりすることがあるでしょう。
内申点がオール5を取れるほどの実力があれば特に気にする必要はないかもしれません。しかし、大半の人はこの段階で内申点を確認し、志望校の決定へと繋げます。
私立高校の場合:中3の12月が目安
私立の場合は中学3年生の12月が目安です。
私立高校では学校独自の運営方針を掲げているところもあるため、多くの選択肢があります。「この学校はカリキュラムが良い」「この学校は制服の見た目が良い」などと悩む種が多く、なかなか決められない人が多数います。
しかし、いつまで悩んでいても志望校は決まりません。そこで悩んでしまうことを踏まえ、期日を定めてそこで決め切ることも大切です。
そのため、決め切るために「12月中には決めておく」との気持ちを持っておくと良いでしょう。
私立入試は都立入試よりも早いため
多くの私立高校は都立高校よりも早く入試が実施されます。つまり出願時期も早くなりますので、志望校は早く決定しておく必要があります。
しかし、志望校を生徒と保護者だけで決めるのは難しいものです。特に私立の場合はお金の問題もあるので「好きなように志望校を選んで良い」とはなかなか言えないかもしれません。
そのため日頃から子供と一緒に話し合っておいて、12月までの三者面談において、私立高校の志望校を決定できると良いでしょう。
早めに志望校を固めることで「併願優遇制度」を活用しやすいため
併願優遇制度とは東京都の私立高校が実施している制度です。これは事前に高校が設定する内申点の基準をクリアしておき、中学校の先生と高校の先生間で同意をしておくことで、得点が底上げされる制度のことです。
得点が底上げされる制度ですので、一般入試は受験しなければなりません。ただ、得点が底上げされることでほぼ合格は内定しているような状態です。
なお、「併願」と記載されている通り、私立高校への入学は必須ではありません。後に実施される都立高校入試に合格すれば、そちらへの入学が可能です。しかし、落ちてしまった場合には私立高校に入学しなければなりません。
この制度を利用するためには、志望する高校に合った内申点が必要です。どこに出願するのか判断するためにも、中学3年生の1月が鍵となります。
まとめ
志望校はできるだけ早く決めるに越したことはありません。早く決めておくことで「前倒しで対策できる」「モチベーションが上がる」などのメリットを生み出します。
ただ、なかなか志望校を決められない人が多いのも事実です。そのような人は、遅くとも中学3年生の1月までに決定しましょう。私立高校については、中学3年生の12月までです。
この時期までに決定しておけば、過去問の対策などに時間を割けます。難しいことではありますが、できるだけ早く志望校は決定してしまいましょう。